医学部合格への最短ルート?プロ講師だけの個別指導塾で見えた予想外の落とし穴と光明
「あと1点足りなかった」。2年前の医学部不合格通知を見た瞬間、私の頭は真っ白になった。大手予備校に年間500万円以上投資し、朝6時から夜11時まで勉強漬けの日々。それでも届かなかった医学部への扉。
そんな私が昨年、月謝24万円という破格の料金設定に惹かれて飛び込んだのが、医学部専門個別指導塾「アシリ」だった。正直、「安かろう悪かろう」を覚悟していた。しかし、実際に体験してみると...
大手予備校の半額以下?アシリの料金体系の真実
まず驚いたのは料金体系だ。一般的な医学部予備校と比較すると、その差は歴然としている。
| 項目 | アシリ | メディカルラボ | 駿台予備校医学部コース |
|---|---|---|---|
| 年間授業料 | 約288万円 | 約520万円 | 約380万円 |
| 授業時間(1コマ) | 120分 | 80分 | 90分 |
| 指導形態 | 完全個別 | 個別 | 集団+個別 |
| 講師 | プロ講師のみ | プロ+学生 | プロ講師中心 |
数字だけ見ると魅力的だが、「安い=質が低い」という不安は拭えなかった。実際、初回カウンセリングで私は率直に聞いた。「なぜこんなに安いんですか?」
学生講師ゼロ。でもそれが逆に...
アシリの特徴は「プロ講師のみ」という点。最初は「それって普通じゃないの?」と思った。しかし、他の予備校を調べてみると、意外にも学生講師を使っているところが多い。
私を担当してくれたK先生(仮名)は、大手予備校で15年の指導経験を持つベテラン。初回授業で見せられた過去の合格実績には、慶應医学部、東京慈恵会医科大学など、錚々たる大学名が並んでいた。
ただし、プロ講師だからといって全てがうまくいくわけではない。実際、最初の1ヶ月は相性の問題で苦労した。K先生の指導スタイルは「基礎からの積み上げ」。私が求めていた「応用問題中心」とは真逆だった。
意外な環境の良さと、それゆえの落とし穴
アシリの自習室に初めて入った時、「ここは本当に予備校?」と目を疑った。まるでカフェのような内装、人間工学に基づいた椅子、調光可能な照明。空間デザイナーが設計したというのも納得だ。
しかし、この快適さが逆に問題になることも。あまりに居心地が良すぎて、緊張感が薄れてしまう生徒もいた。実際、私も最初の2週間は「勉強しているつもり」で時間を過ごしてしまった。
さらに、提携している野村不動産系列のフィットネスジム「メガロス」の無料利用権。これも諸刃の剣だった。リフレッシュのつもりが、気づけばジム通いが日課になり、勉強時間が削られるという本末転倒な状況に。
3ヶ月後の模試で起きた予想外の変化
転機は3ヶ月目の全国模試だった。結果は...偏差値が8ポイント上昇。特に苦手だった物理が15ポイントも伸びていた。
この時初めて、K先生の「基礎からの積み上げ」戦略の意味が分かった。私が今まで避けてきた基礎問題の穴が、実は応用問題でのミスの原因だったのだ。
| 科目 | 入塾時偏差値 | 3ヶ月後 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 英語 | 62 | 65 | +3 |
| 数学 | 58 | 64 | +6 |
| 物理 | 52 | 67 | +15 |
| 化学 | 60 | 66 | +6 |
オンラインカウンセリングで見えた親の本音
アシリの特徴の一つが、定期的な保護者を交えたオンラインカウンセリング。正直、最初は「面倒くさい」と思っていた。22歳にもなって親同席なんて...
しかし、このカウンセリングで母親の本音を初めて聞いた。「息子が壊れていくのを見るのが辛かった」。大手予備校時代の私は、プレッシャーで精神的に追い詰められていたらしい。
K先生は言った。「医学部合格は marathon, not sprint。燃え尽きたら意味がない」。この言葉で、なぜアシリが快適な環境にこだわるのか理解できた。
ここが気になった!アシリの改善点
- 講師の変更が難しい:相性が合わなくても、プロ講師の数が限られているため選択肢が少ない
- 集団授業がない:ライバルとの切磋琢磨や情報交換の機会が限定的
- 自己管理能力が必要:快適すぎる環境は、自制心がないと逆効果
- 都心のみ:校舎が吉祥寺のみで、地方からの通学は現実的でない
結果として、私は...
アシリでの1年間を経て、私は第一志望の私立医学部に合格した。正直、国公立は届かなかった。でも、精神的に健康な状態で受験を終えられたことが、何より大きかった。
大手予備校時代の私なら、不合格だったら立ち直れなかったかもしれない。でも今は、「来年また挑戦できる」と思える。それは、アシリで学んだ「持続可能な勉強法」のおかげだ。
アシリが向いている人、向いていない人
向いている人:
- 基礎に不安があるが、プライドが邪魔して質問できない人
- 大手予備校で燃え尽きた経験がある人
- 自己管理能力があり、環境を活かせる人
- 親との関係を改善しながら受験したい人
向いていない人:
- 競争環境でないとモチベーションが上がらない人
- すでに偏差値70以上で、最難関校のみを狙う人
- 地方在住で通学が困難な人
- 短期間で劇的な成績アップを期待する人
最後に伝えたいこと
医学部受験は、人生で最も過酷な挑戦の一つだ。だからこそ、「どこで」学ぶかより「どう」学ぶかが重要。アシリは完璧な予備校ではない。でも、持続可能な方法で医学部を目指したい人には、一つの選択肢になるはずだ。
ただし、月謝が安いからといって気軽に決めてはいけない。年間300万円近い投資は、決して小さくない。体験授業や面談を通じて、自分に合うかしっかり見極めることが大切だ。
医学部への道は一つじゃない。私はアシリで自分の道を見つけた。あなたも、きっと見つかるはずだ。


