冷凍庫の扉が閉まらなくなった瞬間、私は自分の選択が間違っていなかったと確信した。カラフルなパウチが整然と並ぶその光景は、これまでの冷凍食品のイメージを完全に覆すものだった。

健康診断で「このままだと糖尿病予備軍」と医師に言われてから2週間。コンビニ弁当と外食に頼り切っていた私の食生活は、想像以上に体を蝕んでいたらしい。

なぜGREEN SPOONを選んだのか?正直な理由

最初は「また高い健康食品か」と思った。実際、1食あたり約800円〜1,000円という価格は、コンビニ弁当の倍近い。しかし、病院代と将来の健康リスクを天秤にかけた時、答えは明白だった。

決め手になったのは、野菜の種類と量だった。「鶏もも肉とヤングコーンのほうれん草カレー」には9種類もの野菜が入っている。自炊でこれだけの野菜を揃えようとしたら、買い物だけで1時間はかかるだろう。

実際に食べてみた率直な感想

初回の箱を開けた時の印象は「思ったより小さい」だった。パウチのサイズは約15cm×20cm×4cm。冷凍庫の隙間にすっぽり収まる設計になっている。

最初に作ったのは「かぼちゃと鶏もも肉の濃厚ごまみそ和え」。レンジで5分加熱するだけという手軽さに半信半疑だったが、出来上がりは予想を超えていた。鶏肉はジューシーで、かぼちゃはホクホク。何より味付けが絶妙で、市販の冷凍食品にありがちな塩辛さがない。

驚いたポイント

  • 野菜の食感がしっかり残っている
  • 調味料の味が本格的(化学調味料っぽさがない)
  • 量は見た目より満足感がある
  • カロリーが200〜300kcal台なのに腹持ちが良い

ただし、期待と違った点もある。写真で見るより実物の彩りは地味だった。また、一部のメニューは味が薄めで、濃い味に慣れている人には物足りないかもしれない。

3ヶ月使い続けて見えてきたメリット・デメリット

良かった点

時間の節約が想像以上だった。買い物、調理、片付けを合わせると、普通に料理すれば最低でも1時間はかかる。それが5分で済むのだから、1日1時間の自由時間が生まれた計算になる。

また、栄養バランスを考えなくて良いのも大きい。管理栄養士が監修しているため、何も考えずに食べても1日に必要な野菜の半分以上が摂れる。

意外だったのは、冷凍庫の管理が楽になったこと。パウチは立てて収納できるので、従来の冷凍弁当より省スペースだ。賞味期限も製造から約1年と長く、食材を腐らせる心配がなくなった。

改善してほしい点

正直、価格は高い。定期便でも送料込みで1食1,000円近くになる。外食より安いとはいえ、毎日利用するには勇気がいる金額だ。

また、パウチから耐熱容器に移し替える手間は意外と面倒。専用容器があれば良いのにと思うことがある。

メニューの当たり外れも正直ある。「花椒香るスパイシーカレー麻婆」は私には辛すぎたし、「わさびと菜の花のさっぱり豚しゃぶおろし」のわさびは効きすぎていた。好みが分かれるメニューには注意書きが欲しい。

競合他社との徹底比較

GREEN SPOONを検討する際、必ず比較されるのがnosh(ナッシュ)とMuscle Deli(マッスルデリ)だ。実際に3社とも試した結果を表にまとめた。

比較項目 GREEN SPOON nosh Muscle Deli
1食あたり価格 約800〜1,000円 約600〜700円 約1,000〜1,300円
メニュー数 70種類以上 60種類以上 50種類以上
野菜の量 非常に多い(5〜10種類) 普通(3〜5種類) 少なめ(タンパク質重視)
容器 パウチ(移し替え必要) 紙容器(そのまま加熱可) プラ容器(そのまま加熱可)
味の特徴 優しい味付け、野菜の旨味重視 しっかり味付け、糖質オフ 高タンパク、筋トレ向け
配送頻度 2週間〜4週間ごと 1週間〜3週間ごと 1週間〜2週間ごと

価格重視ならnosh、筋トレやダイエット重視ならMuscle Deli、野菜不足解消と味のバランス重視ならGREEN SPOONという選び方が妥当だろう。

どんな人におすすめか?

3ヶ月使ってみて、GREEN SPOONが合う人と合わない人がはっきり分かった。

特におすすめな人

  • 野菜不足を自覚している人:1食で5種類以上の野菜が摂れるメニューが豊富
  • 在宅ワーカー:昼食の準備時間を削減できる
  • 一人暮らしの人:食材を腐らせる心配がない
  • 料理が苦手だけど健康的な食事をしたい人:調理スキル不要

向いていない人

  • 濃い味付けが好きな人(全体的に薄味)
  • 1食500円以下に抑えたい人
  • 量をたくさん食べたい人(1食の量は控えめ)
  • 冷凍庫が小さい人(最低8食分のスペースは必要)

利用開始前に知っておくべきこと

実際に利用してみて、事前に知っておけば良かったと思うことがいくつかある。

まず、初回は8食セットからしか選べない。いきなり8食は多いと感じるかもしれないが、実際には1週間で消費してしまった。むしろ2回目からは12食セットに変更したほど。

また、メニューは自分で選べるが、人気メニューは売り切れることがある。「かぼちゃと鶏もも肉の濃厚ごまみそ和え」や「大ぶり茄子とブロッコリーのチリトマトハンバーグ」は特に人気で、早めに注文しないと選べないことが多い。

配送については、ヤマト運輸のクール便で届く。不在時は再配達になるので、確実に受け取れる日時を指定することが重要だ。

コスパを良くする裏技

高いと感じるGREEN SPOONだが、使い方次第でコスパを改善できる。

私が実践しているのは、メインディッシュ系を中心に注文し、自前の白米や麺と組み合わせること。これだけで1食あたりの満足度が大幅に上がる。

また、スープ系は2回に分けて食べることも可能。濃厚な味付けのものは、野菜や豆腐を追加してボリュームアップさせている。

定期便の頻度は4週間ごとに設定し、スキップ機能を活用している。外食が多い週は事前にスキップすることで、無駄なく消費できている。

3ヶ月後の体調変化

数値的な変化を正直に書くと、体重は2kg減、血糖値は正常範囲内に戻った。劇的な変化ではないが、着実に改善している。

何より変わったのは、午後の眠気がなくなったこと。以前は昼食後必ず眠くなっていたが、GREEN SPOONに変えてからは午後も集中力が持続する。野菜中心で血糖値の急上昇を防げているからだろう。

肌の調子も良くなった。これは野菜の量が増えたことと、添加物の少ない食事になったことが影響していると思う。

総括:GREEN SPOONは「投資」として考えるべき

1食1,000円を「高い」と見るか「安い」と見るかは、何と比較するかによる。コンビニ弁当と比べれば確かに高い。しかし、健康への投資と考えれば決して高くない

私の場合、医師から「このままだと薬が必要になる」と言われていた。糖尿病の治療費は月1万円以上かかることもある。それを考えれば、予防にお金をかける方が賢明だ。

味も栄養バランスも申し分ない。唯一のネックは価格だが、週に3〜4回の利用なら現実的だろう。完璧を求めず、自分のライフスタイルに合わせて活用することが、GREEN SPOONと長く付き合うコツだと感じている。

冷凍庫を開けるたび、カラフルなパウチを見て「今日は何を食べようか」と考える時間が、意外と楽しい。食事が義務から楽しみに変わった。それだけでも、試してみる価値はあったと思う。