起業して3ヶ月目、請求書を見て手が震えた。NTTの電話料金が月額3万2,000円。たった一本の固定電話にこんな金額を払い続けるなんて、小さな会社には致命的だった。

そんな時、取引先の社長から聞いた一言が私の常識を覆した。「うちの電話代、月500円だよ」。最初は冗談だと思った。でも、彼が見せてくれた請求書は本物だった。

従来の電話回線の罠にハマった私

起業当初、当たり前のようにNTTの加入電話を申し込んだ。電話加入権36,000円を払い、基本料金1,700円、さらに通話料が積み重なって、気づけば毎月3万円超え。これが「普通」だと思い込んでいた自分が情けない。

調べてみると、日本の中小企業の約60%がまだ従来の電話回線を使い続けているという。つまり、多くの経営者が私と同じ過ちを犯しているということだ。

ひかり電話との出会いと衝撃の料金差

教えてもらったのはヒカリ電話.comというサービス。正直、最初は怪しいと思った。電話代が500円なんて、何か裏があるはずだと。

でも実際に調べてみると、これはNTT東西が提供する正規のIP電話サービスだった。光回線を使って音声通話を行う仕組みで、電話加入権も不要。初期費用も大幅に削減できる。

料金比較の衝撃的な結果

項目 従来の加入電話 ひかり電話
電話加入権 36,000円 0円
月額基本料 1,700円〜 500円〜
市内通話(3分) 8.5円 7.2円
県内市外(3分) 20〜40円 7.2円
県外(3分) 20〜80円 7.2円

特に衝撃的だったのは通話料の差。従来の電話では距離によって料金が変わるが、ひかり電話は全国一律7.2円/3分。県外への通話が多い私の会社では、これだけで月1万円以上の節約になった。

実際に申し込んでみた体験談

半信半疑でヒカリ電話.comから申し込みをした。ウェブサイトは少し古臭いデザインで、正直不安もあった。でも、24時間受付というのは助かった。深夜に申し込んでも、翌朝には確認の電話がかかってきた。

申し込みから開通までの流れ

1. Web申し込み(5分):必要事項を入力。法人の場合は登記簿謄本などが必要だが、個人事業主なら本人確認書類だけでOK。

2. 確認電話(翌日):担当者から電話があり、工事日程の調整。対応は丁寧だったが、少し営業っぽさも感じた。

3. 現地調査(1週間後):NTTの技術者が来て、光回線の引き込み可能かチェック。うちのビルは問題なかったが、古い建物だと工事できない場合もあるらしい。

4. 工事実施(2週間後):約2時間で完了。電話番号はそのまま引き継げた。これは本当に助かった。

使ってみて分かったメリットとデメリット

予想以上に良かった点

音質がクリア:正直、IP電話は音質が悪いイメージがあったが、むしろ従来の電話より聞き取りやすい。

複数番号が持てる:追加番号が月100円。部署ごとに番号を分けられるのは便利。

転送機能が無料:従来は有料オプションだった転送が標準装備。外出時も逃さない。

FAXも使える:これは意外だった。光回線でもFAXは問題なく送受信できる。

正直困った点

停電時に使えない:これが最大のデメリット。従来の電話は停電でも使えたが、ひかり電話は完全にダウン。UPS(無停電電源装置)の導入を検討中。

インターネット回線に依存:ネットが止まると電話も止まる。回線の二重化を考える必要がある。

110番、119番の位置情報:GPSではなく登録住所が通知される。引っ越し時は要注意。

他社サービスとの比較

ひかり電話を検討する中で、他のIP電話サービスも調べた。結果として分かったのは、ひかり電話が最もバランスが良いということ。

主要IP電話サービスの比較

サービス名 月額基本料 通話料(3分) 音質 信頼性
NTT ひかり電話 500円〜 7.2円
KDDI 光電話 500円〜 7.4円
ソフトバンク おうちのでんわ 980円〜 7.99円
楽天 でんわ 0円 10円

楽天でんわのような基本料0円サービスもあるが、音質や安定性を考えると、ビジネス利用には向かない。月500円の投資で得られる安心感は、十分に価値があると感じた。

1年間使い続けた結果

ひかり電話に切り替えてから1年。電話料金は月平均2,800円まで下がった。従来の3万2,000円と比べると、年間で約35万円の削減。この差額で新しいPCを2台購入できた。

ただし、すべてが順調だったわけではない。3ヶ月目に一度、光回線の障害で半日電話が使えなくなった。幸い土曜日だったので業務への影響は最小限だったが、バックアップ回線の必要性を痛感した。

