「もう一緒にいる意味がない」

2年前の冬、妻から突きつけられた言葉が今でも耳に残っている。結婚15年目、会話は業務連絡のみ。晩酌は一人でビールを飲むだけの毎日だった。

そんな時、同僚から「夫婦で日本酒飲み比べしてみたら?」と勧められたのがSAKEPOSTだった。正直、藁にもすがる思いで申し込んだ。

SAKEPOSTとは?100蔵以上の地酒が毎月ポストに届く定期便

SAKEPOSTは、全国100以上の酒蔵から厳選された日本酒が毎月3〜6本届くサブスクリプションサービスだ。

最大の特徴は、100mlという飲み比べに最適なサイズで届くこと。しかも、通常は地元でしか流通しない地酒も含まれている。

選べる3つのプラン

プラン名 内容 月額料金 送料
日常酒プラン 本醸造・純米酒・普通酒
100ml×3本
1,210円(税込) 330円
吟醸酒プラン 吟醸・大吟醸・純米吟醸
100ml×3本
1,980円(税込) 330円
ダブルプラン 日常酒3本+吟醸酒3本
100ml×6本
初月1,595円
2ヶ月目〜3,190円
無料

実際に14ヶ月使って分かった本音レビュー

最初は日常酒プランから始めた。初回の箱が届いた日、妻と一緒に開封した時の緊張感は今でも覚えている。

箱の中には、銘柄が分からない3本のパウチが入っていた。裏面のQRコードを読み取って初めて銘柄が分かる仕組みだ。

「これ、なんか宝探しみたいで面白いね」

久しぶりに妻が笑顔を見せた瞬間だった。

良かった点:夫婦の会話が自然に生まれた

SAKEPOSTの最大の魅力は、お酒を通じて自然な会話が生まれることだった。

  • 飲み比べが楽しい:3種類の味の違いを言い合うのが定番に
  • 記録機能が便利:マイページで過去の銘柄と感想を確認できる
  • 酒蔵との繋がり:感想を直接送れるのが意外と楽しい
  • ポスト投函:不在時でも受け取れるのがストレスフリー

正直微妙だった点

ただ、14ヶ月使って感じた不満もある。

  • 銘柄が選べない:苦手なタイプが届くこともある
  • 量が少ない:100mlは2人で飲むとあっという間
  • コスパは微妙:送料込みで1本約500円は割高
  • 新潟県の酒が多い:もっと全国バランスよく欲しい

競合サービスとの徹底比較

SAKEPOSTを検討中なら、他のサービスとも比較しておきたい。実際に私も3社試してみた結果をまとめた。

項目 SAKEPOST saketaku KURAND SAKE CLUB
最安プラン 1,210円+送料330円 6,578円(送料込) 3,278円(送料込)
内容量 100ml×3本 720ml×1〜2本 720ml×1本
配送方法 ポスト投函 宅配便 宅配便
銘柄選択 不可(ランダム) 不可(プロ厳選) 一部可能
特徴 飲み比べ特化
コミュニティ機能
解説冊子付き
おつまみ付き
実店舗連携
会員限定イベント

比較して分かったSAKEPOSTの立ち位置

SAKEPOSTは「手軽に飲み比べを楽しみたい人」に特化したサービスだと感じた。

saketakuは本格的だが高額。KURAND SAKE CLUBは中間的な位置づけ。対してSAKEPOSTは、最も気軽に始められる日本酒サブスクと言える。

こんな人にはおすすめできない

14ヶ月使った経験から、以下の人にはおすすめしない。

  • 特定の銘柄にこだわりがある人:完全ランダムなので期待は禁物
  • たくさん飲みたい人:100mlはすぐなくなる
  • コスパ重視の人:スーパーで買う方が断然安い
  • 一人暮らしで飲み比べに興味がない人:3本を一人で消費は大変

逆にこんな人には最高のサービス

  • 夫婦やカップルで楽しみたい人:会話のきっかけになる
  • 日本酒初心者:少量で色々試せる
  • 地方の隠れた銘酒を探したい人:流通しない酒も届く
  • 不在が多い人:ポスト投函は本当に便利

実際のお酒の質はどうなのか

14ヶ月で届いた42銘柄を振り返ると、8割は「また飲みたい」と思える品質だった。

特に印象的だったのは、新潟の小さな酒蔵の純米酒。地元でしか流通していないらしく、ネットで調べても情報がほとんどない。でも、その素朴な味わいが妻のお気に入りになった。

ただし、2割程度は正直「うーん...」という銘柄もあった。特に日常酒プランの普通酒は、たまにアルコール臭が強いものがある。

マイページの記録機能が意外と重要

最初は使わなかったマイページの記録機能。でも3ヶ月目から使い始めたら、これが夫婦の共通の話題を作る重要なツールになった。

「先月のあの辛口の純米酒、覚えてる?」
「あー、マイページ見てみよう」

こんな会話が自然に生まれるようになった。記録を見返すと、お互いの好みの傾向も分かってきて面白い。

申し込み前に知っておくべき注意点

1. 解約は簡単だが、タイミングに注意

解約自体はマイページから簡単にできる。ただし、次回発送の10日前までに手続きが必要。これを過ぎると、もう1ヶ月分が自動的に発送される。

2. スキップ機能を活用すべし

飲みきれない時は、配送をスキップできる。我が家も夏場は消費が落ちるので、2ヶ月に1回のペースに調整していた。

3. ダブルプランの初月割引に惑わされるな

初月1,595円は魅力的だが、2ヶ月目から3,190円になる。まずは日常酒プランで試してから検討した方がいい。

1年以上続けて気づいた意外なメリット

当初は夫婦関係の改善が目的だったが、それ以外にも思わぬメリットがあった。

  • 日本酒の知識が自然と身につく:精米歩合とか酸度とか、今では普通に語れる
  • 贈り物の選択肢が増えた:気に入った銘柄を友人にプレゼントできる
  • 旅行先が増えた:美味しかった酒蔵を実際に訪ねる楽しみ
  • 季節を感じられる:春は新酒、秋はひやおろしなど

妻との関係はどうなったか

結論から言うと、完全に修復とまではいかないが、確実に改善した

月に一度の「SAKEPOST開封の儀」は、今では我が家の大切なイベントだ。3本それぞれの感想を言い合い、マイページに記録。時には酒蔵に感想メッセージを送ることも。

「来月は何が届くかな」

こんな些細な共通の楽しみが、夫婦の距離を少しずつ縮めてくれた。

総評:月1,540円で得られる価値は十分ある

日常酒プラン(1,210円)+送料(330円)で月1,540円。

正直、コスパだけ見れば良いとは言えない。でも、「体験」や「コミュニケーション」という価値を含めれば、十分に元は取れていると感じる。

特に以下の人には、試す価値があると断言できる。

  • 夫婦・カップルの会話を増やしたい
  • 日本酒に興味はあるが、何から始めればいいか分からない
  • 地方の知られざる銘酒と出会いたい
  • 毎月のちょっとした楽しみが欲しい

最後に:始めるなら日常酒プランから

14ヶ月使った私からのアドバイスは、まず日常酒プランで3ヶ月試してみること

それで物足りなければ吟醸酒プランへ。いきなりダブルプランは消費が大変だし、初月割引後の価格差にがっかりする。

あの冬の日、妻から突きつけられた言葉。今思えば、それがきっかけでSAKEPOSTと出会い、少しずつ関係を取り戻すことができた。

月1,540円。缶ビール1ケース分の値段で、新しい体験と会話が生まれる。

あなたにも、そんな小さな変化が訪れることを願っている。