3万円分の写真を失った私が、なぜ今もこの格安プリントサービスを使い続けているのか
2020年の夏、実家の火事で思い出のアルバム28冊が灰になった。当時のプリント代を計算すると、約3万円。でも失ったのは、お金では買えない20年分の思い出だった。
それ以来、私は写真の保管方法に異常なまでにこだわるようになった。クラウド保存はもちろん、物理的なプリントも最低3箇所に分散保管している。その過程で出会ったのが、DPE宅配便の「らくらく写真プリント」だ。
月3000枚プリントして気づいた、誰も教えてくれない真実
写真整理オタクと化した私は、毎月平均3000枚の写真をプリントしている。正直、周りからは「デジタルで十分でしょ」と呆れられる。でも、画面で見る写真と手に取る写真は、まったく別物なのだ。
DPE宅配便を使い始めて4年。累計プリント枚数は14万枚を超えた。その経験から言えるのは、このサービスには公式サイトには書かれていない落とし穴がいくつも存在するということだ。
フジカラー純正印画紙の罠
「フジカラー純正印画紙使用」という言葉に惹かれる人は多いだろう。私もその一人だった。でも実際に他社と比較してみると、意外な事実が判明した。
| 比較項目 | DPE宅配便 | しまうまプリント | プリントラッコ |
|---|---|---|---|
| Lサイズ単価 | 15円 | 9円 | 12円 |
| 印画紙 | フジカラー純正 | オリジナル | フジカラー純正 |
| 発色の鮮やかさ | ★★★★★ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ |
| 耐久性(3年後) | 変色なし | やや黄ばみ | わずかに退色 |
価格だけ見ると、しまうまプリントの圧勝に見える。実際、私も最初は「9円なら6円も安いじゃん!」と飛びついた。でも、3年前にプリントした写真を見比べると、その差は歴然だった。
14万枚プリントして分かった、本当のコスト
「1枚15円」という価格設定。正直、高い。でも、送料の仕組みを理解すると話が変わってくる。
- 30枚未満:送料200円
- 30枚以上:送料125円(75円引き)
- 60枚以上:送料50円(150円引き)
つまり、60枚以上まとめて注文すれば、1枚あたりの実質コストは15.8円。しまうまプリントの場合、100枚以上でも送料130円なので、実質10.3円。その差、5.5円。
でも待ってほしい。私が3年前にしまうまプリントで印刷した娘の七五三の写真は、すでに色褪せ始めている。一方、DPE宅配便の写真は、まるで昨日プリントしたかのような鮮やかさを保っている。
Google フォトとの連携で起きた、まさかの事件
「Google フォトから直接注文できる」という機能。これ、革命的に便利だ。スマホで撮影→自動バックアップ→そのまま注文。この流れが完璧すぎて、私は完全に油断していた。
ある日、2000枚の写真を一気に注文した。金額は約3万円。注文完了メールを見て、血の気が引いた。同じ写真が大量に重複していたのだ。
原因は、Google フォトの「バースト撮影」機能。連写した写真が全部選択されていたのだ。結果、同じような写真が30枚ずつプリントされる羽目に。
でも、ここでDPE宅配便の神対応が光った。カスタマーサポートに連絡すると、「印刷前でしたので、重複分をキャンセルさせていただきました」との返信。正直、この対応には感動した。
誕生日割引の裏技
会員登録時の誕生日入力で20%OFF。これ、実は初回限定ではない。毎年、誕生月に20%OFFクーポンが届く。しかも、家族全員分のアカウントを作れば…まあ、これ以上は言わない方がいいだろう。
プロが絶対に教えない、画質設定の秘密
写真のプロに聞いても教えてくれなかった秘密がある。それは、アップロード時の画質設定だ。
DPE宅配便のシステムは、アップロードした画像をそのまま印刷する。つまり、スマホの「画質優先」設定で撮影した写真と、「容量優先」で撮影した写真では、仕上がりに天と地ほどの差が出る。
私の失敗談を話そう。息子の運動会の写真300枚を注文した時のこと。半分は一眼レフ、半分はスマホで撮影したものだった。届いた写真を見て愕然とした。スマホ写真の一部が、明らかにぼやけていたのだ。
調べてみると、スマホの設定が「データ節約モード」になっていた。これ、意外と見落としがちな罠だ。
重要:注文前に必ず確認すべきこと
- スマホの画質設定(最高画質推奨)
- 画像の解像度(300dpi以上)
