父が亡くなって3年。母から突然「お墓を維持できない」と泣きながら電話がかかってきた。

年間管理費3万円、お彼岸やお盆の度に往復4時間かけて通う交通費、そして何より80歳を超えた母の体力的な限界。田舎の山奥にある先祖代々の墓を、ついに手放す決断をしたのだった。

しかし、その決断が想像を絶する金銭トラブルの始まりだったとは、この時はまだ知る由もなかった。

「離檀料として50万円いただきます」寺院からの衝撃的な要求

墓じまいの相談のため、長年お世話になっているお寺に連絡を取った。住職は優しい口調で話を聞いてくれたが、最後に告げられた言葉に絶句した。

「離檀料として50万円お納めいただければ、墓じまいの手続きを進めさせていただきます」

離檀料?聞いたことのない言葉だった。調べてみると、檀家を離れる際にお寺に支払うお布施のことらしい。しかし法的な支払い義務はないという情報も見つかった。

母は「長年お世話になったから...」と支払う気でいたが、年金生活の母にとって50万円は大金だ。何か方法はないかと必死に調べ始めた。

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墓じまい専門業者の存在を知り、状況が一変

インターネットで情報を集めていると、墓じまいを専門に扱う業者がいることを知った。半信半疑で3社に問い合わせてみたところ、どの業者も「離檀料50万円は高すぎる」という見解で一致していた。

特に印象的だったのは、ミキワという業者の担当者の言葉だった。

「お寺様との関係を壊さずに、適正な金額で円満に解決する方法があります。実際、私たちのお客様で50万円請求されて5万円で済んだケースもあります」

正直、最初は「そんな都合の良い話があるわけない」と疑った。しかし、他に選択肢もなかったため、詳しく話を聞いてみることにした。

プロの交渉術で離檀料が10分の1に

ミキワの担当者から教えられた方法は、実にシンプルだった。

  • まず、お寺の年間維持費や運営状況を把握する
  • 他の檀家の離檀料相場を調べる
  • 感謝の気持ちを示しながら、経済状況を正直に伝える
  • 妥協点を見つけるため、複数回の話し合いを持つ

そして最も重要なのは「第三者の専門家が間に入ることで、感情的な対立を避けられる」という点だった。

実際、ミキワの担当者が同席してくれた2回目の話し合いで、住職の態度は明らかに軟化した。結果的に、離檀料は5万円で合意に至ったのだ。

実際にかかった墓じまいの総費用

離檀料の問題は解決したが、墓じまいにはまだまだ費用がかかる。我が家の場合の内訳は以下の通りだった。

項目 金額
墓石解体・処分費用(1.8㎡) 214,500円
離檀料 50,000円
閉眼供養のお布施 30,000円
改葬手続き代行 0円(セット料金に含む)
海洋散骨(3体分) 115,500円
合計 410,000円

当初の見積もりでは、離檀料50万円を含めて総額70万円近くかかる計算だった。それが41万円で済んだのは、正直ありがたかった

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墓じまい業者3社を実際に比較してみた結果

今回、ミキワ以外にも2社から見積もりを取った。それぞれの特徴と価格を比較してみよう。

比較項目 ミキワ A社 B社
基本料金(1㎡) 181,500円〜 220,000円〜 198,000円〜
全国対応 ×(関東のみ)
行政手続き代行 無料 33,000円 22,000円
寺院交渉サポート △(アドバイスのみ) ×
永代供養の紹介 33,000円〜 50,000円〜 提携先なし
海洋散骨 38,500円〜 55,000円〜 対応なし
見積もり後の営業 なし 電話3回あり メール多数

A社は大手で安心感はあったが、価格が高めで営業もしつこかった。B社は地域密着型で親切だったが、対応エリアが限定的で、供養先の選択肢も少なかった。

結果的にミキワを選んだ決め手は、価格の透明性と寺院との交渉に同席してくれるサービスだった。これが本当に心強かった。

想定外だった行政手続きの複雑さ

墓じまいで最も面倒だったのは、実は行政手続きだった。必要な書類は以下の通り。

  • 改葬許可申請書
  • 埋葬証明書(現在のお墓の管理者から)
  • 受入証明書(新しい埋葬先から)
  • 申請者の身分証明書
  • 故人との続柄を証明する戸籍謄本

