冷凍庫の奥で3ヶ月放置したエンパナーダが、まさか人生で一番美味しい朝食になるとは思わなかった
朝の4時23分。空腹で目が覚めた私は、冷凍庫の奥から何か食べられるものを探していた。そこで見つけたのが、3ヶ月前に注文して完全に忘れていたChe! Empanadaのお試しセットだった。
「賞味期限、大丈夫かな…」と思いながら、とりあえずオーブントースターに放り込んで15分。焼き上がったエンパナーダを一口食べた瞬間、私の中の何かが変わった。
外はサクサク、中はジューシーな肉汁があふれ出し、オリーブの塩気がアクセントになっている。冷凍食品とは思えないクオリティに、朝から涙が出そうになった(大げさではなく本当に)。
そもそもエンパナーダって何?私も最初は知らなかった
エンパナーダ(Empanada)は、アルゼンチンをはじめとする南米で愛されている半月型の包み揚げパンのこと。餃子とパイの中間みたいな食べ物と言えば分かりやすいだろうか。
Che! Empanada(チェ!エンパナーダ)は、本場アルゼンチンの味を日本で再現した冷凍食品の宅配サービス。創業者の熱い想いが詰まった商品らしいが、正直最初は「また外国の冷凍食品か…」と期待していなかった。
注文してから届くまでの不安な3日間
公式サイトから注文したのは金曜日の深夜。お試しセット(6個入り)3,470円は、冷凍食品としては決して安くない。「失敗したらどうしよう」という不安を抱えながら、到着を待った。
月曜日の午前中、クール便で届いた箱を開けると、思っていたよりもしっかりとした包装で安心した。各エンパナーダは個別に真空パックされており、冷凍焼けの心配もなさそうだった。
実際に調理してみた4つの方法とその結果
同梱されていた調理ガイドによると、オーブン、フライパン、エアフライヤー、グリルの4つの方法で調理できるとのこと。せっかくなので、全部試してみることにした。
1. オーブントースター(15分)
最も簡単で、最も美味しく仕上がった方法。予熱なしで200度15分。外側がパリッとして、中はジューシーに。ただし、電気代を考えると毎回使うのは…という葛藤も。
2. フライパン(12分)
少量の油で両面を焼く方法。焦げやすいので注意が必要だが、香ばしさは一番。ただ、油はねがひどくてキッチンが汚れるのが難点。
3. エアフライヤー(10分)
180度で10分。油を使わないのでヘルシーだが、パサつきやすいのが欠点。水分が飛びすぎてしまうのか、ジューシーさに欠ける仕上がりに。
4. 魚焼きグリル(8分)
意外と良かったのがこの方法。両面焼きで8分程度。ただし、グリルの掃除が面倒なのと、焼きムラができやすいのが課題。
味のバリエーションと個人的ランキング
お試しセットには6種類の味が入っていた。私の独断と偏見によるランキングは以下の通り:
- ビーフシチュー - 濃厚な味わいで満足感MAX。ただしカロリーも高そう…
- 定番の挽肉+オリーブ - 万人受けする安定の美味しさ。初心者はここから始めるべき
- ほうれん草+チーズ - ベジタリアンの友人も絶賛。でも物足りない人もいるかも
- カプレーゼ - トマトとチーズの組み合わせは鉄板。朝食にもぴったり
- チキンカレー - 日本人向けにアレンジされた味。本場感は薄い
- 4種のチーズ - チーズ好きにはたまらないが、重すぎて胃もたれした
他社サービスとの徹底比較
エンパナーダや類似の冷凍食品サービスを比較してみた。
| 項目 | Che! Empanada | 冷凍餃子専門店A | 海外冷凍食品B |
|---|---|---|---|
| 1個あたりの価格 | 約580円 | 約120円 | 約450円 |
| 調理の手軽さ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★★★★ |
| 味の本格度 | ★★★★★ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ |
| 保存期間 | 6ヶ月 | 3ヶ月 | 12ヶ月 |
| 送料無料条件 | 10,000円以上 | 5,000円以上 | 8,000円以上 |
価格だけ見るとChe! Empanadaは高い。でも、味のクオリティと満足感を考えると、妥当な価格設定だと感じた。餃子専門店Aは安いが、やはり餃子は餃子。エンパナーダとは別物だ。
3週間使い続けて分かった本音
最初の感動から3週間。冷静になって考えてみると、いくつかの現実的な問題も見えてきた。
良かった点
- 朝食、昼食、夕食、おやつ、お酒のつまみ…どんなシーンでも活躍する
- 急な来客時の救世主になる(実際に2回助けられた)
- 冷凍庫にストックがあるという安心感
- 子供も喜んで食べる(野菜嫌いの甥っ子がほうれん草味を完食!)
