「ママ、僕が作ったゲーム見て!」

小学3年生の息子がノートパソコンの画面を興奮気味に見せてきた。そこには、カラフルなキャラクターが動き回る、彼オリジナルのアクションゲームが映し出されていた。

正直、たった3ヶ月でここまでできるようになるとは思っていなかった

プログラミング教室を探し始めたのは昨年の秋。きっかけは息子の一言だった。「YouTubeで見たゲームクリエイターみたいになりたい!」

最初は「また新しい習い事?」と渋っていた私だったが、調べていくうちに2025年から大学入試でもプログラミングが必須になるという事実を知り、慌てて教室探しを始めた。

なぜLITALICOワンダーを選んだのか

実は最初から決めていたわけではない。むしろ、他の大手プログラミング教室の体験授業を3つも受けた後だった。

どこも「カリキュラム通りに進める」「みんなで同じことをする」という従来型の授業スタイル。息子は最初の30分は楽しそうにしていたが、後半になると明らかに集中力が切れていた。

「この子には合わないかも...」そう思い始めた時に出会ったのがLITALICOワンダーだった。

体験授業での衝撃的な違い

他の教室と決定的に違ったのは、最初の15分間、スタッフが息子と「ただ話すだけ」だったこと

「どんなゲームが好き?」
「マインクラフトで何を作るのが楽しい?」
「将来どんなものを作ってみたい?」

そして驚いたことに、その会話を基にその場で授業内容を決めていったのだ。

実際に通い始めて分かったメリット・デメリット

予想以上に良かった点

1. 完全個別カリキュラム「クリエイターコンパス」の存在

入会後、息子専用の年間学習計画が作られた。これが単なる進度表ではなく、興味の変化に応じて毎月更新される生きた計画書だったのには驚いた。

例えば、最初はScratchでゲーム作りを学んでいた息子が、途中でロボット制御に興味を持ち始めた時、すぐにカリキュラムが調整された。

2. 少人数制の効果が想像以上

スタッフ1人に対して生徒最大4人。実際は2〜3人のことが多い。これにより、分からない時にすぐ質問できる環境が整っている。

息子いわく「先生が横にいてくれるから、難しいところも怖くない」とのこと。

3. アウトプット機会の豊富さ

年2回開催される「ワンダーメイクフェス」では、自分の作品を発表する機会がある。人前で話すのが苦手だった息子が、自分の作品については30分も熱く語れるようになったのは親として嬉しい誤算だった。

正直イマイチだった点

良いことばかりではない。実際に通ってみて感じたデメリットも正直に書いておく。

1. 料金が高い

月謝は他の教室と比べて1.5〜2倍程度。オーダーメイド授業の質を考えれば納得できるが、家計への負担は正直大きい

2. 振替の制限

急な体調不良での欠席時、振替授業の枠が限られている。人気の時間帯だと1ヶ月先まで埋まっていることも。

3. 教室数の少なさ

首都圏に23教室のみ。我が家は運良く通える距離にあったが、遠方の方は選択肢に入らないだろう。

他社との詳細比較

実際に体験した3社を詳しく比較してみる。

項目 LITALICOワンダー Tech Kids School Life is Tech!
対象年齢 5歳〜18歳 小1〜中3 中学生・高校生
月謝(目安) 20,000〜30,000円 20,000円前後 15,000〜25,000円
授業形式 完全個別カリキュラム 段階的カリキュラム プロジェクト型
生徒:講師比 最大4:1 約10:1 約8:1
コース数 7コース以上 3コース 5コース程度
オンライン対応
特徴 個性に完全対応 IT企業運営の本格派 キャンプ型の集中学習

どんな子に向いているか

息子のクラスメイトを見ていて感じた、LITALICOワンダーに向いている子の特徴:

  • 興味がコロコロ変わる子(カリキュラムが柔軟に対応)
  • マイペースな子(自分のペースで進められる)
  • 特定分野に強いこだわりがある子(とことん追求できる)
  • 集団授業が苦手な子(少人数で安心)

逆に、以下のような場合は他の教室も検討した方が良いかもしれない:

