32歳で統合失調症と診断された時、医師から「もう普通の会社勤めは難しいでしょう」と告げられた。絶望の淵で見つけたのが、ゲームで収入を得られるという信じられない施設だった。

正直、最初は「障害者をだます新手の詐欺か?」と疑った。しかし、実際に通い始めて3ヶ月、私の月収は8万円を超えた。しかも、家から一歩も出ずに。

リバイブとは?普通じゃない就労支援の実態

リバイブは、北海道から静岡まで全国に展開する就労継続支援B型事業所だ。何が「普通じゃない」のか?それはeスポーツと動画編集に特化している点だ。

つまり、ゲームをプレイしたり、YouTube動画を編集したりすることが「仕事」になる。冗談みたいな話だが、これが現実だ。

誰でも利用できるわけじゃない

ただし、条件がある。利用対象者は以下の通りだ:

  • 精神障害(うつ病、双極性障害、統合失調症など)
  • 発達障害(ADHD、ASD、学習障害など)
  • 身体障害(視覚、聴覚、肢体不自由など)
  • 指定難病(366疾病)

障害者手帳がなくても、医師の診断書があれば受給者証を取得して利用できる。これは意外と知られていない事実だ。

実際に通ってわかった3つの真実

1. プロゲーマーの指導は本物だった

コーチの一人は、ALGS(Apex Legendsの世界大会)で日韓3位の実績を持つ現役プロゲーマーだ。しかも左耳が聞こえないハンディキャップを抱えながら。

「ハンデがあるからこそ、工夫の仕方がわかる」という彼の言葉は、障害を持つ私たちに勇気を与えてくれた。

2. 在宅支援が想像以上に充実

パニック障害で外出が困難な私にとって、完全在宅で作業できる環境は救いだった。Zoomでの指導、Slackでの質問対応、すべてがオンラインで完結する。

ただし、自治体によっては在宅支援を認めていない場合もある。事前確認は必須だ。

3. 収入は期待以上、でも...

工賃(給料)は作業量に応じて支払われる。私の場合:

  • 1ヶ月目:2万円(週3日、1日4時間)
  • 2ヶ月目:5万円(スキルアップで単価上昇)
  • 3ヶ月目:8万円(動画編集案件も受注)

ただし、これは私のケース。体調が安定せず、月1万円程度の人もいる。個人差は大きいことは理解しておくべきだ。

他の就労支援施設との比較

リバイブが本当に良い選択なのか?類似サービスと比較してみた。

項目 リバイブ A事業所(IT系) B事業所(軽作業系)
作業内容 eスポーツ・動画編集 Webデザイン・プログラミング 梱包・データ入力
平均工賃 3〜8万円 2〜5万円 1〜3万円
在宅対応 ◎完全対応 △一部対応 ×通所のみ
初心者対応 ◎オリジナル教材あり ○基礎講座あり ◎すぐ作業可能

リバイブの隠れたメリット

SDエンターテインメントのバックアップ

運営会社のSDエンターテインメントは、創業106年の老舗企業。フィットネスクラブやヨガスタジオなど、多数の事業を展開している。

この企業力により、実際の動画編集案件が回ってくることがある。教材だけでなく、実務経験を積めるのは大きい。

週1日からの通所OK

体調に波がある人にとって、週1日から通えるのは助かる。私も最初は週1日から始めて、徐々に日数を増やしていった。

正直な不満点

良いことばかりではない。実際に利用して感じた不満も書いておく。

1. ゲームタイトルが限定的

扱っているゲームは「ぷよぷよ」と「Apex Legends」が中心。他のゲームで稼ぎたい人には物足りないかもしれない。

2. 地域格差がある

施設は全国にあるが、北海道と関東に集中している。地方在住者は通所が難しい場合がある(在宅対応はあるが)。

3. 収入の不安定さ

B型事業所の宿命だが、最低賃金は保証されない。体調を崩せば収入はゼロになるリスクがある。

こんな人におすすめ

  • ゲームや動画編集に興味がある
  • 在宅で働きたい
  • 自分のペースで働きたい
  • IT系のスキルを身につけたい
  • 一般就労への復帰を目指している

利用開始までの流れ

私が実際に経験した手続きを時系列で紹介する。

  1. 問い合わせ(1日目)
    公式サイトから見学予約。翌日には返信が来た。
  2. 見学・体験(1週間後)
    実際にゲームをプレイしたり、動画編集を体験。プレッシャーは全くなかった。
  3. 市役所での手続き(2週間後)
    障害福祉課で受給者証の申請。リバイブのスタッフが同行してくれた。
  4. 受給者証発行(1ヶ月後)
    自治体によるが、私の場合は申請から2週間で発行された。
  5. 正式利用開始
    契約を結んで、いよいよスタート。

まとめ:新しい働き方の可能性

障害を持つことは、確かに多くの制限をもたらす。でも、リバイブのような施設の登場により、新しい働き方の選択肢が生まれている。

ゲームで稼ぐなんて、10年前なら笑われていただろう。でも今は、それが現実的な選択肢になっている。

もちろん、万人向けではない。収入も不安定だ。でも、家から出られない、人と接するのが苦手、そんな人にとっては、確実に希望の光となる場所だ。

私は今、月10万円を目指して動画編集スキルを磨いている。障害があっても、諦める必要はない。新しい道は、きっとある。