職場の人間関係に疲れ果てた私が、アドラー心理学講座で見つけた「課題の分離」という救いの考え方
上司からの理不尽な要求、同僚との衝突、部下への接し方…。毎朝会社に行くのが憂鬱で、日曜の夜になると胃が痛くなる。そんな状態が2年も続いていました。
「もう限界かもしれない」
そう思って転職サイトを眺めていた時、友人から言われた一言が私の人生を変えることになりました。
「それ、全部あなたが他人の課題を背負い込んでるだけじゃない?」
アドラー心理学との出会い、そして受講を決意するまで
友人の言葉の意味が分からず聞き返すと、彼女は「課題の分離」というアドラー心理学の概念について話してくれました。簡単に言えば、「他人の問題」と「自分の問題」を明確に分けて考えるということ。
確かに振り返ってみると、私は上司の機嫌を取ることに必死で、同僚の愚痴を全部聞いて、部下の失敗まで自分の責任だと思い込んでいました。
もっと詳しく知りたくなって調べていくうちに、日本統合医学協会のアドラー心理学検定1級講座を見つけました。オンラインで完結できるという点も、仕事で忙しい私にはぴったりでした。
実際に受講してみて分かった、この講座の特徴
オンライン完結の手軽さと、その落とし穴
申し込みから資格取得まで、本当にすべてがオンラインで完結します。教材は申し込み後10日以内に届き、その日からすぐに学習を開始できました。
動画講座は1本あたり10〜15分程度。通勤電車の中でも視聴でき、確認テストもスマホで受けられます。ただし、ここに最初の落とし穴がありました。
手軽すぎて、つい「後でやろう」と先延ばしにしてしまうんです。締切が3ヶ月後というのも、油断を生む原因に。私は最初の1ヶ月をほぼ無駄にしてしまい、残り2ヶ月で慌てて勉強することになりました。
教材の質は想像以上に高かった
届いたテキストは全ページカラーで、イラストも多く使われていて分かりやすい。心理学の専門書にありがちな堅苦しさがなく、実例を交えながら解説されているので、初心者でもスムーズに理解できました。
特に印象的だったのは、アドラーの5つの基本理論を日常生活に当てはめた解説です。
- 自己決定性:自分の人生は自分で決められる
- 目的論:行動には必ず目的がある
- 全体論:心と体は分けて考えない
- 認知論:物事の見方は人それぞれ
- 対人関係論:すべての悩みは対人関係
これらを職場での具体的なシーンに当てはめて考える課題があり、まさに私が悩んでいた状況にぴったり当てはまる内容ばかりでした。
学んだことを実践してみた結果
講座で学んだ「勇気づけ」の技法を、まず部下との関係で試してみました。これまでは失敗を指摘することばかりでしたが、「できていること」に注目して声をかけるように変えました。
「昨日のプレゼン資料、グラフの見せ方が分かりやすくて良かったよ」
たったこれだけの言葉で、部下の表情が明るくなったのには驚きました。その後、自主的に改善点を聞きに来るようになり、以前のようなギクシャクした関係は消えていきました。
上司との関係では「課題の分離」が効果的でした。上司の機嫌が悪いのは上司の課題であって、私の課題ではない。この考え方を身につけてから、理不尽な要求にも冷静に対応できるようになりました。
他の心理学講座との比較
実は受講を決める前に、他の心理学講座も検討していました。主に比較したのは以下の2つです。
| 比較項目 | アドラー心理学検定1級 | 某大手通信教育A社 | 心理カウンセラー養成B社 |
|---|---|---|---|
| 受講料 | 43,560円(モニター21,780円) | 58,000円 | 128,000円 |
| 受講期間 | 最大3ヶ月 | 6ヶ月 | 12ヶ月 |
| オンライン対応 | 完全オンライン | 一部対面必須 | スクーリング必須 |
| 実践的な内容 | ◎ 日常生活に直結 | ○ 理論中心 | ◎ カウンセリング技法 |
