月額6,000円が突然半額に?BIGLOBE光で起きた予想外の展開と3つの盲点
請求書を開いた瞬間、目を疑った。いつも6,138円だった月額料金が突然3,000円台になっていたのだ。
慌てて過去の請求書を確認すると、確かに先月までは通常料金。料金プランの変更もしていないし、キャンペーン申込みの記憶もない。一体何が起きたのか?
BIGLOBE光のマイページにログインして判明したのは、契約から1年後に自動適用される「長期利用割引」の存在だった。公式サイトでも小さく書かれているだけで、契約時の説明では一切触れられなかった。
なぜBIGLOBE光を選んだのか - 3社比較の末の決断
そもそも私がBIGLOBE光を選んだのは、引っ越しを機に光回線を見直したことがきっかけだった。当時検討したのは以下の3社:
| 項目 | BIGLOBE光 | NURO光 | SoftBank光 |
|---|---|---|---|
| 月額料金(戸建て) | 5,478円〜 | 5,200円〜 | 5,720円〜 |
| 最大速度 | 1Gbps/10Gbps | 2Gbps/10Gbps | 1Gbps/10Gbps |
| 工事費 | 実質0円 | 実質0円 | 26,400円 |
| 提供エリア | 全国 | 限定的 | 全国 |
| 開通までの期間 | 2〜4週間 | 1〜3ヶ月 | 2〜3週間 |
NURO光は速度が魅力的だったが、私の住んでいるマンションは提供エリア外。SoftBank光は工事費が高額で躊躇した。結局、全国展開していて工事費も実質無料のBIGLOBE光に決めた。
実際の速度は?時間帯別の測定結果
契約前に最も気になったのは通信速度だ。公式サイトでは「最大1Gbps」と謳っているが、実際にその速度が出ることはほぼないということは知っていた。
そこで、契約後2年間、定期的に速度測定を行ってきた。以下が時間帯別の平均速度だ:
- 朝(7:00-9:00): 下り450Mbps / 上り380Mbps
- 昼(12:00-13:00): 下り520Mbps / 上り420Mbps
- 夕方(17:00-19:00): 下り280Mbps / 上り250Mbps
- 夜(20:00-23:00): 下り180Mbps / 上り200Mbps
- 深夜(0:00-2:00): 下り650Mbps / 上り550Mbps
予想通り、夜間の速度低下は避けられなかった。特に週末の夜は150Mbpsを下回ることもあり、4K動画のストリーミングで時々カクつくことがあった。
ただし、これはBIGLOBE光に限った話ではない。友人が使っているドコモ光やauひかりでも、同様の速度低下は起きているという。

IPv6接続(IPoE方式)の威力と落とし穴
BIGLOBE光の大きな特徴の一つが、IPv6接続(IPoE方式)への標準対応だ。従来のPPPoE方式と比べて、混雑時でも安定した速度が出るとされている。
実際に使ってみると、確かに効果は実感できた。特にYouTubeやNetflixなどの大手動画サービスでは、夜間でもほとんど速度低下を感じない。
しかし、ここに落とし穴があった。すべてのWebサービスがIPv6に対応しているわけではないのだ。例えば:
- 一部のオンラインゲームサーバー
- 古いWebサービス
- 社内VPN接続
これらのサービスを利用する際は、結局IPv4(PPPoE)経由での接続となり、混雑時の速度低下は避けられなかった。
料金体系の複雑さ - 見落としがちな3つのポイント
BIGLOBE光の料金体系は、一見シンプルに見えて実は複雑だ。2年使って気づいた見落としがちなポイントを3つ紹介する。
1. プラン選択の重要性
BIGLOBE光には2年プランと3年プランがある。私は最初、「とりあえず2年プランで様子を見よう」と考えたが、これが失敗だった。
| プラン | 月額料金(戸建て) | 更新月以外の解約金 |
|---|---|---|
| 2年プラン | 5,698円 | 9,500円 |
| 3年プラン | 5,478円 | 11,900円 |
月額220円の差は小さく見えるが、2年間で5,280円の差額になる。しかも、多くのキャンペーンは3年プラン限定だった。
2. 工事費「実質0円」のカラクリ
「工事費実質0円」という宣伝文句に惹かれたが、これには注意が必要だ。工事費19,800円は、実際には36回の分割払いで、毎月550円が請求される。同時に、同額が割引されるため「実質0円」となる。
問題は、36ヶ月以内に解約すると、残りの工事費を一括で支払う必要があることだ。例えば、2年で解約すると:
残り12ヶ月 × 550円 = 6,600円の支払いが発生
3. オプションサービスの自動更新
契約時に「最初の2ヶ月無料」というオプションをいくつか申し込んだ。セキュリティソフトやサポートサービスなどだ。
2ヶ月後にきちんと解約したつもりだったが、1つだけ解約し忘れていたオプションがあり、月額550円を1年間も払い続けていた。合計6,600円の無駄な出費だった。

