「請求額:2,317,500円」

震える手でスマホの画面を見つめていた。クライアントの弁護士から届いたメールに記載された金額だ。納品したWebシステムのバグが原因で、取引先が大きな損失を被ったという。

フリーランス3年目、保険なんて考えたこともなかった私に突きつけられた現実。この瞬間、「会社員の頃は会社が守ってくれていた」という当たり前のことに初めて気づいた。

あの日から変わった、私のリスク管理

結論から言うと、なんとか分割払いで解決できた。でも、あの3ヶ月間の精神的ストレスは計り知れない。夜も眠れず、新しい仕事も手につかず、収入は激減。フリーランスにとって、たった一つのミスが人生を狂わせることを痛感した。

その後、必死で探したのがフリーランス向けの保険サービス。いくつか検討した中で、最終的に選んだのが「フリーナンス」だった。なぜこのサービスを選んだのか、実際に1年半使ってみてどうだったのか、包み隠さず書いていく。

フリーナンスって実際どうなの?使ってわかった本音

最初に言っておくと、フリーナンスは完璧なサービスじゃない。でも、フリーランスが抱える「お金の不安」をかなり解消してくれるサービスだということは間違いない。

あんしん補償:無料なのに最大5,000万円の安心感

一番驚いたのは、基本的な損害賠償保険が無料で自動付帯されること。会員登録するだけで、仕事中の事故や納品物の欠陥による損害を最大5,000万円まで補償してくれる。

正直、最初は「無料って怪しくない?」と思った。でも調べてみると、フリーナンスは他のサービスで収益を上げているから、基本補償を無料にできるらしい。なるほど、ビジネスモデルがしっかりしているんだな。

ただし、無料プランの「あんしん補償Basic」だと、情報漏洩や著作権侵害などは補償対象外。IT系フリーランスの私にとって、これはちょっと不安だった。

レギュラープランで得られる安心感

月額480円のレギュラープランにアップグレードすると、補償範囲が一気に広がる。情報漏洩、著作権侵害、納期遅延まで補償対象になるんだ。

実際、先月もちょっとヒヤッとすることがあった。クライアントから「このデザイン、他社のサイトに似てない?」と指摘されたんだ。結果的に問題なかったけど、もし訴えられていたら…と考えると、月480円なんて安いものだと思う。

即日払い:キャッシュフローの救世主、でも…

フリーランスあるあるだけど、「今月の支払いヤバい…」ってこと、ありませんか?私も何度も経験してます。

フリーナンスの即日払いは、請求書を買い取って即日振込してくれるサービス。手数料は3%〜10%で、使えば使うほど安くなる仕組み。

実際に使ってみた感想

初めて使ったときの手数料は10%だった。50万円の請求書で5万円の手数料…正直、高い。でも、家賃の支払いが迫っていた私には選択肢がなかった。

ただ、3回目の利用で手数料が7%に下がったのは嬉しかった。定期的に使うなら、意外とコスパは悪くないかも。

一つ注意点があるとすれば、審査がある こと。私の場合、大手企業への請求書はすんなり通ったけど、個人事業主への請求書は審査に時間がかかった。急ぎの時は要注意だ。

あんしん補償プラス:病気やケガへの備え

フリーランスになって一番怖いのは、働けなくなること。会社員なら有給や傷病手当金があるけど、フリーランスには何もない。

あんしん補償プラスは、そんな不安をカバーしてくれる所得補償保険。通常より44%も安いというのが決め手で、私も加入した。

月3,000円で月30万円の補償

私の場合、月30万円の補償で月額保険料は約3,000円。正直、個人で同じ補償に入ろうとしたら5,000円以上はする。この差額は大きい。

実は半年前、インフルエンザで10日間寝込んだことがある。幸い、大きな案件がなかったから助かったけど、もしあの時期に重要な納期が重なっていたら…考えただけでゾッとする。

他社サービスとガチ比較してみた

フリーナンスを選ぶ前に、他のサービスもしっかり検討した。特に迷ったのが「FREENANCE」と「ペイトナー」。実際の比較表を作ってみた。

項目 フリーナンス Misoca保険 ペイトナー
基本保険料 無料 月額2,800円〜 なし
最大補償額 5,000万円 1億円 -
即日払い手数料 3%〜10% なし 固定10%
所得補償保険 あり(44%割引) なし なし
審査スピード 最短30分 - 最短10分

Misoca保険は補償額が大きいけど、月額料金がネック。ペイトナーは審査が早いけど、保険機能がない。総合的に見て、フリーナンスが一番バランスが取れていると感じた。

1年半使って感じたメリット・デメリット

良かった点

精神的な安定感が段違い:「もしも」の不安から解放された
• 無料で始められる:とりあえず登録だけでもOK
• サービスの組み合わせが自由:必要なものだけ選べる
• 手続きが簡単:オンラインで完結、面倒な書類なし

イマイチだった点

• 即日払いの初回手数料が高い(10%)
• 審査基準が不透明:なぜ通らなかったのか分からないことも
• フリーナンス口座の使い勝手:ネットバンキングが少し不便
• カスタマーサポートの対応時間:土日は基本的に休み

こんな人にはおすすめしない

正直に言うと、フリーナンスは万人向けじゃない。

• 取引先が全て大手企業で、支払いサイトが短い人
• すでに十分な貯金があり、キャッシュフローに余裕がある人
• 副業程度で、リスクが限定的な人

こういう人には、無料プランだけ登録しておけば十分かも。

実際にあった、フリーナンスに救われた話

3ヶ月前、またトラブルが起きた。今度は納期遅延だ。

子供が急に入院することになり、プロジェクトの進行が大幅に遅れてしまった。クライアントからは「契約書通り、遅延損害金を請求します」との連絡。金額は約80万円。

でも今回は、前回とは違った。フリーナンスのあんしん補償が適用され、全額カバーされたんだ。申請から支払いまで約2週間。書類も最小限で、本当に助かった。

月480円の保険料で80万円の補償。投資対効果で言えば、これ以上のものはないだろう。

フリーナンスの隠れた魅力

使い続けて気づいた、公式サイトにはあまり書かれていない魅力もある。

与信力の向上

「フリーナンスの保険に入っている」ということ自体が、クライアントへの信頼につながることがある。実際、新規案件の商談で「万が一の際の補償はありますか?」と聞かれたとき、自信を持って「はい」と答えられるのは大きい。

確定申告が楽になる

フリーナンス口座を事業用口座として使うと、入出金履歴が整理されて確定申告が楽になった。これは予想外のメリットだった。

登録前に知っておきたい注意点

いいことばかり書いてきたけど、注意点もしっかり伝えておく。

フリーナンス口座への入金は必須じゃない:勘違いしている人が多い
• 即日払いは毎回審査がある:一度通ったからといって油断は禁物
• 補償には細かい条件がある:約款はしっかり読もう
• プラン変更は月単位:日割り計算はない

まとめ:フリーランスの「もしも」に備える価値

230万円の請求書を突きつけられたあの日から1年半。フリーナンスのおかげで、今は安心して仕事に集中できている。

確かに、即日払いの手数料は安くない。サポートの対応時間も限られている。でも、フリーランスとして生きていく上での「安心」には、それ以上の価値があると私は思う。

特に、これからフリーランスになる人、なったばかりの人には強く勧めたい。最初は無料プランでいい。まずは「守られている」という安心感を手に入れてほしい。

私のような失敗をする人が、一人でも減ることを願って。