- ファイル形式(JPEGが無難)
11種類のサイズ、本当に必要なのは3つだけ
DPE宅配便は11種類のプリントサイズを提供している。でも、14万枚プリントした結果、本当に使えるのは3つだけだった。
- Lサイズ(89×127mm):定番中の定番。アルバム整理に最適
- ましかく(89×89mm):インスタ映えする正方形。意外と使える
- 2L(127×178mm):飾る用。祖父母へのプレゼントに重宝
残りの8サイズ?正直、使い道に困る。特に4PWサイズ(254×365mm)なんて、どこに飾るんだという大きさ。一度試しに注文したが、結局押し入れの奥で眠っている。
配送トラブルで学んだ、意外な落とし穴
4年間で3回、配送トラブルに遭遇した。その中でも忘れられないのが、真夏の惨劇だ。
8月の炎天下、不在票が入っていた写真を翌日受け取った。開封してみると、写真同士がくっついていた。高温で印画紙の表面が溶けたらしい。
クレームを入れると、すぐに再印刷の手配をしてくれた。でも、ここで知った衝撃の事実。夏場の配送は「クール便」を選択できないのだ。
対策として、今では夏場の注文時は必ず「宅配ボックス不可」を指定している。直接受け取れば、高温にさらされる時間を最小限にできるからだ。
メルマガクーポンの使い方にもコツがある
月2回届くメルマガ。最初は「うざい」と思っていたが、実はこれがお宝の山だった。
- 毎月1日:10%OFFクーポン
- 毎月15日:送料無料クーポン(条件付き)
- 不定期:30%OFFクーポン(年3〜4回)
特に30%OFFクーポンは、有効期限がたった3日間。見逃したら最後、次はいつ来るか分からない。私は過去に2回見逃して、悔しい思いをした。
競合他社との本音比較
さて、ここまでDPE宅配便の良い面も悪い面も包み隠さず書いてきた。でも、他社はどうなのか?実際に使い比べた結果を正直に書こう。
しまうまプリント:安さは正義、でも…
1枚9円。この価格は確かに魅力的だ。大量プリントには最適。でも、3年後の色褪せは覚悟した方がいい。
私の経験では、室内保管でも3年で明らかな退色が始まる。特に赤系の色が抜けやすい。娘のランドセルの赤が、薄いピンクになっていたときはショックだった。
プリントラッコ:中途半端な存在
価格は12円、品質はDPE宅配便に劣る。正直、どっちつかずで選ぶ理由が見つからない。唯一の利点は、注文から到着までが早いこと。でも、それなら近所のカメラ屋でよくない?
HEIC形式の写真で大失敗
iPhoneユーザーなら知っているだろう。iOS11以降、写真の保存形式がHEICになった。これがとんでもない落とし穴だった。
ある日、1000枚の写真を注文。すべてエラーで弾かれた。原因はHEIC形式。DPE宅配便は2025年6月にようやく対応したが、それまでは毎回JPEGに変換する必要があった。
変換作業の面倒さといったら…。結局、iPhoneの設定を「高効率」から「互換性優先」に変更した。容量は増えるが、この手間を考えれば安いものだ。
誰も語らない、本当のメリット
14万枚プリントして気づいた、DPE宅配便の本当の価値。それは品質でも価格でもない。
「写真を物理的に残す習慣」を作ってくれたことだ。
デジタル全盛の時代、写真は撮るけど見返さない人がほとんどだろう。私もそうだった。でも、月1回のプリント習慣ができてから、家族との時間が変わった。
アルバムを開くたび、子供たちが「これ覚えてる!」と盛り上がる。スマホの画面では素通りされる写真も、手に取れる形になると特別な存在になる。
失敗から学んだ、賢い使い方
最後に、4年間の失敗から学んだ「賢い使い方」をまとめよう。
- 月末にまとめて注文(クーポン活用のため)
- 60枚以上で注文(送料を最安に)
- 夏場は避ける(品質劣化のリスク)
- Google フォトは要確認(重複注意)
- HEIC→JPEG変換は必須(エラー回避)
DPE宅配便は決して安くない。でも、10年後も色褪せない思い出に投資すると考えれば、1枚15円は高くない。少なくとも、火事で失った3万円分のアルバムの価値を知る私にとっては。
ただし、すべての人におすすめできるわけではない。年に数回しかプリントしない人なら、コンビニプリントで十分だ。でも、本気で写真を残したい人には、このサービスの真価が分かるはずだ。
余談だが、先日実家を建て直した。新しい家には、耐火金庫を設置した。中身?もちろん、DPE宅配便でプリントした14万枚の写真の一部だ。
もう二度と、思い出を灰にはしない。