コスト削減の内訳(年間)

・基本料金削減:(1,700円 - 500円)× 12ヶ月 = 14,400円

・通話料削減:月平均25,000円の削減 × 12ヶ月 = 300,000円

・電話加入権不要:36,000円

合計:350,400円の削減

ひかり電話が向いている人、向いていない人

特におすすめできる人

起業したばかりの人:初期費用を抑えられる。電話加入権36,000円は大きい。

通話が多い事業者:全国一律料金の恩恵が大きい。

複数拠点を持つ企業:拠点間通話が内線扱いになるプランもある。

在宅ワーカー:転送機能で外出先でも対応可能。

慎重に検討すべき人

停電が多い地域の人:年に数回でも停電があるなら要注意。

ネット環境が不安定な人:光回線の品質次第で通話品質も変わる。

FAXを頻繁に使う人:使えるが、たまに不具合もある。

セキュリティを重視する人:暗号化されているが、理論上は盗聴リスクがある。

申し込み前に確認すべきポイント

実際に申し込んでみて、事前に確認しておけばよかったと思ったことがいくつかある。

1. 光回線の提供エリア

都市部なら問題ないが、郊外や山間部では光回線自体が来ていない場合も。NTTのサイトで事前チェックは必須。

2. 建物の配管状況

古いビルだと、光ケーブルを通す配管がない場合がある。うちの隣のビルがまさにそれで、結局従来の電話のまま。

3. 既存の電話番号の移行可否

ほとんどの番号は移行できるが、一部できない番号もある。私の知人は、20年使った番号が移行できず断念した。

4. 必要な付加サービス

ナンバーディスプレイ、キャッチホン、ボイスワープなど。これらは別料金なので、トータルコストで考える必要がある。

トラブルと対処法

1年間で経験したトラブルと、その対処法をまとめておく。

音声が途切れる問題

導入3週間目に発生。原因はルーターの設定ミス。QoS(Quality of Service)の優先度設定で音声通話を最優先にすることで解決。

FAX送信エラー

特定の相手にFAXが送れない問題が発生。調べると、相手が古いFAX機を使っている場合に起こりやすいらしい。通信速度を落とす設定で対応できた。

着信音が鳴らない

これは完全に私のミス。電話機の音量を0にしていた。でも、サポートに電話したら親切に対応してくれた。24時間サポートは心強い

最新の料金プランと選び方

2024年現在、ひかり電話には複数のプランがある。私が使っているのは基本プランだが、用途によっては上位プランの方がお得な場合も。

プラン名 月額料金 無料通話 おすすめ用途
基本プラン 500円 なし 通話少なめの個人・SOHO
ひかり電話A 1,500円 480円分 月60分程度通話する人
安心プラン 1,400円 1,200円分 通話が多い事業者
もっと安心プラン 3,900円 4,800円分 コールセンターなど

私の場合、通話料が月2,000円程度なので基本プランで十分。でも、通話が多い月は安心プランの方が得だったかも。3ヶ月の通話料を平均して、最適なプランを選ぶのがコツ。

導入を決めた決定的な理由

正直に言うと、最後まで迷った。新しいシステムへの不安、トラブル時の対応、そして何より「本当に大丈夫なのか」という疑念。

でも、決め手になったのは取引先の評価だった。「電話の音がクリアになったね」「つながりやすくなった」という声を複数もらった。従来の電話より品質が上がっているなんて、思ってもいなかった。

そして何より、浮いたお金を事業に投資できるという点。月3万円の節約は、年間36万円。これだけあれば、新しい広告を打てるし、パートさんを一人雇える。小さな会社にとって、この差は本当に大きい。

まとめ:1年使った本音

ひかり電話は完璧なサービスではない。停電時の問題、ネット依存のリスク、初期設定の面倒さ。でも、それらを考慮しても、メリットの方が圧倒的に大きい。

特に起業したばかりの人、固定費を削減したい人には強くおすすめしたい。ただし、バックアップ体制は必須。私は今、格安SIMを使った予備回線を検討している。

最後に一つアドバイス。申し込む前に、必ず複数の代理店で見積もりを取ること。キャンペーンや特典が大きく違う場合がある。私はヒカリ電話.comで申し込んだが、対応も早くて満足している。

電話代に月3万円払い続けるか、それとも500円で済ませるか。答えは明白だと思う。ただし、しっかりとデメリットも理解した上で、自社に合った選択をすることが大切だ。

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