父が亡くなって3日目、葬儀社から渡された見積書を見て手が震えた。お墓の総額は237万円。墓石代、永代使用料、工事費...次々と並ぶ金額に目眩がした。

「これじゃあ、父の老後資金より高いじゃないか...」

隣で母も青ざめていた。年金暮らしの私たちにとって、この金額は現実的ではなかった。でも父を粗末に扱うわけにもいかない。そんな時、葬儀社の担当者が小声で教えてくれたのが「手元供養」という選択肢だった。

衝撃の価格差!従来のお墓vs手元供養の現実

正直に言うと、最初は「手元供養」という言葉に抵抗があった。「お墓に入れないなんて、父に申し訳ない」そう思っていた。でも、詳しく調べていくうちに、私の価値観は180度変わった。

まず驚いたのが費用面の違いだ。実際に3社から見積もりを取って比較してみた結果がこちら:

項目 KOBO(ガラスのお墓) 一般的な石のお墓 納骨堂
初期費用 4.8万~9.8万円 100万~200万円 30万~100万円
永代使用料 0円 70万~200万円 含まれる場合が多い
年間管理費 0円 2千~1.5万円 5千~2万円
アクセス 自宅で毎日 墓地まで移動必要 施設まで移動必要

数字を見れば一目瞭然。でも、本当に驚いたのは費用面だけじゃなかった。

予想外!ガラスのお墓が家族に起こした変化

KOBOを選んで2ヶ月が経った今、我が家には不思議な変化が起きている。

まず、母の表情が明るくなった。以前は「お墓参りに行かなきゃ」というプレッシャーで疲れ切っていた母が、今では毎朝KOBOに向かって「おはよう」と声をかけている。リビングの窓際に置いたKOBOは、朝日を受けてキラキラと輝く。その光を見ながら、母は父との思い出話をするようになった。

そして何より驚いたのは、孫たちの反応だった。

「おじいちゃん、きれいだね!」

5歳の孫娘がKOBOを見て最初に言った言葉だ。従来のお墓だったら、きっと「怖い」「暗い」というイメージを持っただろう。でも、ガラスの中でキラキラ光る祖父の存在は、子どもたちにとって「美しいもの」として受け入れられた。

週末になると、孫たちは自然とKOBOの前に集まってくる。学校であったこと、友達と遊んだこと...まるで生きている祖父に報告するように話しかける。これは遠い墓地では絶対に起こらなかった光景だ。

実際に使って分かった!KOBOの意外なメリット・デメリット

ここまで読むと「完璧じゃないか」と思われるかもしれない。でも、実際に使ってみると気づくことがある。正直にメリット・デメリットを整理してみた。

【メリット】

  • 想像以上に美しい:職人の手作りガラスは、見る角度によって表情を変える。夕日に照らされた時の美しさは息をのむほど
  • 管理が楽:水やりも掃除も不要。たまにホコリを拭くだけ
  • 引っ越しも可能:将来、子どもの家に移ることになっても一緒に連れていける
  • 宗教を問わない:我が家は無宗教だが、全く問題なし
  • 話しかけやすい:目の前にあるから、自然と日常会話ができる

【デメリット】

  • 親戚の理解が必要:「ちゃんとしたお墓じゃない」と言う親戚もいた(最終的には理解してもらえたが)
  • 置き場所に悩む:最初は仏壇の代わりに...と思ったが、リビングの方が家族が集まりやすかった
  • ペットに注意:猫を飼っている友人は、高い場所に置く工夫が必要だった

他社サービスとの徹底比較!なぜKOBOを選んだのか

実は、手元供養を決めた後も、どのサービスにするか3週間悩んだ。主に検討したのは以下の3社だ:

比較項目 KOBO A社(陶器製) B社(ミニ骨壷)
材質 手作りガラス 有田焼 真鍮・木製
価格帯 4.8万~9.8万円 3万~15万円 2万~8万円
デザイン性 ◎(インテリアに馴染む) ○(和風限定) △(仏具感が強い)
粉骨サービス 込み(2万円相当) 別途3万円 別途2.5万円
特典 海洋散骨無料(3万円相当) なし お線香セット
納期 2~3週間 1ヶ月以上 2週間

