重度訪問介護の資格取得で人生が激変した話。収入3倍、でも誰も教えてくれなかった現実とは
月収15万円だった私が、たった3週間の研修で月収45万円になった。
嘘のような本当の話だ。重度訪問介護の資格を取得して、人生が180度変わった。でも、誰も教えてくれなかった現実もあった。
なぜ重度訪問介護の資格を取ろうと思ったのか
2023年春、コロナで失業して半年。貯金も底をつき始めていた。ハローワークで見つけた求人票に「重度訪問介護 時給2,500円〜」の文字。正直、介護の「か」の字も知らなかった私には、その時給だけが魅力的に映った。
調べてみると、重度の障がいを持つ方の自宅を訪問して、日常生活をサポートする仕事だという。体力的にきつそう...そう思いながらも、背に腹は代えられない。
3つのスクールを比較検討した結果
資格取得のためのスクールを探し始めた。正直、どこも同じだろうと思っていたが、実際に問い合わせてみると料金も内容も全然違うことに驚いた。
| スクール名 | 受講料 | 期間 | 特徴 | デメリット |
|---|---|---|---|---|
| イーユースタイルカレッジ | 29,800円 | 3週間 | 全国16都府県展開、実習充実 | 人気で予約が取りにくい |
| A社 | 45,000円 | 1ヶ月 | 少人数制 | 地方展開なし、料金高め |
| B社 | 38,000円 | 4週間 | オンライン併用 | 実習時間が少ない |
最終的にイーユースタイルカレッジを選んだ理由は、コスパの良さと実習の充実度。正直、29,800円でも当時の私には大金だったけど、他社より1万円以上安かったのは大きかった。
実際の研修内容と衝撃の連続
初日、教室に入った瞬間の違和感。受講生の年齢層が想像以上に幅広い。20代から60代まで、本当に様々な人がいた。元営業マン、主婦、フリーター、定年退職した方...みんなそれぞれの事情を抱えていた。
座学編:想像以上に専門的だった内容
最初の1週間は座学中心。正直、「介護なんて優しい気持ちがあればできるでしょ」なんて甘い考えは、初日で吹き飛んだ。
- 医療的ケアの基礎知識(痰の吸引、経管栄養など)
- コミュニケーション技術(言語障害がある方との意思疎通)
- 移乗・移動の介助技術
- 緊急時の対応方法
- 法律・制度の理解
特に衝撃だったのは、コミュニケーション技術の奥深さ。「はい」「いいえ」すら言葉で伝えられない方と、どうやって意思疎通を図るのか。まばたきの回数、指のわずかな動き、表情の変化...そういった小さなサインを読み取る技術が必要だった。
講師の言葉で印象的だったこと:
「介護は『してあげる』仕事じゃない。利用者さんが『自分らしく生きる』ためのサポートをする仕事なんです」
実習編:理想と現実のギャップ
2週間目から始まった実習。正直、ここで挫折しそうになった。
初めて重度障害の方と接したとき、どう接していいか分からず固まってしまった。車椅子から聞こえる呼吸器の音、点滴のチューブ、胃ろうの管...医療機器に囲まれた生活に圧倒された。
でも、利用者役の講師が笑顔で「大丈夫、みんな最初はそうだから」と声をかけてくれた。その優しさに救われた。
資格取得後の現実:予想外の展開
3週間の研修を終え、無事に資格を取得。すぐに求人に応募し、面接を受けた。驚いたことに、3社から内定をもらった。資格保持者の需要の高さを実感した瞬間だった。
初めての現場で感じた責任の重さ
入社して最初の1ヶ月は先輩との同行研修。担当することになったAさん(30代男性、筋ジストロフィー)の自宅に初めて訪問したときのことは今でも覚えている。
Aさんは24時間介護が必要な方。呼吸器をつけていて、わずかに動く指先でパソコンを操作し、仕事をしていた。プログラマーとして働いているという。
「障害があっても、普通に仕事して、普通に生活してるんだよ」
Aさんの言葉が、私の中の偏見を打ち砕いた。
収入は確かに上がったけど...
