朝6時、息子の部屋から聞こえてきた声に私は耳を疑った。

「おはよう、先生!今日のプログラミング楽しみにしてました!」

半年前まで布団から出ることすらできなかった息子が、パソコンの前で満面の笑みを浮かべていた。これがクラスジャパン小中学園との出会いから3ヶ月後の朝の光景だった。

不登校が始まった日から地獄の日々

息子が学校に行けなくなったのは中学1年の秋。最初は「お腹が痛い」という理由だったが、次第に朝起きられなくなり、部屋から出ることすら拒否するようになった。

担任の先生からは毎日のように電話がかかってきた。「このままでは進級できません」「高校受験に影響します」という言葉に、私の不安は日に日に大きくなっていった。

カウンセリングに通い、病院も受診した。しかし状況は改善されず、息子は昼夜逆転の生活を続けていた。友達との連絡も絶ち、ゲームだけが彼の世界になっていた。

オンラインフリースクールという選択肢

そんな時、同じ悩みを持つママ友から聞いたのが「オンラインフリースクール」の存在だった。正直、最初は半信半疑だった。「パソコンの画面越しに何ができるの?」という疑問しかなかった。

しかし、調べていくうちに3つのサービスが候補に挙がった:

サービス名 月額料金 出席扱い 担任制度 部活動
クラスジャパン小中学園 27,500円〜
すらら 8,228円〜 × ×
キズキ共育塾 要問合せ × ×

料金だけ見ると他のサービスの方が安い。でも、「出席扱い」という文字が私の心を動かした。不登校でも出席として認められる。これは息子の将来にとって大きな意味を持つはずだ。

初回面談で見えた希望の光

トライアル入会を申し込むと、すぐに担当の先生から連絡があった。「まずは息子さんの好きなことから始めましょう」という言葉に、押し付けがましさは一切なかった。

息子はゲームが好きだと伝えると、「じゃあeスポーツ部から始めてみませんか?」という提案があった。勉強じゃないの?と思ったが、先生は続けた。

「まずは画面の向こうに友達ができること。朝起きる理由ができること。それが第一歩なんです」

この言葉に、私は涙が止まらなかった。誰も息子を否定しない。ただ寄り添ってくれる大人がいる。それだけで十分だった。

変化は想像以上に早かった

最初の1週間、息子は恐る恐るeスポーツ部の活動に参加した。画面越しに全国の同じ境遇の子どもたちと出会い、ゲームを通じて会話が生まれた。

2週間目には「明日は10時からだから早く寝る」と自分から言い出した。3週間目には朝食を食べてから活動に参加するようになった。

そして1ヶ月後、息子は自分から「勉強も始めてみたい」と言い出した。担任の先生は息子のペースに合わせて、1日15分の勉強から始めることを提案してくれた。

正直に言うと不満もある

すべてが順調というわけではない。正直に言えば、いくつかの不満点もある。

  • 月額27,500円という料金は決して安くない。我が家にとっては大きな出費だ。
  • インターネット環境が悪い時は授業が途切れることがある。
  • 実際の学校行事(運動会や文化祭)には参加できない寂しさもある。
  • 体育の授業がないので、運動不足になりがち。

でも、これらのデメリットを差し引いても、息子が笑顔を取り戻したことの価値は計り知れない。

親として気づいた大切なこと

クラスジャパンを始めて3ヶ月。息子だけでなく、私自身も大きく変わった。

以前は「普通の学校に戻さなきゃ」という焦りでいっぱいだった。でも今は違う。息子には息子のペースがあり、息子なりの学び方がある。それを認めることができるようになった。

担任の先生との月1回の面談で、息子の小さな成長を共有できることも大きな支えになっている。「今週はカメラをオンにして授業を受けられました」「友達とDiscordで会話しました」そんな報告に、涙が出るほど嬉しくなる。

他の保護者たちの声

オンラインの保護者会で知り合った他のママたちの話も興味深い。

「うちの娘は不登校から1年でプログラミングにハマり、今では将来エンジニアになりたいと言っています」(小6女子の母)

「息子は学校では友達ができなかったけど、クラスジャパンで初めて親友と呼べる子ができました」(中2男子の母)

一方で、「やっぱり対面の方が良かった」と退会した家庭もある。向き不向きがあるのは事実だ。

出席扱いの仕組みと現実

最も気になっていた「出席扱い」について詳しく説明したい。

クラスジャパンでは、在籍校と連携して出席扱いを申請できる。ただし、これは学校長の判断によるため、100%保証されるわけではない。

我が家の場合、担任の先生が学校と丁寧に交渉してくれた結果、以下の条件で出席扱いが認められた:

