朝6時、娘の部屋から聞こえてきた「Twinkle, twinkle, little star...」の歌声に、私は飛び起きた。

1歳8ヶ月の娘が、誰も教えていない英語の歌を完璧な発音で歌っていたのだ。

Baby English Labo(BEL)を始めて1年半。正直、ここまでの変化は想定外だった。でも、すべてが順調だったわけじゃない。むしろ、最初の3ヶ月は地獄だった。

BELとの出会い、そして挫折寸前の日々

「英語教育は早ければ早いほどいい」

そんな言葉に焦りを感じていた私は、生後6ヶ月の娘のために英語教材を探し始めた。ディズニー英語システム、ワールドワイドキッズ、そしてBEL。正直、月額4,400円という価格設定に惹かれたのが本音だ。

でも実際に始めてみると...

「これ、本当に効果あるの?」

CDをかけても反応なし。絵本を見せても興味なし。毎月4,400円がドブに捨てているような感覚に襲われた。夫からは「やめたら?」と言われ、正直、解約を考えた日もあった。

転機は4ヶ月目の朝に訪れた

ある朝、娘が絵本を指差して「ブッ!」と言った。それだけ。でも、明らかに「Book」と言おうとしていた

その日から、娘の反応が劇的に変わった。CDの音楽が流れると体を揺らし、絵本を見ると声を出すようになった。そして6ヶ月目、ついに「Mama」「Up」といった単語が飛び出した。

BELの特徴的な学習システム

実際に使ってみて分かったBELの仕組みは、他の教材とは一線を画していた:

  • ボードブック形式:破れない、噛んでも大丈夫。これが地味に重要だった
  • プロのナレーション:ただの朗読じゃない。音楽と効果音が物語の世界に引き込む
  • Peek-a-BOOKガイド:専門家のコラムが、英語以外の子育ての悩みも解決してくれた
  • スマホ対応:外出先でもCDなしで音声再生可能。これは本当に便利

他社サービスとの冷静な比較

1年半使った今だからこそ、他のサービスと公平に比較できる。実際に体験会に参加したり、友人宅で触らせてもらった経験も含めて:

項目 Baby English Labo ディズニー英語システム ワールドワイドキッズ
初期費用 26,400円(6ヶ月分) 48万円〜98万円 約30万円
月額費用 4,400円 3,740円(会員費) なし(買い切り)
教材の量 毎月2冊+CD 膨大(収納に困る) 段階的に届く
親の負担 軽い(1日15分程度) 重い(システムが複雑) 中程度
解約のしやすさ いつでも可能 高額投資のため困難 買い切りのため不要

正直に言うと、ディズニー英語システムの方が効果は高いかもしれない。でも、98万円という金額と、あの膨大な教材を使いこなす自信は私にはなかった。

ワールドワイドキッズも魅力的だったが、30万円を一括で払う勇気もなかった。途中でやめたくなったらどうしよう?その不安が常につきまとった。

1年半使って感じた本音のメリット・デメリット

良かった点

1. プレッシャーがない
「月4,400円だし、合わなければやめればいい」この気楽さが、結果的に継続につながった。

2. 収納に困らない
毎月2冊だけ。部屋が教材で埋まることもない。

3. 質の高さ
正直、この価格でこのクオリティは驚いた。特に音声の演出は、大手に引けを取らない。

改善してほしい点

1. アウトプットの機会が少ない
インプット中心なので、話す機会は別途作る必要がある。

2. 進度が遅い
じっくり型なので、即効性を求める人には向かない。

3. 上級レベルの教材がない
3歳以降の展開が限定的。いずれは他の教材への移行が必要。

実際の成果と予想外の副産物

1年半経った今、娘は:

  • 英語の歌を10曲以上歌える
  • 簡単な英語の指示を理解する(Stand up, Sit down など)
  • 絵本を見ながら単語を20個以上言える

でも、一番の収穫は英語力じゃなかった

毎晩の絵本タイムが、私と娘の特別な時間になった。仕事で疲れて帰ってきても、この15分だけは必ず確保する。そんな習慣が、親子の絆を深めてくれた

「Peek-a-boo!」と言いながら顔を隠す娘。その笑顔を見るたびに、英語なんてどうでもいいやって思う瞬間もある。でも、それでいいんだと思う。

こんな人にはおすすめしない

正直、BELは万人向けじゃない:

  • 3ヶ月で英語ペラペラを期待する人
  • ネイティブレベルを目指す人
  • 教材任せにしたい人
  • 毎日15分も時間が取れない人

特に「買えば勝手に英語ができるようになる」と思っている人は、どの教材を使っても失敗する。

1年半の結論:完璧じゃないけど、だからこそ良い

BELは「ゆるい英語教材」だ。

ディズニー英語システムみたいな圧倒的な効果はない。ワールドワイドキッズみたいな充実した教材群もない。でも、普通の家庭が無理なく続けられる。それが最大の強みだと思う。

娘の「Twinkle, twinkle...」を聞きながら、私は確信している。

英語教育で本当に大切なのは、高額な教材でも、ネイティブ講師でもない。親子で楽しむ時間の積み重ねだって。

月4,400円。ランチ4回分の値段で、娘は英語の世界への扉を開いた。そして私は、子育ての新しい楽しみ方を見つけた。

完璧を求めすぎて何も始められないより、「とりあえず始めてみる」勇気。BELはそんな一歩を踏み出すのに、ちょうどいい教材だった。

追記:解約を考えているあなたへ

実は私も3ヶ月目で解約しようと思った。でも、もう1ヶ月だけ...と続けた結果が今。最初の3ヶ月は種まき期間だと思って、もう少しだけ続けてみてほしい。