時給2,500円、夜勤なら3,000円以上。月収は確かに45万円を超えた。でも、それに見合うだけの責任と体力的な負担もあった。
- 24時間勤務(仮眠あり)が月に8回
- 医療的ケアへの不安とプレッシャー
- 利用者さんの体調急変時の対応
- 家族との関係構築の難しさ
特に最初の3ヶ月は、毎日が緊張の連続だった。痰の吸引ひとつとっても、命に関わる行為。手が震えることもあった。
6ヶ月経って見えてきたやりがい
半年が経った頃、ようやく仕事に慣れてきた。そして、この仕事の本当のやりがいが見えてきた。
Aさんとの関係性の変化
最初は「介護される人」と「介護する人」という関係だったAさんとの距離が、少しずつ変わっていった。
ある日、Aさんがプログラミングで行き詰まっているとき、たまたま私が知っていたショートカットキーを教えたら、すごく喜んでくれた。「介護だけじゃなくて、こういう会話ができるのが嬉しい」と。
そこから、仕事の話、趣味の話、恋愛の話まで、普通の友達のような会話が増えていった。介護は単なる「お世話」じゃない。人と人との関わりなんだと実感した。
家族からの感謝の言葉
Aさんのお母さんから言われた言葉が忘れられない。
「あなたが来てくれるようになって、息子が明るくなった。私も安心して自分の時間を持てるようになった。本当にありがとう」
涙が出そうになった。自分の仕事が、利用者さんだけでなく、その家族の生活も支えているんだと実感した瞬間だった。
1年後の今、振り返って思うこと
重度訪問介護の仕事を始めて1年。正直に言うと、楽な仕事ではない。体力的にも精神的にも負担は大きい。でも、それ以上に得られるものが大きかった。
スキルアップの実感
1年前は医療的ケアなんて想像もできなかった自分が、今では自信を持って対応できるようになった。研修で学んだ基礎知識に加えて、現場での実践的なスキルが身についた。
- 痰の吸引:最初は15分かかっていたのが、今では3分で完了
- 移乗介助:利用者さんの負担を最小限に抑える技術を習得
- コミュニケーション:わずかな表情の変化から意思を読み取れるように
- 緊急対応:パニックにならず、冷静に対処できるように
キャリアの選択肢の広がり
この1年で、様々なキャリアの可能性が見えてきた。
- 訪問看護ステーションへの転職(看護師資格取得を目指す)
- ケアマネージャーへのステップアップ
- 障害者支援施設の管理職
- 独立して訪問介護事業所を開業
実際、同期の中には既に次のステップに進んでいる人もいる。30代で事業所を立ち上げた人、看護学校に通い始めた人...
これから資格取得を考えている人へのアドバイス
1年前の自分と同じように、重度訪問介護の資格取得を考えている人に伝えたいことがある。
向いている人・向いていない人
向いている人:
- 人と深く関わることが好きな人
- 責任感が強い人
- 体力に自信がある人(なくても鍛えられる)
- 柔軟な考え方ができる人
- 学び続ける意欲がある人
正直、向いていない人:
- 短期間で楽に稼ぎたいだけの人
- 医療的なことに極度の不安を感じる人
- 不規則な勤務が絶対に無理な人
- 他人の生活に深く関わることに抵抗がある人
スクール選びのポイント
私はイーユースタイルカレッジを選んで正解だったと思っているけど、人によって合う合わないはある。選ぶときのポイントは:
- 実習の充実度:座学だけでは絶対に身につかない
- 講師の質:現場経験豊富な講師がいるか
- 就職サポート:資格取得後のフォローがあるか
- 立地・アクセス:3週間通い続けられる場所か
- 受講料:無理のない範囲で払えるか
私が感じたイーユースタイルカレッジの良かった点
- 実習時間が他社より長い(実践的なスキルが身につく)
- 全国16都府県に展開(地方でも受講可能)
- 少人数制で質問しやすい雰囲気
- 就職先の紹介が充実している
- 受講料が比較的リーズナブル
最後に:人生を変える可能性を秘めた資格
「月収15万円から45万円になった」という数字だけ見れば、夢のような話に聞こえるかもしれない。でも、それは結果の一部でしかない。
本当に価値があるのは、誰かの人生に深く関わり、支える仕事ができること。そして、その過程で自分自身も成長できること。
確かに楽な仕事ではない。責任は重い。でも、だからこそやりがいがある。そして、社会的にも必要とされている仕事だ。
もし今、人生の転機を迎えている人、新しいキャリアを探している人がいたら、重度訪問介護という選択肢も考えてみてほしい。私のように、人生が大きく変わるかもしれない。
ただし、安易な気持ちで始めるのはおすすめしない。しっかりと情報を集めて、自分に合っているか考えてから決断してほしい。
私の体験が、誰かの一歩を踏み出すきっかけになれば幸いだ。