最終的にKOBOを選んだ決め手は、「5周年キャンペーンで海洋散骨が無料」だったこと。実は父は生前、「俺が死んだら海に散骨してくれ」と冗談半分で言っていた。それを叶えられるなんて思ってもいなかった。

申込みから完成まで:リアルな体験レポート

実際の申込みから手元に届くまでの流れを、時系列で記録しておく。これから検討する人の参考になれば幸いだ。

【1日目】オンライン申込み
深夜2時、眠れない夜にスマホで申込み。必要事項を入力するだけで10分もかからなかった。

【3日目】配送キット到着
思ったより早く到着。中には遺骨を送るための専用容器と、丁寧な説明書が入っていた。ここで少し涙が出た。「父を送り出すんだ」という実感が湧いてきて。

【5日目】遺骨発送
母と一緒に父の遺骨を梱包。「お父さん、ちょっと旅行に行ってくるのよ」と母がつぶやいた。

【18日目】KOBO到着
玄関のチャイムが鳴った瞬間、心臓がドキドキした。箱を開けると、想像以上に美しいガラスの器が現れた。朝日を浴びたKOBOは、まるで父が微笑んでいるように輝いていた。

【25日目】海洋散骨実施の連絡
東京湾で無事に散骨が行われたという証明書が届いた。GPSの位置情報も記載されていて、いつでも父に会いに行ける安心感があった。

1年後の今、伝えたいこと

KOBOが我が家に来てから1年。振り返ってみると、この選択は単なる「お墓の代替品」ではなかった

従来のお墓だったら、きっと年に数回しか父に会いに行けなかっただろう。雨の日も、雪の日も、体調が悪い日も...。でも今は毎日父と一緒だ。朝のコーヒーを飲みながら、夕食の時も、寝る前も。

先日、母がぽつりと言った。
「お父さんが亡くなって寂しいけど、前より近くにいる気がするの。不思議ね」

親戚からの反対もあった。「そんな供養の仕方があるか!」と怒鳴られたこともある。でも、今では親戚も理解してくれている。法事の時にKOBOを囲んで手を合わせる姿を見て、「これも供養の形なんだな」と。

誰におすすめ?正直な感想

1年間使ってみて、KOBOは以下のような人に特におすすめしたい:

  • 経済的な負担を減らしたい人(初期費用も維持費も圧倒的に安い)
  • 故人を身近に感じたい人(毎日話しかけられる距離感)
  • 将来の引っ越しを考えている人(一緒に移動できる)
  • 墓守の後継者問題に悩む人(子どもに負担をかけない)
  • 宗教にとらわれたくない人(形式にとらわれない供養)

逆に、以下の人は慎重に検討した方がいい:

  • 伝統的な供養にこだわる親族が多い人
  • 「お墓」という場所の存在が心の支えになる人
  • 大きなペットを室内で飼っている人(安全な置き場所の確保が必要)

最後に:供養の本質とは

父が亡くなった時、私は「ちゃんとした供養をしなければ」というプレッシャーに押しつぶされそうだった。でも、KOBOを選んで気づいた。供養の本質は形式じゃない。故人を想い、語りかけ、共に生きることなんだと。

200万円の立派なお墓より、4万8千円のガラスの器の方が、我が家には合っていた。毎日父を感じられる。家族が自然と集まる。子どもたちも怖がらない。

もし今、供養の方法で悩んでいる人がいたら、選択肢の一つとして検討してみてほしい。「こんな方法もあるんだ」と知るだけでも、心が軽くなるかもしれない。

父はきっと、高価なお墓より、家族に囲まれているこの状況を喜んでいると思う。時々、KOBOがキラッと光る瞬間がある。その時私は思う。「お父さん、今笑ったでしょ?」って。