  • 決められたカリキュラムで着実に学びたい
  • 競争環境で切磋琢磨したい
  • 費用を抑えたい

実際の授業風景

ある日の授業を覗いてみた時のこと。

息子はUnityを使った3Dゲーム制作に挑戦していた。隣の席の子はマインクラフトでプログラミング、向かいの子はロボットの制御プログラムを書いている。

全員が違うことをしているのに、教室は活気に満ちていた

「先生、このキャラクターがジャンプした後に二段ジャンプできるようにしたい!」

息子の要望に、スタッフは「いいアイデアだね!じゃあ、まず重力の設定から見直してみよう」と一緒に考え始めた。

マニュアル通りではなく、子どもの「やりたい!」を実現するためのサポート。これがLITALICOワンダーの本質だと感じた瞬間だった。

保護者として感じた変化

通い始めて半年。息子に起きた変化は予想以上だった。

1. 論理的思考力の向上

「なんで?」「どうして?」の質問が格段に増えた。そして自分なりの仮説を立てて検証する習慣がついた。

算数の文章問題も、以前は「分からない」で終わっていたのが、図を描いて整理するようになった。

2. プレゼン力の成長

人前で話すのが苦手だった息子が、学校の発表会で堂々とプレゼンするように。自分の作品について語る経験が自信につながったようだ。

3. 創造性の爆発

「こんなゲームがあったら面白いかも」「このアプリにこんな機能つけたい」

日常的にアイデアを考えるようになり、それをメモする習慣まで身についた。

コース選びのポイント

LITALICOワンダーには多彩なコースがあるが、実際に見学して分かったそれぞれの特徴をまとめておく。

ゲーム&アプリプログラミングコース

息子が選んだコース。ScratchからUnity、最終的にはC#まで学べる。ゲーム好きな子にはベストな選択

ロボットクリエイトコース

レゴを使った制御から始まり、本格的なロボット制作まで。手を動かすのが好きな子に人気。

3DCGコース(オンライン専門)

Blenderを使った3Dモデリング。将来クリエイターを目指す中高生に特に人気

マインクラフトクリエイトコース

人気ゲームを教材に、コマンドやプログラミングを学ぶ。マイクラ好きな子の入門に最適。

料金体系の実態

公式サイトには詳細な料金が載っていないので、実際の料金をお伝えする。

  • 入会金:16,500円(税込)
  • 月謝(月4回):22,000円〜29,700円(税込)
  • 教材費:コースにより異なるが、月1,000円〜3,000円程度
  • PC・タブレットレンタル:有料(持参推奨)

年間で計算すると30万円以上。決して安くはないが、個別指導塾と同等かやや高い程度と考えれば妥当かもしれない。

入会前に確認すべきこと

実際に入会して「こうしておけばよかった」と思ったことを共有する。

1. 体験授業は必ず受ける

オンラインではなく、実際の教室で受けることを強く推奨。教室の雰囲気、他の生徒の様子、スタッフの対応を直接確認できる。

2. 通いやすさを重視

週1回とはいえ、通学時間は意外と負担になる。我が家は片道30分だが、雨の日は正直きつい。

3. 兄弟割引の確認

兄弟で通う場合は割引がある。下の子も興味を持ち始めたので、今後活用する予定。

4. オンラインとの併用可能性

体調不良時にオンラインに切り替えられるか確認しておくと安心。

よくある疑問への回答

Q. プログラミング未経験の親でも大丈夫?

全く問題ない。むしろ親が知らないことを子どもが教えてくれる関係性が良い。私もプログラミングは全く分からないが、息子が嬉しそうに説明してくれる。

Q. 何歳から始めるのがベスト?

個人的には小学2〜3年生がベストタイミングだと感じる。ある程度の読み書きができ、抽象的な概念も理解できる年齢。

Q. 将来プログラマーにならなくても意味ある?

大いにある。プログラミングで身につく論理的思考力や問題解決能力は、どんな職業でも役立つ。

まとめ:結局どうなのか

「プログラミング教室なんて、どこも同じでしょ?」

最初はそう思っていた私だが、LITALICOワンダーは明らかに違った。

子ども一人ひとりの個性を本気で大切にするという理念が、単なる看板ではなく実際の授業に反映されている。

確かに料金は高い。教室も限られている。でも、子どもの「好き」を最大限に伸ばせる環境があるなら、その投資は決して高くないと今は思っている。

息子は今日も「次の授業まであと何日?」と指折り数えている。

この笑顔を見るたびに、あの時一歩踏み出してよかったと心から思うのだ。