父の葬儀が終わった3日後、葬儀社から届いた請求書を見て、私は震えが止まらなかった。総額680万円

「お父様らしい、立派なお見送りができました」という葬儀社の言葉を信じて、提案されるままに決めた結果がこれだった。貯金を切り崩し、親戚から借金をして、なんとか支払いを済ませたが、この経験が私の人生を変えることになる。

それから2年後、今度は娘の結婚式の準備を始めた時、ある制度の存在を知った。月々2,000円程度の積立で、将来の冠婚葬祭費用に備えられる「互助会」というシステムだ。

互助会とは?実際に3社を比較してわかった仕組み

互助会(ごじょかい)は、戦後の日本で生まれた独特の相互扶助システムだ。会員が毎月一定額を積み立てることで、結婚式や葬儀の際に優待価格でサービスを受けられる。

私は父の葬儀の経験から、この制度に強い関心を持ち、実際に3つの互助会を詳しく調べてみた:

比較項目 全国冠婚葬祭互助会 A社 B社
月額掛金 2,000円〜 3,000円〜 2,500円〜
積立期間 60回〜120回 84回固定 60回〜96回
施設数(全国) 冠婚600/葬祭1,600 冠婚450/葬祭1,200 冠婚380/葬祭980
割引率 20〜30% 15〜25% 10〜20%
保全率 50%(法定) 50%(法定) 50%(法定)
引越し対応 全国ネットワーク対応 一部地域制限あり 地域限定

なぜ私は互助会に入会を決めたのか

正直に言うと、最初は半信半疑だった。「毎月お金を払い続けて、本当に得なのか?」という疑問が頭から離れなかった。

しかし、実際に計算してみると驚くべき結果が出た。例えば、月2,000円を10年間(120回)積み立てた場合:

  • 総積立額:240,000円
  • 一般的な葬儀費用:150〜200万円
  • 互助会会員価格:105〜140万円(30%割引適用)
  • 実質的な節約額:45〜60万円

さらに、経済産業省の監督下で運営されているため、積立金の50%は法的に保全されるという安心感も大きかった。

実際に利用してみてわかった意外なメリット

入会から1年後、義母が急逝した。この時、互助会のありがたさを痛感することになる。

深夜2時の電話一本で、30分以内に担当者が駆けつけてくれた。パニック状態の私たちに代わって、病院での手続きから葬儀の段取りまで、すべてをサポートしてくれた。

特に助かったのは、事前相談で決めていたプランがそのまま適用されたこと。悲しみに暮れる中で、細かい決定を迫られることなく、故人とのお別れに集中できた。

デメリットも正直に話そう

ただし、互助会にも注意点がある。私が実際に感じたデメリットは:

  1. 途中解約すると手数料がかかる(積立額の10〜20%)
  2. プランが画一的で、カスタマイズの自由度が低い場合がある
  3. 積立完了前に利用する場合、残金の一括払いが必要
  4. 会社によっては、追加オプションの営業が強い

特に4番目の点は要注意だ。基本プランは確かに割安だが、「せっかくだから」と追加オプションを重ねると、結局高額になってしまうケースもある。

互助会選びで失敗しないための3つのポイント

私の経験から、互助会を選ぶ際に絶対に確認すべきポイントをまとめた:

1. 施設の立地と数を確認する

いくら安くても、自宅から遠い施設しかなければ意味がない。実際に利用する可能性のある施設を事前に見学することをおすすめする。

2. プランの内容を詳細に確認する

「基本プランに何が含まれているか」を必ず書面で確認すること。口約束は後でトラブルの元になる。

3. 解約条件を理解する

人生は予測不可能だ。転勤や経済状況の変化で解約する可能性もある。解約手数料や返金条件は契約前に必ず確認しよう。

こんな人には互助会がおすすめ

2年間の利用経験を踏まえて、互助会が向いている人の特徴をまとめてみた:

  • 将来の冠婚葬祭費用に不安を感じている人
  • 毎月少額でも確実に積立ができる人
  • 急な出費に備えたい人
  • 家族の負担を軽減したい人
  • 転勤の可能性がない、または全国ネットワークのある会社を選べる人

逆に、以下のような人にはおすすめしない:

  • 十分な貯蓄があり、急な出費にも対応できる人
  • 冠婚葬祭を最小限で済ませたい人
  • 月々の固定費を増やしたくない人

資料請求で分かった各社の対応の違い

実は、資料請求の段階から各社の姿勢が見えてくる。私が請求した3社の対応を比較すると:

  • 全国冠婚葬祭互助会:資料到着まで3日、詳細なパンフレットと料金表、Q&A集が同封
  • A社:資料到着まで1週間、基本情報のみで詳細は来店を促される
  • B社:資料到着まで5日、電話営業が3回

個人的には、押し付けがましくなく、必要な情報をきちんと提供してくれる会社が信頼できると感じた。

最後に:互助会は「保険」ではなく「準備」

父の葬儀で680万円の請求書を見た時の衝撃は、今でも忘れられない。あの時、互助会に入っていれば、少なくとも金銭的な負担は大幅に軽減できたはずだ。

互助会は保険ではない。病気や事故に備えるのではなく、必ず訪れる人生の節目に備える「準備」だ。結婚式は計画できるが、葬儀はいつ必要になるか分からない。だからこそ、元気なうちに準備しておくことに意味がある。

もし、あなたも将来の冠婚葬祭費用に少しでも不安を感じているなら、まずは資料請求から始めてみてはどうだろうか。私のような後悔をする前に。