| 資格の認知度 | △ 協会認定資格 | ○ 知名度あり | ◎ 国家資格に準ずる |
結果的にアドラー心理学講座を選んだ理由は、完全オンラインで完結できることと、実践的な内容が充実していたことです。カウンセラーになるつもりはなく、自分の人間関係を改善したいという目的には、この講座が最も適していました。
正直に言うと、ここは改善してほしい
良いことばかり書いても信憑性がないので、改善してほしい点も正直に書きます。
1. 動画の画質が場所によってムラがある
基本的には問題ないのですが、一部の動画で音声が聞き取りにくかったり、画質が荒い部分がありました。内容は理解できるレベルですが、もう少し統一感があると良いなと感じました。
2. 質問への回答に時間がかかることがある
マイページから質問できるシステムはありがたいのですが、回答まで3〜5日かかることがありました。急ぎで知りたいことがある時は、少しもどかしさを感じました。
3. 資格の認知度は正直高くない
「アドラー心理学検定1級」と履歴書に書いても、採用担当者がピンとこないことが多いでしょう。私の場合は自己啓発が目的だったので問題ありませんでしたが、転職のアピールポイントにしたい人は注意が必要です。
こんな人にはおすすめ、こんな人には向かない
おすすめできる人
- 職場や家庭の人間関係に悩んでいる人
- 自分の考え方のクセを見直したい人
- 子育てに活かしたい親御さん
- 部下の指導方法に悩む管理職
- 完全オンラインで資格を取りたい人
向かない人
- プロのカウンセラーを目指す人(もっと本格的な講座がおすすめ)
- すぐに結果を求める人(じっくり学ぶ必要があります)
- 自主学習が苦手な人(強制力がないので挫折しやすい)
- 資格の認知度を重視する人
受講から半年後の今、振り返って思うこと
アドラー心理学を学んでから半年。職場の雰囲気は明らかに変わりました。いや、正確に言えば職場が変わったのではなく、私の見方が変わったのです。
相変わらず理不尽な要求をする上司はいます。愚痴ばかり言う同僚もいます。でも、それらに振り回されることはなくなりました。「課題の分離」を意識することで、必要以上にストレスを感じなくなったのです。
部下との関係は特に良好になりました。「勇気づけ」の効果は絶大で、チーム全体のモチベーションが上がり、結果的に部署の業績も向上しました。
最も大きな変化は、日曜の夜に胃が痛くならなくなったこと。月曜日の朝も、以前のような憂鬱さはありません。むしろ「今週はどんな成長ができるだろう」とワクワクするようになりました。
受講を迷っている人へ、私からのアドバイス
正直、21,780円(モニター価格)という金額は決して安くありません。私も申し込むまでに1週間悩みました。でも今思えば、あの時の自己投資は正解でした。
ただし、魔法のような即効性は期待しないでください。学んだことを日常で実践し、少しずつ変化を感じる。そのプロセスを楽しめる人には、この講座は大きな価値があります。
人間関係の悩みは、誰もが抱える普遍的なテーマです。その悩みに対して、100年以上前から研究されてきたアドラー心理学は、確かな指針を与えてくれます。
もし今、人間関係で苦しんでいるなら、一歩踏み出してみる価値はあります。半年後、きっと違う景色が見えているはずです。
まとめ:アドラー心理学は「生き方」を変える学問
この講座で学んだアドラー心理学は、単なる知識ではありませんでした。それは「生き方」そのものを見直すきっかけとなる、実践的な哲学でした。
完璧な講座ではありません。改善点もあります。でも、人間関係に悩む多くの人にとって、確実に役立つ内容が詰まっています。
あの時、友人が「課題の分離」について教えてくれなかったら、私は今も他人の顔色を伺いながら、胃を痛めていたかもしれません。
人生は、ちょっとした気づきで大きく変わります。この記事が、誰かのその「気づき」のきっかけになれば幸いです。

