昨年の出張で羽田空港のラウンジでビールを飲んでいた時、隣に座っていたビジネスマンが「年会費11,000円なんて、ラウンジ使用料だけで余裕でペイできるでしょ」と電話で話していた。その瞬間、私は自分の楽天プレミアムカードの使い方を根本的に間違えていたことに気づいた。

3年前、年会費無料のクレジットカードしか持っていなかった私が、なぜ突然年会費11,000円もするカードを作ったのか。きっかけは意外にも、妻の一言だった。「あなた、楽天市場でいつも買い物してるのに、普通のカードって損してない?」

楽天プレミアムカードの真の価値は「プライオリティパス」だけじゃなかった

正直に告白すると、最初の半年間は年会費の元を取れていなかった。なぜなら、私は楽天プレミアムカードの最大の売りである「プライオリティパス」に固執しすぎていたからだ。

確かに、1,300箇所以上の空港ラウンジが無料で使えるプライオリティパス(通常年会費469米ドル=約70,000円相当)が付いてくるのは魅力的だ。しかし、コロナ禍で海外出張が激減し、国内出張も月1回程度の私にとって、これだけでは年会費を正当化できなかった。

転機は誕生月に訪れた

2年目の誕生月、何気なく楽天市場で子供の誕生日プレゼントを購入した時のことだ。いつもより明らかに多いポイントが付与されているのに気づいた。調べてみると、楽天プレミアムカードは誕生月に楽天市場・楽天ブックスで最大+1倍のポイント還元があることを知った。

その月、私は計画的に大型家電や年間で必要な消耗品をまとめ買いした。結果、通常の3倍以上のポイントを獲得。これだけで年会費の約半分を回収できた。

他社プレミアムカードとの容赦ない比較

楽天プレミアムカードの真価を知るため、私は実際に他社のプレミアムカードも調査し、友人の体験談も含めて比較してみた。

項目 楽天プレミアムカード JCBゴールド 三井住友カード ゴールド
年会費 11,000円 11,000円(初年度無料) 11,000円
空港ラウンジ プライオリティパス付帯
(世界1,300箇所以上)
国内主要空港+ハワイ 国内主要空港のみ
ポイント還元率 基本1%
楽天市場で最大5%
基本0.5%
特約店で最大2%
基本0.5%
コンビニで最大2.5%
特典 誕生月ポイント+1倍
選べるコース特典
グルメ優待
ゴルフサービス
ホテル優待
ゴルフサービス

正直な感想:JCBゴールドとの比較

友人のK氏はJCBゴールドを使っているが、彼の話を聞いて驚いた。「空港ラウンジは国内だけだし、楽天市場をよく使う自分にとっては楽天プレミアムの方が良かったかも」と後悔していた。特に海外出張が多い人にとって、プライオリティパスの有無は決定的な差になる。

一方で、JCBゴールドの方が優れている点もある。例えば、グルメ優待サービスは楽天プレミアムカードより充実しており、高級レストランでの割引が受けられる。また、ゴルフ好きにはゴルフサービスも魅力的だろう。

三井住友カード ゴールドとの比較で見えた意外な事実

三井住友カード ゴールドは、コンビニでの還元率が高いのが特徴だ。セブンイレブンやローソンで最大2.5%還元は確かに魅力的。しかし、年間の利用金額で計算すると、楽天市場での買い物が月2万円以上ある人は楽天プレミアムカードの方がお得になることが分かった。

3年使って発見した楽天プレミアムカードの賢い活用法

ここからは、私が実際に試して効果があった活用法を紹介する。

1. 誕生月の戦略的まとめ買い

誕生月のポイント+1倍を最大限活用するため、年間で必要な高額商品の購入を計画的に誕生月に集中させている。例えば:

  • 家電製品(エアコン、冷蔵庫など)の買い替え
  • 1年分の日用品のまとめ買い
  • ふるさと納税
  • 子供の学用品や習い事の道具

昨年の誕生月は、合計30万円の買い物で通常より9,000ポイント多く獲得できた。これだけで年会費の8割以上を回収できた計算になる。

2. 選べるコース特典の使い分け

楽天プレミアムカードには「楽天市場コース」「トラベルコース」「エンタメコース」の3つから選べる特典がある。私は最初「楽天市場コース」を選んでいたが、2年目から「トラベルコース」に変更した。

理由は簡単。楽天トラベルでの予約が年2回以上ある場合、トラベルコースの方がポイント還元率が高くなるからだ。実際、家族旅行と出張の宿泊予約だけで、年間15,000ポイント以上獲得できている。

