朝4時、また泣き声で目が覚めた。

抱っこしても、おもちゃを見せても、何をしても泣き止まない娘。生後6ヶ月になっても、まだ何にも興味を示さない。発達の遅れを心配する夫の視線が痛い。

そんな時、児童発達支援センターの先生から「視覚発達の臨界期」という言葉を聞いた。

「0〜2歳は脳の80%が形成される大切な時期。でも、ただ絵本を見せるだけじゃダメなんです」

その日の帰り、藁にもすがる思いで注文したのが、脳科学研究に基づいて開発されたという「赤ちゃんしかけ絵本3冊セット」だった。

届いた瞬間、娘の反応が180度変わった理由

正直、期待はしていなかった。これまでも様々な絵本を試してきたが、どれも数秒で飽きられてしまっていたから。

しかし、箱を開けて最初の1冊「faces はじめてのえほん baby sees」を見せた瞬間—

娘の手が、初めて自分から絵本に伸びた。

赤ちゃんしかけ絵本3冊セット

太い線、はっきりしたコントラスト、そして鏡のしかけ。後で知ったことだが、これらは全て赤ちゃんの視覚発達研究に基づいて設計されているという。

生後6ヶ月の赤ちゃんの視力は0.1程度。ぼんやりとしか見えない世界で、この絵本だけがはっきりと認識できるように作られていたのだ。

1時間の集中—医師も驚いた娘の変化

翌週の健診で、小児科医は目を丸くした。

「この月齢で1時間も集中できるなんて...何か特別なことをされましたか?」

実は、3冊それぞれに異なる仕掛けがあることが、飽きさせない秘密だった。

  • 「faces」の鏡で自分の顔を発見する喜び
  • 「あおい よるの ゆめ」のスライド式しかけで指先を動かす達成感
  • 「すてきな うちゅうへ」の大きく広がる仕掛けでの空間認識

単なる絵本ではない。これは脳の発達を促す「知育ツール」だったのだ。

他の絵本セットとの決定的な違い

実は購入前、他の人気絵本セットと徹底的に比較していた。その結果がこちら:

比較項目 赤ちゃんしかけ絵本3冊セット A社 定番絵本セット B社 知育絵本セット
価格 4,536円(送料無料) 5,500円(送料別) 6,980円(送料込)
対象年齢 0〜2歳特化 0〜3歳 6ヶ月〜
視覚発達考慮 ◎ 研究ベース △ 一般的配慮 ○ 部分的
しかけの種類 3種類(鏡・スライド・折りたたみ) なし 1種類(めくり)
持ち運び ◎ コンパクト設計 △ 大判サイズ ○ 標準サイズ

価格だけ見れば最安値ではない。しかし、「0〜2歳」という限定的な時期に特化していることが、逆に強みだと感じた。

予想外だった「副作用」

購入から3ヶ月。当初は考えもしなかった変化が起きている。

まず、夫が積極的に育児に参加するようになった。これまで「何をしても泣き止まない」と諦めていた夫が、絵本を使えば娘と遊べることに気づいたのだ。

そして何より、私自身の育児ストレスが激減した。泣き止まない時の「切り札」があるという安心感は、想像以上に大きい。

赤ちゃんしかけ絵本セット

正直な不満点もある

もちろん、完璧な商品ではない。

まず、耐久性の問題。特に「あおい よるの ゆめ」のスライド部分は、1日10回以上動かすとやや動きが渋くなってきた。赤ちゃんの力でも動かせる設計ゆえの宿命かもしれない。

また、3冊という数も微妙だ。娘が慣れてくると、もう少しバリエーションが欲しくなる。単品購入も可能だが、セット価格のお得感を考えると躊躇してしまう。

それでも選ばれ続ける理由

児童館で出会ったママ友の一人が、興味深いことを言っていた。

「スマホやタブレットに頼らずに、子どもを夢中にさせられるものって本当に少ない」

確かに、デジタルデバイスなら簡単に子どもの注意を引ける。でも0〜2歳という脳の基礎が作られる時期に、本当にそれでいいのか?

このセットの価値は、単に「泣き止む」「集中する」だけではない。親子のコミュニケーションツールとして、また脳の発達を促す教材として、長期的な視点で見れば十分に元が取れる投資だと思う。

購入を迷っている方へのアドバイス

よく聞かれるのが「うちの子に合うか分からない」という不安。確かに、全ての赤ちゃんに100%効果があるわけではない。

ただ、私が実感したのはタイミングの重要性だ。生後3ヶ月では早すぎたかもしれないし、1歳を過ぎると物足りないかもしれない。でも、6〜10ヶ月のゴールデンタイムに使えば、驚くほどの反応が見られる可能性が高い。

また、出産祝いとしても重宝する。実際、私も友人の出産祝いに2セット購入した。ギフトバッグ付きなので、そのまま渡せるのも嬉しいポイントだ。

ワールドライブラリー赤ちゃん絵本

最後に—あの朝4時の記憶

今でも朝4時に目が覚めることがある。でも、もう恐怖ではない。

枕元に置いた絵本を手に取り、眠そうな娘に見せると、小さな手が本に伸びてくる。鏡に映った自分の顔を見て、にっこり笑う。その笑顔を見ていると、早朝の授乳も苦ではなくなった。

育児に正解はない。でも、科学的根拠に基づいたツールを使うことで、少しだけ楽になることもある。

4,536円。コーヒー1杯300円として、約15杯分。毎日のように使うことを考えれば、決して高い買い物ではなかったと今は思う。

もし、あなたも赤ちゃんとのコミュニケーションに悩んでいるなら。もし、スマホ以外で子どもを夢中にさせる方法を探しているなら。

この3冊が、きっと新しい扉を開いてくれるはずだ。