取引先の倒産で売掛金2,800万円が回収不能になった日、私は社員15名の給料さえ払えない状況に陥っていました。

メインバンクに融資を申し込むも「税金の未納がある限り融資は不可能」と門前払い。地方銀行2行、信用金庫1行と回りましたが、結果はすべて同じでした。

「明日の支払いをどうするか...」

事務所で頭を抱えていた時、同業者から聞いた「MRF」の存在を思い出しました。正直、最初は「怪しい金融業者では?」という不安もありました。しかし、もう他に選択肢はありませんでした。

MRFとの出会いが事業の転機に

深夜23時、藁にもすがる思いでMRFのWebサイトから申し込みをしました。驚いたのは、翌朝9時15分に担当者から連絡があったことです。

担当の木村さんという方は、私の状況を1時間以上じっくりと聞いてくれました。

「税金の未納があっても、事業の将来性があれば融資は可能です」

この一言に、どれだけ救われたことか。

想定外だった審査のスピード感

通常の銀行融資では2〜3週間かかる審査が、MRFでは申込みから3日後に本審査通過の連絡がありました。しかも、希望額の1,500万円満額での承認です。

ただ、良いことばかりではありません。金利は年8.5%と、銀行融資と比べれば高めです。また、不動産担保が必要だったため、自宅を担保に入れることになりました。

実際に利用して分かったMRFの特徴

メリット:柔軟な審査基準

最大の魅力は、赤字決算や税金未納でも審査対象になる点です。実際、私の会社は前期赤字決算で、法人税・消費税合わせて380万円の未納がありました。

銀行では話も聞いてもらえない状況でしたが、MRFは「事業計画」と「返済能力」を総合的に判断してくれました。

デメリット:コスト面での負担

正直に言うと、総コストは銀行融資より高くなります:

  • 金利:4.0〜9.9%(私の場合8.5%)
  • 事務手数料:融資額の3%+税
  • 更新手数料:3.3%(更新時)

1,500万円借りた私の場合、初期費用だけで約50万円かかりました。

他社との比較で見えてきた位置づけ

MRFを利用する前に、他の事業者ローンも検討しました。実際に問い合わせた2社との比較表をご覧ください:

項目 MRF A社(大手ノンバンク) B社(ビジネスローン専門)
融資限度額 100万〜3億円 50万〜1億円 100万〜5,000万円
金利 4.0〜9.9% 3.0〜18.0% 6.0〜15.0%
審査期間 最短24時間 最短即日 3〜5営業日
税金未納 相談可能 原則不可 ケースバイケース
担保 不動産担保 無担保も可 不動産担保
返済期間 最長20年 最長7年 最長10年

A社は金利の上限が18%と高く、私のような資金需要では利息負担が重すぎました。B社は審査に時間がかかり、緊急性の高い私のケースには不向きでした。

利用開始から8ヶ月後の現在

MRFから融資を受けて8ヶ月が経過しました。当初の危機は乗り越え、新規受注も徐々に回復してきています。

月々の返済は利息のみで約10万円。元金は据置期間中なので、キャッシュフローに余裕ができたのは大きいです。ただ、3年後の元金返済に向けて、今から準備を始めています。

実際に感じた担当者の対応力

特筆すべきは担当者のフォロー体制です。融資実行後も月1回は連絡があり、経営相談にも乗ってくれます。

「単なる金貸しではなく、事業パートナーとして」という姿勢を感じます。これは正直、銀行では経験したことがありませんでした。

MRFが向いている経営者、向いていない経営者

向いている経営者

  • 銀行融資を断られたが、事業継続の意思が強い
  • 一時的な資金難で、将来性のある事業を営んでいる
  • 税金未納や赤字決算など、通常融資の条件を満たせない
  • スピーディーな資金調達が必要

向いていない経営者

  • 低金利での借入を最優先する
  • 不動産担保を提供できない(または抵抗がある)
  • 事業計画が不明確で、返済の見通しが立たない

申込みを検討する際の注意点

私の経験から、申込み前に準備しておくべきことをお伝えします:

1. 資金使途と返済計画を明確に

「とりあえず借りたい」では審査は通りません。具体的な資金使途と、それによる売上改善の見込みを数字で示す必要があります。

2. 必要書類は事前に準備

決算書3期分、試算表、資金繰り表など、求められる書類は多岐にわたります。スピード審査を受けるためにも、事前準備は必須です。

3. 担保評価額の把握

不動産担保の評価額は、実勢価格の60〜70%程度になることが多いです。希望融資額に対して、担保価値が十分かを事前に確認しましょう。

最後に:MRFは「最後の砦」か「賢い選択」か

私にとってMRFは確かに「最後の砦」でした。しかし今振り返ると、もっと早い段階で相談していれば、より良い条件で借りられたかもしれません。

銀行融資が理想なのは確かです。しかし、事業にはタイミングが重要です。チャンスを逃さないための「選択肢」として、MRFの存在価値は大きいと感じています。

ただし、高めの金利と手数料は事実です。返済計画をしっかり立て、あくまで「つなぎ」として利用し、経営が安定したら低金利の資金調達に切り替える—これが賢明な使い方だと考えています。

融資は諸刃の剣です。でも、適切に使えば事業を次のステージに押し上げる力になります。

私の体験が、同じような状況で悩む経営者の参考になれば幸いです。

MRF利用者の声(ネット上の評判まとめ)

「対応が早くて助かった」「金利は高いが、他で断られた後だったので感謝」「担当者が親身になってくれた」という声が多い一方、「手数料が高い」「更新時の費用負担が重い」という指摘も見られました。