3. プライオリティパスの意外な使い方

海外出張が少ない私でも、プライオリティパスを有効活用できる方法を見つけた。それは国内線利用時の乗り継ぎだ。

例えば、地方への出張で羽田や成田で乗り継ぐ際、プライオリティパスで使えるラウンジでゆっくり仕事ができる。Wi-Fi完備、電源あり、軽食・飲み物無料。カフェで2,000円使うことを考えれば、年5回利用すれば元が取れる計算だ。

楽天プレミアムカードのデメリットも正直に語る

3年間使い続けてきた中で、不満に感じた点も率直に書いておく。

1. カスタマーサポートの対応速度

一度、不正利用の疑いでカードが停止された時、サポートセンターへの電話が繋がるまで30分以上待たされた。プレミアムカードなのに優先対応がないのは正直がっかりした。JCBゴールドなら専用デスクがあるのに...。

2. 海外旅行保険の補償内容

最高5,000万円の海外旅行保険が付帯しているが、自動付帯は3,000万円までで、残りは利用付帯。しかも、疾病治療費用は300万円までと、他社のゴールドカードと比べて特別優れているわけではない。

3. 家族カードの年会費

家族カードも年会費550円かかる。年会費無料の一般カードから切り替えた時、これは予想外の出費だった。ただし、家族カードでもプライオリティパスが申し込めるので、夫婦で海外旅行によく行く人にはむしろお得かもしれない。

結局、楽天プレミアムカードは誰におすすめ?

3年間の経験を踏まえて、楽天プレミアムカードが本当に向いている人をまとめてみた。

強くおすすめできる人

  • 楽天市場で月2万円以上買い物する人:ポイント還元だけで年会費の元が取れる
  • 年2回以上海外に行く人:プライオリティパスの価値を最大限活用できる
  • 計画的に買い物ができる人:誕生月のまとめ買いで大きなリターンが得られる
  • 楽天経済圏をフル活用している人:楽天市場、楽天トラベル、楽天ブックスなど複数サービスを使っている

おすすめできない人

  • 楽天市場をほとんど使わない人:ポイント還元のメリットが薄い
  • 年会費無料にこだわる人:どんなにメリットがあっても年会費の心理的ハードルが高い
  • ステータス重視の人:正直、楽天プレミアムカードにステータス性はない
  • サポート品質を重視する人:カスタマーサポートは改善の余地あり

実際の収支を公開:3年間でいくら得した?

最後に、私の3年間の実績を数字で示そう。

項目 1年目 2年目 3年目
年会費 -11,000円 -11,000円 -11,000円
通常ポイント還元 +18,000P +22,000P +25,000P
誕生月特典 +3,000P +8,000P +9,000P
コース特典 +5,000P +12,000P +15,000P
ラウンジ利用価値 +8,000円相当 +15,000円相当 +20,000円相当
実質収支 +23,000円 +46,000円 +58,000円

見ての通り、使い方を理解してからは年々お得度が増している。特に3年目は、年会費の5倍以上のリターンを得ることができた。

まとめ:楽天プレミアムカードは「使いこなせば最強」のカード

3年前、年会費11,000円に躊躇していた自分に言いたい。「プライオリティパスだけで判断するな」と。

楽天プレミアムカードの真の価値は、楽天経済圏でのポイント還元率の高さ誕生月特典の破壊力、そして選べるコース特典の柔軟性にある。これらを組み合わせることで、年会費の何倍ものリターンを得ることが可能だ。

ただし、これはあくまで「使いこなせば」の話。楽天市場をほとんど使わない人や、特典を活用する気がない人には、正直おすすめできない。年会費無料の楽天カードで十分だろう。

最後に、私が楽天プレミアムカードを使い続ける最大の理由を告白する。それは、妻が誕生月のまとめ買いを楽しみにしているからだ。「今年は何を買おうか」と計画を立てる姿を見ていると、このカードを作って本当に良かったと思う。

年会費11,000円。それは単なるコストではなく、賢く使えば何倍にもなって返ってくる投資だった。あなたも、楽天経済圏での買い物が多いなら、一度真剣に検討してみる価値はあるだろう。

楽天プレミアムカードのポイント

  • 年会費11,000円でプライオリティパス(約70,000円相当)が付帯
  • 楽天市場での還元率最大5%
  • 誕生月は楽天市場・楽天ブックスでポイント+1倍
  • 選べる3つのコース特典
  • 海外旅行保険最高5,000万円付帯