  1. 1日最低2時間以上の学習活動
  2. 月1回の学習報告書の提出
  3. 定期的な在籍校との面談

この制度のおかげで、息子の内申書には「欠席」ではなく「出席」として記録されることになった。高校受験を考えると、これは本当に大きな安心材料だ。

プログラミング授業で開花した才能

最近、息子が最も熱中しているのがプログラミングの授業だ。

「お母さん、見て!自分でゲーム作ったんだ!」

画面に映し出されたのは、簡単なシューティングゲーム。でも息子の目は誇らしげに輝いていた。学校では「できない子」だった息子が、ここでは「できる子」になっていた。

プログラミングの先生は元エンジニアで、子どもたちの「なぜ?」に丁寧に答えてくれる。息子は今、Scratchから始めてPythonの基礎まで学んでいる。

リアルな日常 - ある1日の流れ

実際の息子の1日を紹介しよう:

8:00 起床、朝食
9:00 朝のホームルーム(カメラオフでもOK)
9:30 数学の個別学習(自分のペースで)
10:30 休憩(この間にシャワーを浴びることも)
11:00 英語の授業(グループレッスン)
12:00 昼食
14:00 プログラミング部活動
15:30 自由時間
16:00 宿題や復習
17:00 終了

以前は昼過ぎまで寝ていた息子が、今では規則正しい生活を送っている。これだけでも大きな進歩だ。

料金に見合う価値はあるのか

正直、月額27,500円は高い。これに加えて教材費なども必要になることがある。

でも考えてみてほしい。塾に通えば月2〜3万円はかかる。カウンセリングも1回5,000円以上。それらをすべて含んだ価格と考えれば、決して高くはないのかもしれない。

何より、子どもの笑顔と将来への希望に値段はつけられない。

こんな家庭にはおすすめしない

クラスジャパンが合わない可能性が高いケースも正直に伝えたい:

  • 子どもがオンライン学習に全く興味を示さない
  • インターネット環境が整っていない
  • 保護者のサポートが全くできない
  • 即座に学校復帰を望んでいる
  • 対面でのコミュニケーションを重視する

特に低学年の子どもの場合、画面に集中し続けることが難しいケースも多い。その場合は別の選択肢を検討した方がいいだろう。

始めてから気づいた予想外のメリット

当初は想像していなかったメリットもあった:

1. 全国に友達ができた
北海道から沖縄まで、同じ境遇の子どもたちと繋がれる。地域を超えた友情は、息子の視野を大きく広げた。

2. 親子の会話が増えた
「今日はこんなことを習った」「この問題、一緒に考えて」学校の話題がタブーだった我が家に、学習の話題が戻ってきた。

3. 自己管理能力が向上
誰も見ていない環境で勉強するため、自然と自己管理能力が身についた。これは将来必ず役立つスキルだ。

1年後の今、息子は高校受験に挑戦している

この記事を書いている今、息子は高校受験の準備を進めている。1年前には想像もできなかったことだ。

志望校は通信制高校。でも、それは「仕方なく」ではなく、「オンラインで学ぶことの素晴らしさを知ったから」という前向きな選択だ。

担任の先生は受験対策も丁寧にサポートしてくれている。面接練習では「クラスジャパンで学んだプログラミングを活かしたい」と自信を持って話す息子の姿があった。

最後に伝えたいこと

不登校は決して「終わり」ではない。むしろ新しい学び方、新しい生き方の「始まり」なのかもしれない。

クラスジャパンは完璧なサービスではない。料金も安くないし、すべての子どもに合うわけでもない。でも、我が家にとっては救世主だった。

もし今、子どもの不登校で悩んでいるなら、選択肢の一つとして検討してみる価値はある。初月無料のトライアルもあるので、まずは子どもの反応を見てみるのもいいだろう。

息子が毎朝笑顔でパソコンに向かう姿を見るたび、あの時一歩踏み出して本当に良かったと思う。子どもの可能性は、私たち大人が思っている以上に大きい。それを信じて、新しい一歩を踏み出す勇気を持ってほしい。

不登校は誰のせいでもない。ただ、今の環境が合わなかっただけ。新しい環境で、きっと子どもたちは輝き始める。