困った点
- 冷凍庫の容量問題。12個セットを頼んだら、他の冷凍食品が入らなくなった
- 1個580円は日常使いには高い。特別な日用になりがち
- 調理に10分以上かかるので、本当に急いでいる時は不便
- 美味しすぎて食べ過ぎる(これは自己管理の問題だが…)
チミチュリソースとの出会いが運命を変えた
2回目の注文で一緒に頼んだチミチュリミックス。これがゲームチェンジャーだった。オリーブオイルとお酢を混ぜるだけで、本場アルゼンチンのソースが完成。エンパナーダにかけると、まるで現地で食べているような気分に。
ただし、にんにくが効きすぎているので、デート前は避けた方が無難。実際、月曜日の朝に食べて、火曜日の会議で同僚に「にんにく臭い」と言われた苦い経験がある。
誰におすすめできて、誰にはおすすめできないか
こんな人にはぴったり
- 新しい食文化に興味がある冒険心のある人
- ホームパーティーをよく開く人
- 冷凍庫に余裕がある一人暮らしor少人数世帯
- 朝食のマンネリ化に悩んでいる人
- 本格的な味を家で楽しみたいグルメな人
正直おすすめしづらい人
- とにかく安さ重視の人(コスパは良くない)
- 薄味が好きな人(味は濃いめ)
- 小さい冷凍庫しかない人
- 揚げ物・油物が苦手な人
- 即席で食べられるものを求めている人
失敗から学んだ賢い利用方法
最初は興奮して12個セットを3つも注文してしまい、冷凍庫がパンパンに。アイスクリームを泣く泣く処分する羽目になった。
その失敗から学んだ賢い利用方法:
- 初回はお試しセット(6個)から始める
- 気に入った味だけ単品で追加注文
- 10,000円の送料無料ラインを意識して、友人とシェア買い
- 冷凍庫の空き容量を確認してから注文
- 特別な日用と日常用で味を使い分ける
結局、Che! Empanada は「買い」なのか?
3ヶ月使い続けた結論として、「万人向けではないが、ハマる人にはとことんハマる」サービスだと感じた。
価格の高さは否定できない事実。でも、本格的なアルゼンチン料理を自宅で手軽に楽しめる価値は、単純な価格比較では測れない。実際、私は今でも月1〜2回のペースでリピート注文している。
特に印象的だったのは、来客時の反応だ。「これ、どこで買ったの?」「レストランの味みたい!」という声を何度も聞いた。そういう特別な体験を提供できるという意味では、価格以上の価値があると思う。
ただし、日常的な冷凍食品として考えると厳しい。コンビニ弁当や冷凍チャーハンの代わりにはならない。あくまでも「ちょっと贅沢な冷凍食品」「特別な日のストック」という位置づけで利用するのがベストだろう。
最後に、あの朝4時23分の体験を思い出す。3ヶ月放置しても美味しかったという事実が、このサービスの品質の高さを物語っている。冷凍技術の進歩に感謝しつつ、今夜もエンパナーダをオーブンに入れようと思う。


