娘が緑の迷路から30分も出てこなかった。

その日、私たちは二子玉川ライズにある「PLAY! PARK ERIC CARLE(プレイパーク エリック・カール)」を訪れていた。正直、最初は「絵本のテーマパークって、どうせ30分で飽きるだろう」と思っていた自分を殴りたい。

結果的に、娘は2時間半も夢中で遊び続け、帰りたくないと大泣きすることになったのだから。

緑の迷路で迷子になる幸せ

入場してすぐ、娘が駆け込んだのが「みどりのめいろ」だった。本物の生垣でできた迷路は、子どもの目線からすると完全に別世界。隠れたり、飛び出したり、追いかけっこをしたり。他の子どもたちとも自然に交流が生まれていく。

「ママ、見つけた!」という声が聞こえるたびに、違う場所から顔を出す娘。その表情は、普段の公園では見せない冒険者の顔だった。

PLAY! PARK ERIC CARLE

スウェーデン製アスレチックの完成度に驚愕

次に向かったのがアスレチックエリア。ここで私は衝撃を受けた。

日本の一般的な公園の遊具とは明らかに設計思想が違う。スウェーデンのHAGS社製というこの遊具、登る・降りる・ぶら下がる・すべるという動作が、子どもの発達段階に合わせて絶妙に配置されている。

3歳の娘でも挑戦できる部分があり、かといって簡単すぎない。失敗しても大けがをしない設計になっているのも親として安心できた。

「できるかな?」のダンスで汗だく

15時になると、スタッフの方が「PLAY! DANCE!」を始めた。エリック・カールの絵本『できるかな?あたまからつまさきまで』の動きを全身で表現するプログラムだ。

最初は恥ずかしがっていた娘も、ゴリラやペンギンの動きを真似し始めると止まらない。15分後には親子ともに汗だく。でも、この汗は心地よかった。

アトリエで発見した娘の才能(?)

アトリエエリアでは、切って・貼って・描いて・作るというエリック・カール式の創作活動ができる。娘は青い紙を細かくちぎって、それを白い紙に貼り付けていく。何を作っているのか聞くと「あおむしのおうち」だという。

正直、芸術的センスがあるとは思えない作品だったが、集中して何かを作る姿は新鮮だった。家では5分と持たない工作に、ここでは30分も取り組んでいた。環境の力は偉大だ。

お子様と一緒にエリック・カールの世界へ

他の施設と何が違うのか?徹底比較してみた

同じような体験型キッズ施設として、よく比較されるのが「アネビートリムパーク」と「キドキド」だろう。実際に3施設すべてを体験した私なりの比較をまとめてみた。

項目 PLAY! PARK
ERIC CARLE
アネビートリムパーク キドキド
料金
(子ども1名)
2,500円/2.5時間 1,200円/1時間
(会員価格)
800円/30分
(平日)
対象年齢 0歳〜小学生 0歳〜12歳 0歳〜12歳
特徴 絵本の世界観
アート体験重視
大型遊具充実
体を動かす遊び中心
ボーネルンドの
知育玩具多数
混雑度 比較的ゆったり 週末は混雑 かなり混雑
親の居心地 ◎(カフェ併設) △(狭い)

正直な感想:コスパは微妙だが満足度は最高

2時間半で大人と子どもで5,000円は決して安くない。正直、最初は「高い」と思った。

でも、娘の「また行きたい!」という言葉の重みを考えると、この金額も納得できる。普通の公園や児童館では得られない体験がここにはある。

特に印象的だったのは、スタッフの質の高さだ。ただ見守るだけでなく、子どもたちの創造性を引き出す声かけが絶妙。ワークショップの進行も、押し付けがましくなく自然体だった。

ベビーエリアの充実度は想像以上

2歳未満専用のベビーエリアも覗いてみたが、これがまた素晴らしい。授乳室、おむつ台、ウォーターサーバー完備は当然として、安全性への配慮が徹底されている。

床材は転んでも痛くない素材で、角という角には全てクッション材。よちよち歩きの赤ちゃんでも安心して遊ばせられる環境だった。

予約は必須!当日券では入れないことも

重要な注意点がひとつ。土日祝日は事前予約がほぼ必須だ。

私たちは平日に行ったので余裕があったが、週末は当日券だと入れないことが多いらしい。公式サイトから簡単に予約できるので、行く日が決まったら早めの予約をおすすめする。

HUNGRY MARKETでお土産選びも楽しい

パークに隣接する「HUNGRY MARKET」も要チェック。エリック・カールグッズの専門店で、ここでしか買えない限定品も多い。

娘は「はらぺこあおむしベビーキャップ」(4,180円)に一目惚れ。高いなと思いつつも、パークでの思い出と一緒に購入。家でも被って遊んでいるので、まあ良しとしよう。

3回通って分かった攻略法

結局、初回の後も2回追加で訪れた我が家。その経験から導き出した攻略法をシェアしたい。

  1. 1部(10:00-12:30)が狙い目
    朝イチは比較的空いていて、ゆったり遊べる。
  2. ワークショップは早めに予約
    人気のワークショップは開始30分前には満席になることも。
  3. 着替えは必須
    特に夏場は汗だくになるので、着替え一式を準備。
  4. カメラの充電は満タンに
    フォトジェニックなスポットが多く、気づけば100枚以上撮影していた。

はらぺこあおむしの世界へようこそ

まとめ:単なる遊び場を超えた学びの空間

PLAY! PARK ERIC CARLEは、「遊び」と「学び」の境界線を曖昧にする不思議な空間だった。

子どもは夢中で遊んでいるだけなのに、いつの間にか創造性や身体能力、社会性が育まれている。エリック・カールが目指した「かけ橋」の意味が、3回通ってようやく理解できた気がする。

確かに料金は高い。でも、子どもの「楽しかった!」の一言には、それ以上の価値がある。二子玉川という立地も、ショッピングついでに寄れるので意外と便利だ。

次は「はらぺこハーベスト」のイベント期間中に行きたい。きっとまた、娘の新しい表情に出会えるはずだ。