入社3日目、上司から「こんなコードで納品するつもりか!」と怒鳴られ、画面が涙で滲んだ。

それが私とプログラミングスクール「TechElite(テックエリート)」との出会いだった。正確に言えば、TechEliteの講師が演じる「上司役」からの叱責だったのだが、その瞬間は本当の職場で怒られているような恐怖を感じた。

あれから3ヶ月。今では月60万円の案件を受注し、クライアントから「納品が早くて助かる」と言われるまでになった。でも、ここに至るまでの道のりは決して平坦ではなかった。

なぜ私は普通のプログラミングスクールを選ばなかったのか

正直に告白すると、最初はもっと優しく教えてくれるスクールを探していた。某有名スクールの「3ヶ月で転職成功率98%!」という広告に心が動いたこともある。

でも、エンジニアの友人から聞いた一言が私の考えを変えた。

「スクール卒業生って、現場で使えないんだよね」

その言葉がずっと頭に残っていた。確かに、転職はできるかもしれない。でも、転職先で「使えない新人」として扱われたら? そう考えると、甘い環境で学ぶことへの不安が大きくなっていった。

TechEliteの「地獄の3ヶ月」で何が起きたのか

初日のオリエンテーションで言われた言葉は今でも覚えている。

「あなたたちは今日から私の部下です。実際の職場と同じように扱います」

最初の課題は、LP(ランディングページ)の制作だった。HTMLとCSSの基礎は独学で少し触っていたので、「これなら大丈夫」と思っていた。

しかし、提出したコードに対するフィードバックは容赦なかった。

  • 「このインデントの統一性のなさは何?」
  • 「レスポンシブ対応が中途半端。スマホで見たら崩れてる」
  • 「コメントが少なすぎて、他の人が見たら理解できない」

正直、心が折れそうになった。独学では「動けばOK」だと思っていたものが、実務では全く通用しないことを思い知らされた瞬間だった。

毎日の進捗管理がもたらした変化

TechEliteの特徴的なシステムの一つが、毎日の進捗報告だ。Slackで「今日は〇〇まで完了予定」と朝一番に報告し、夜には実際の進捗を報告する。

最初はこれが本当に苦痛だった。予定通りに進まない日が続き、「申し訳ありません、〇〇の実装で躓いて...」という言い訳じみた報告を繰り返していた。

でも、2週間ほど経つと変化が起きた。自分の作業速度が把握できるようになり、現実的な計画が立てられるようになったのだ。これは今でも仕事で役立っている。

実際の進捗報告の例:
朝:「本日はヘッダーのレスポンシブ対応とセクション2のコーディングを完了予定」
夜:「ヘッダー完了。セクション2は70%完了。明日午前中には終わらせます」

他のスクールとの違いを実感した瞬間

2ヶ月目に入ると、課題の難易度が急激に上がった。WordPressのカスタマイズや、JavaScriptを使った動的な機能の実装が求められるようになった。

この頃、別のスクールに通っている知人と話す機会があった。彼女は某大手プログラミングスクールで学んでいたが、話を聞いて驚いた。

項目 TechElite A社スクール B社スクール
講師の現役度 現役エンジニア100% 元エンジニアが中心 専任講師(非現役)
フィードバック 実務レベルで厳格 優しく丁寧 定型的なアドバイス
進捗管理 毎日必須 週1回 自己管理
受講料(3ヶ月) 約40万円〜 約60万円 約30万円

彼女は「講師が優しくて質問しやすい」と言っていたが、同時に「実際の仕事でこのレベルで大丈夫なのか不安」とも漏らしていた。

正直、TechEliteが向いていない人もいる

ここまで読んで「厳しそう...」と感じた方もいるだろう。実際、TechEliteは万人向けではない

受講期間中、同期の中には途中で辞めてしまった人もいた。特に印象的だったのは、「もっと基礎からゆっくり教えてほしい」と言っていた女性だ。彼女は2週間で姿を消してしまった。

TechEliteが合わない人の特徴

  • 自分のペースでゆっくり学びたい人
  • 優しいフィードバックを求める人
  • プレッシャーに弱い人
  • 趣味でプログラミングを学びたい人

逆に、以下のような人には強くおすすめできる

  • 本気で実務レベルのスキルを身につけたい人
  • 厳しい環境で自分を追い込める人
  • 即戦力として活躍したい人
  • フリーランスを目指している人

卒業後の変化と収入の実態

3ヶ月の受講期間を終えて、私は当初の目標だった「フリーランスエンジニア」として活動を始めた。

最初の案件獲得は思ったより早かった。TechEliteで作成したポートフォリオを見せると、クライアントから「これ本当に未経験者が作ったの?」と驚かれた。

現在の収入内訳を赤裸々に公開すると:

月収内訳(フリーランス4ヶ月目)

  • ・LP制作(3件):18万円
  • ・WordPress構築(2件):25万円
  • ・既存サイトの保守:8万円
  • ・JavaScriptカスタマイズ:9万円
  • 合計:60万円

正直、この収入は運が良かった部分もある。同期の中には、まだ月20万円程度の人もいる。ただ、全員に共通しているのは「実際に仕事として通用するレベル」で卒業できていることだ。

受講を検討している人へ伝えたいこと

TechEliteの受講料は決して安くない。私が受講した「Webシステム制作パック」は、割引適用後でも928,000円だった。

「高すぎる」と思うかもしれない。実際、私も最初はそう思った。

でも、今振り返ると、この投資は十分にペイしている。受講料は約3ヶ月で回収できた計算になる。

費用対効果を冷静に考える

他のスクールなら半額程度で受講できるかもしれない。でも、卒業後に実務で通用しなければ意味がない

私の知人で、別の格安スクールを卒業した人がいるが、彼は今でも「実務経験を積むため」と称して、時給1,000円でインターンをしている。一方、TechElite卒業生の私は、時給換算で約3,750円で働いている。

TechEliteの隠れた魅力

公式サイトには書かれていないが、受講して気づいた魅力がいくつかある。

1. 講師陣のガチ度が異常

私を担当してくれた講師は、昼間は某大手IT企業でテックリードをしている現役バリバリのエンジニアだった。深夜1時にSlackで質問しても、朝6時には詳細な回答が返ってくる。

「いつ寝てるんですか?」と聞いたら、「エンジニアは不眠不休が基本」と冗談めかして言っていたが、この熱量は他のスクールでは味わえないだろう。

2. 卒業生コミュニティの質

TechEliteには非公式の卒業生Slackがある。ここでは案件の相談や技術的な質問が飛び交っているが、レベルが高い。

先日も「Reactでこういう実装したいんだけど...」という質問に、10分で3つの解決策が提示された。しかも全て実務で使えるレベルの回答だった。

3. キャッシュバック制度の存在

最終課題を期限内に高品質でクリアすると、3万円のキャッシュバックがある。これは意外と知られていない。

ただし、このハードルは相当高い。私の代では20人中3人しかクリアできなかった。でも、このインセンティブがあることで、最後まで全力で取り組めた。

受講前に知っておきたかったこと

もし過去の自分にアドバイスできるなら、以下のことを伝えたい。

1. 事前学習は必須

「初心者OK」とは書いてあるが、全くの未経験で飛び込むのは危険だ。最低でもProgateのHTML/CSSコースくらいは終わらせておくべき。

私は多少の経験があったが、それでも最初の1ヶ月は地獄だった。完全未経験の同期は、補講を受けながら必死についていく状態だった。

2. 家族の理解を得ておく

受講期間中は、本当に時間がない。平日は仕事終わりから深夜2時まで、週末は朝から晩まで課題に取り組んでいた。

パートナーがいる人は、事前に「3ヶ月は修行期間」として理解を得ておくことを強く勧める。

3. メンタルケアの準備

厳しいフィードバックに慣れていない人は、メンタルがやられる可能性がある。私も何度か「向いてないのかも...」と落ち込んだ。

そんな時は、「これは実務の練習」と割り切ることが大切だ。実際の職場ではもっと厳しい要求が来ることもある。

最後に:覚悟を決めた人だけが得られるもの

TechEliteでの3ヶ月は、人生で最も苦しく、そして最も成長した期間だった。

毎日のように「できない自分」と向き合い、講師からの容赦ないフィードバックに心が折れそうになりながらも、なんとか最後までやり遂げた。

その結果、得られたものは計り知れない。技術力はもちろん、「実務で通用する自信」を手に入れた。これは、優しい環境では決して得られないものだ。

もしあなたが「本気でエンジニアとして食っていきたい」と思っているなら、TechEliteは最高の選択肢の一つだ。ただし、生半可な覚悟では続かない。

入社3日目に泣きそうになった私が、今では月60万円を稼げるようになった。これが全てを物語っている。

覚悟はできているか?