去年の夏、私は38,000円分のビーチウェアを買って全て失敗した。有名ブランドのサーフパンツ、インスタで話題の水着、セレクトショップの限定品...どれも結局タンスの肥やしになった。

そんな私が宮古島で偶然出会った8,800円のサーフパンツが、まさか私のワードローブの主役になるなんて思ってもみなかった。

keiiとの運命的な出会い|宮古島の小さなショップで

仕事のストレスから逃げるように訪れた宮古島。3日目の朝、たまたま立ち寄った@earthmiyakoというシルクスクリーンスタジオで、壁にかかっていたカラフルなサーフパンツに目が釘付けになった。

「これ、地元のブランドなんですよ」店員さんの一言で初めて知ったkeii(ケイアイアイ)というブランド。正直、聞いたこともなかった。でも、そのデザインと質感は明らかに他とは違っていた。

実際に3ヶ月間使い倒してわかった本当の価値

想像以上だった機能性

購入から3ヶ月、私はこのサーフパンツを週4回以上着用している。海だけじゃない。ジムでのワークアウト、近所のカフェ、友人とのBBQ、なんなら在宅ワークの日も。

特に驚いたのは:

  • 速乾性の凄さ - 海から上がって30分後には完全に乾いている
  • 色落ちゼロ - 洗濯機で20回以上洗っても購入時と同じ鮮やかさ
  • 型崩れしない - ポケットの形も裾のラインもピシッとしたまま
  • キーリング付きポケット - 車のキーを無くす心配から解放された

でも正直、ここは微妙だった

完璧なものなんてない。使い続けて気づいたkeiiの弱点も正直に書いておく。

まず、サイズ展開が独特。私は普段Mサイズだけど、keiiのMは少しタイトめ。特に太もも周りがフィットしすぎて、最初は「失敗したかも」と思った。(結果的に2週間で馴染んだけど)

それと、限定生産という罠。気に入ったデザインを追加で買おうと思ったら既に完売。「原則、増産・再販売は行いません」という方針は、ブランドの価値を高めているけど、ファンとしては正直もどかしい。

他ブランドとの徹底比較|本当の違いはどこに?

サーフパンツ選びで迷っている人のために、私が実際に所有している3ブランドを忖度なしで比較してみた。

項目 keii Patagonia Baggies RVCA Eastern
価格 ¥8,800 ¥7,700 ¥9,900
デザイン性 ★★★★★
唯一無二の個性
★★★☆☆
シンプルで無難
★★★★☆
ストリート感強め
機能性 ★★★★☆
水陸両用で万能
★★★★★
アウトドア特化
★★★☆☆
サーフィン専用
耐久性 ★★★★☆
3ヶ月使用で劣化なし
★★★★★
5年使える定番
★★★☆☆
1年で色褪せ
入手しやすさ ★☆☆☆☆
限定生産で争奪戦
★★★★★
どこでも買える
★★★★☆
主要都市なら入手可
着回し力 ★★★★★
街着として最高
★★★☆☆
アウトドア感強い
★★★★☆
若者向け

結論:デザインと着回し力重視ならkeii、機能性重視ならPatagoniaという選択になる。RVCAは正直、中途半端な印象。

keiiが作り出す独特の世界観

宮古島発という意味

「なぜ宮古島?」最初はそう思った。でも、実際に現地で見て、着て、過ごしてみると、このブランドは宮古島でしか生まれなかったことがよくわかる。

都会的な洗練さとは違う、自然体でいることの贅沢さ。それがkeiiの本質だと思う。Instagramで見た着用写真も、どれも自然光の下で撮られていて、作り込まれていない良さがある。

3つのシリーズの違いと選び方

keiiにはCell、Inspire、Respectという3つのシリーズがある。最初は違いがわからなかったけど、店員さんの説明と実際の着用感から、こんな特徴があることがわかった:

  • Cellシリーズ - 細胞のような有機的なパターン。一番個性的で目立つ
  • Inspireシリーズ - 幾何学模様でモダンな印象。私が買ったのはこれ
  • Respectシリーズ - 自然モチーフで落ち着いた雰囲気。40代以上にも似合う

購入前に知っておくべき5つの真実

1. 本当に限定生産

「限定」という言葉に騙されてきた私だけど、keiiは本当に再販しない。I-1のMサイズが完売したとき、問い合わせたら「申し訳ございません」の一点張り。マーケティング手法じゃなくて、本当に作らないらしい。

2. サイズ感は要注意

先述の通り、普段のサイズより1つ上を選ぶことをおすすめする。特に筋トレしている人や太もも周りがしっかりしている人は必須。

3. 洗濯は意外と楽

高級品っぽい見た目に反して、洗濯機でガンガン洗える。ネットに入れる必要すらない。この手軽さは日常使いには重要。

4. 実は女性にも人気

メンズアイテムだけど、女性の購入者も多いらしい。実際、彼女が私のを履いてみたら「これいい!」と言っていた。ユニセックスで使える。

5. 値上げの可能性

現在8,800円だけど、原材料費の高騰で今後値上げの可能性があると店員さんがポロッと言っていた。買うなら早めがいいかも。

結局、keiiは買いなのか?

3ヶ月使った今、もう手放せない存在になっている。朝、クローゼットを開けて最初に手に取るのはいつもkeii。それが全てを物語っている。

ただし、万人におすすめできるかと言われれば、正直微妙。こんな人にはおすすめしない

  • ブランドネームを重視する人
  • 同じものを複数枚揃えたい人
  • 保守的なデザインが好きな人
  • 即日配送を期待する人

逆にこんな人なら後悔しない

  • 人と被らないものが好き
  • 質の良いものを長く使いたい
  • 海も街も両方楽しみたい
  • 宮古島の空気感に憧れる

最後に|38,000円の失敗から学んだこと

高いものが良いとは限らない。有名ブランドが自分に合うとも限らない。本当に価値があるものは、偶然の出会いの中にある

keiiのサーフパンツは、そんな当たり前のことを改めて教えてくれた。8,800円という価格は、正直安くはない。でも、週4回着て、どこに行くにも一緒で、着るたびに気分が上がるなら、それは人生を変える投資だと思う。

来年の夏、あなたは何を着て過ごすだろうか。もし今の選択に少しでも迷いがあるなら、keiiという選択肢を覚えておいてほしい。ただし、お気に入りのデザインを見つけたら、迷わず即決することをおすすめする。なぜなら、次にサイトを見たときには、もう売り切れているかもしれないから。