サポート体制の実態 - 電話がつながらない?
BIGLOBE光のサポートについては、ネット上で「電話がつながらない」という評判をよく見かける。実際のところはどうなのか?
2年間で4回サポートに連絡した経験から言うと、時間帯によって大きく差があることがわかった:
- 平日午前中(9:00-11:00): 5分以内につながる
- 平日夕方(17:00-19:00): 30分以上待つことも
- 土日祝日: 基本的に20分以上の待ち時間
ただし、技術的な問題については「BIGLOBEお助けサポート」(月額522円)に加入していれば、優先的に対応してもらえる。私は最初の1年間加入していたが、基本的な設定が完了した後は解約した。
実際に起きたトラブルとその対処法
2年間の利用で経験した主なトラブルは3つ:
1. 開通工事の遅延
申し込みから工事まで「2〜4週間」と案内されたが、実際には5週間かかった。繁忙期(3月)だったことが原因らしい。この間、モバイルWi-Fiで凌いだが、月末にはデータ容量が足りなくなり追加購入する羽目に。
2. ルーターの不具合
使用開始から8ヶ月目、突然インターネットに接続できなくなった。サポートに連絡したところ、レンタルしていたルーターの故障と判明。交換品は2日で届いたが、その間はネットが使えず仕事に支障が出た。
3. 速度の急激な低下
ある日を境に、夜間の速度が50Mbps以下まで低下。原因は、同じマンションで光回線の利用者が急増したことだった。IPv6接続への切り替えで改善したが、完全に元の速度には戻らなかった。
スマホとのセット割は本当にお得?
BIGLOBE光の大きな売りの一つが、auやUQモバイルとの「セット割」だ。私はUQモバイルを使っていたので、このセット割に期待していた。
結果から言うと、割引額は月額最大858円で、年間10,296円の節約になった。ただし、適用には条件があった:
- BIGLOBE光電話(月額550円)の契約が必須
- 対象プランが限定されている
- 家族全員分を合わせても最大10回線まで
光電話を使わない人にとっては、実質的な割引額は308円となり、それほど大きなメリットとは言えない。
他社への乗り換えを検討した理由
正直に言うと、1年目の終わりころに他社への乗り換えを真剣に検討した。理由は主に3つ:
- 夜間の速度低下が想像以上だった
- キャッシュバックキャンペーンが他社の方が魅力的
- 10Gbpsプランの料金が高い
特にNURO光の「45,000円キャッシュバック」や、ソフトバンク光の「工事費全額負担」は魅力的だった。
しかし、結局乗り換えなかった理由は:
- 解約金と工事費残債で約20,000円かかる
- また工事の日程調整が必要
- IPv6設定をやり直すのが面倒
「今のままでも特別困っているわけではない」という結論に達した。
2年使って分かったBIGLOBE光が向いている人
私の経験から、BIGLOBE光が向いているのは以下のような人だ:
向いている人
- 安定性を重視する人(極端な速度は不要)
- 全国どこでも使える光回線を探している人
- au/UQモバイルユーザー
- 長期利用を前提にしている人(3年以上)
向いていない人
- オンラインゲームで低遅延を求める人
- 頻繁に引っ越しする人
- 最安値を追求する人
- 最新技術をいち早く試したい人
契約前に確認すべき5つのポイント
もし私がもう一度契約するなら、以下の5点を必ず確認する:
- 提供エリアの詳細確認
マンションの場合、建物自体が対応していても、部屋によって工事できない場合がある。 - 実質速度の口コミ調査
同じ地域、できれば同じマンションの利用者の口コミを探す。 - キャンペーンの適用条件
「実質」という言葉には必ず裏がある。条件を細かく確認。 - 解約時の費用総額
解約金だけでなく、工事費残債も含めた総額を把握。 - IPv6対応機器の準備
対応ルーターをレンタルするか、購入するかを事前に決める。

最新のサービス改善と今後の期待
2023年以降、BIGLOBE光もサービスの改善を進めている。特に注目すべきは:
- 10Gbpsプランの料金値下げ(月額6,270円→5,478円)
- IPv6対応の拡充
- サポート体制の強化(AIチャットボット導入)
ただし、これらの改善が既存ユーザーにも適用されるかは不透明だ。新規契約者向けのキャンペーンばかりで、長期利用者への還元が少ないのは残念なポイントだ。
結論:BIGLOBE光は「無難な選択」
2年間BIGLOBE光を使い続けた結論は、「特別優れているわけではないが、大きな欠点もない無難な光回線」ということだ。
月額料金は平均的、速度も平均的、サポートも平均的。逆に言えば、極端に悪い部分がないため、安心して使えるとも言える。
最初に書いた「突然の料金値下げ」のような嬉しいサプライズもあれば、夜間の速度低下のような残念な部分もある。でも、それらを総合すると、及第点は十分に超えている。
もし今、友人に「BIGLOBE光ってどう?」と聞かれたら、私はこう答える:
「特別推薦するほどではないけど、避ける理由もない。3年以上使うつもりで、安定性を求めるなら悪くない選択だよ」
光回線選びに正解はない。自分の使い方、住環境、予算に合わせて選ぶしかない。この体験談が、あなたの光回線選びの参考になれば幸いだ。