これらの書類を揃えるだけで2週間以上かかった。特に埋葬証明書は、お寺との関係がこじれていると発行してもらえないケースもあるらしい。

ミキワの場合、これらの手続きを全て代行してくれたので、本当に助かった。自分でやっていたら、おそらく1ヶ月以上かかっていただろう。

海洋散骨という新しい選択肢

墓じまい後の供養先として、我が家は海洋散骨を選んだ。正直、最初は抵抗があった。「先祖に申し訳ない」という気持ちもあった。

しかし、ミキワの担当者から聞いた話が心に響いた。

「最近は墓じまいされる方の約半数が海洋散骨を選ばれています。お墓という場所に縛られず、どこにいても手を合わせられる。それも一つの供養の形だと思います」

実際に散骨に立ち会ってみると、想像以上に厳粛で美しい儀式だった。東京湾の青い海に花びらと共に散骨される様子は、新しい旅立ちのようにも見えた。

海洋散骨のメリット

  • 永続的な管理費が不要
  • 特定の場所に行かなくても供養できる
  • 自然に還るという考え方に共感する人が増えている
  • 費用が比較的安価(38,500円〜)

墓じまいで失敗しないための5つのポイント

実際に墓じまいを経験して分かった、絶対に押さえておくべきポイントをまとめておく。

1. 親族との話し合いは必須

我が家の場合、叔父から「なぜ相談なく進めた」とクレームが来た。事前に親族会議を開いておけばよかったと後悔している。

2. 複数業者から見積もりを取る

価格差が想像以上に大きい。3社比較するだけで、10万円以上の差があった。

3. 離檀料は交渉の余地あり

法的な支払い義務はない。相場を調べ、適正価格で交渉することが大切。

4. 行政手続きは予想以上に時間がかかる

書類の準備に最低2週間、場合によっては1ヶ月以上かかることも。余裕を持ったスケジュールを。

5. 供養先は事前に決めておく

改葬許可申請には受入証明書が必要。先に供養先を決めておかないと手続きが進まない。

墓じまい後の心境の変化

墓じまいから半年が経過した今、母の表情は明るくなった。「お墓参りに行けない罪悪感」から解放されたようだ。

毎月の命日には、仏壇に手を合わせ、時には海を見に行く。形は変わっても、先祖を想う気持ちは変わらない。むしろ、日常的に手を合わせる機会が増えたような気がする。

経済的な負担も大幅に軽減された。年間3万円の管理費、お布施、交通費を合わせると、年間10万円近い出費があった。これが無くなったことで、母の生活にも余裕ができた。

墓じまいを検討している人へのアドバイス

墓じまいは決して「不孝」ではない。時代の変化と共に、供養の形も変わっていく。大切なのは先祖を想う気持ちであって、形式ではないと思う。

ただし、準備不足で始めると、我が家のように離檀料でトラブルになる可能性がある。専門業者に相談することで、多くの問題は回避できる。

特にミキワのように、寺院との交渉まで含めてサポートしてくれる業者は心強い。費用は確かにかかるが、トラブルを避けられることを考えれば、決して高い投資ではない

最後に:墓じまいは終わりではなく始まり

墓じまいを「先祖に申し訳ない」と考える人は多い。私もそうだった。しかし、実際に経験してみて分かったのは、墓じまいは供養の終わりではなく、新しい形の始まりだということ。

お墓という物理的な場所に縛られず、いつでもどこでも先祖を想える。それは現代を生きる私たちにとって、むしろ理想的な供養の形なのかもしれない。

もし今、墓じまいで悩んでいるなら、一度専門業者に相談してみることをおすすめする。私のように「離檀料50万円」で途方に暮れることなく、スムーズに進められるはずだ。

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