朝6時。泣き叫ぶ息子の前で、私は途方に暮れていました。テーブルには手つかずの離乳食。床には投げ捨てられたスプーン。もう3日間、まともに食事をとってくれません。

「このままでは栄養失調になってしまう...」

そんな時、ママ友から聞いた「赤ちゃんが自分から手を伸ばすベビーフード」の話を思い出しました。半信半疑で注文したのが、今回レビューする「てでもぐ」との出会いです。

てでもぐとは?実際に1年半使い続けた母親の視点から

てでもぐは、手づかみ食べに特化した日本初の宅配ベビーフードです。0歳から安心して与えられる固形タイプで、赤ちゃんが自分の手で掴んで食べることを前提に開発されています。

一般的な離乳食との決定的な違い

市販の離乳食といえば、瓶詰めやレトルトパウチがほとんど。スプーンで与えることが前提です。でも、てでもぐは違います。

  • 俵型のおにぎり形状で、小さな手でも握りやすい
  • 適度な硬さで崩れにくく、でも歯茎で潰せる絶妙な食感
  • 1個あたりのサイズが大きめで、満足感がある
  • 冷凍保存で必要な分だけ解凍できる

正直、最初は「おにぎりで1個300円以上?高すぎる...」と思いました。でも、実際に届いてみると、その大きさと品質に納得。何より、息子が初めて自分から手を伸ばして食べた瞬間は、今でも忘れられません。

実際に使ってわかった、てでもぐの本当のメリット・デメリット

予想外だった5つのメリット

1. 食事時間が劇的に短縮
スプーンで「あーん」する必要がないので、準備から片付けまで15分で完了。働くママには本当にありがたい。

2. 外出先でも与えやすい
公園やカフェでも、おにぎりなら周りを汚さず食べさせられます。ベビーカーの中でも大丈夫。

3. 上の子も一緒に食べられる
3歳の長女も「赤ちゃんのおにぎりおいしい!」と横取り。兄弟で取り合いになるほど。

4. 保育園のお弁当に最適
海苔を巻けば立派なお弁当に。先生からも「食べやすそうですね」と好評でした。

5. 偏食の改善につながった
野菜嫌いだった息子が、てでもぐの野菜入りおにぎりは完食。自然と野菜を受け入れるように。

正直に伝えたい3つのデメリット

1. やはり価格は高め
1食あたり600円以上。毎食使うには経済的負担が大きいのが現実です。

2. 味のバリエーションが限定的
きなこ、かぼちゃ、さつまいもなど基本的な味が中心。もう少し種類があれば...

3. 配送エリアと頻度の制限
月1回の定期便が基本。急に必要になった時に対応できないのは不便。

他社サービスとの徹底比較!本当に選ぶべきはどれ?

同じような手づかみ食べ対応のベビーフードサービスと比較してみました。

項目 てでもぐ the kindest Mi+
価格/1食 約600円 約500円 約450円
形状 俵型おにぎり スティック状 キューブ状
対象月齢 9ヶ月〜 5ヶ月〜 7ヶ月〜
保存方法 冷凍 冷凍 常温
味の種類 6種類 20種類以上 15種類
握りやすさ ★★★★★ ★★★☆☆ ★★★★☆

価格だけ見ればMi+が最安ですが、握りやすさと食べやすさではてでもぐが圧倒的でした。特に9ヶ月〜1歳の赤ちゃんには、俵型が最適だと感じています。

てでもぐを1年半使って変わった、我が家の食事風景

導入前は食事の度に戦争状態でした。スプーンを投げる、器をひっくり返す、口を開けない...。1回の食事に1時間かかることも珍しくありませんでした。

でも今は違います。息子は自分でおにぎりを選び、嬉しそうに両手で持って食べます。「もぐもぐ」と言いながら咀嚼する姿は、本当に愛おしい。

予想外だったのは、食事への興味が全般的に高まったこと。てでもぐで「自分で食べる楽しさ」を知ってから、普通の食事も積極的に手づかみで食べるようになりました。

特に助かった3つのシーン

1. 職場復帰直後の慌ただしい朝
冷凍庫から取り出してレンジで1分。それだけで栄養満点の朝食が完成。

2. 実家への帰省中
クーラーボックスに入れて持参。おばあちゃんも「便利ね〜」と感心していました。

3. 体調不良で料理ができない日
私がダウンした日も、夫が簡単に与えることができて本当に助かりました。

てでもぐをおすすめできる人・できない人

こんな家庭には特におすすめ

  • 共働きで時間に余裕がない
  • 上の子もいて、赤ちゃんだけに時間をかけられない
  • 手づかみ食べを始めたいが、何から始めればいいか分からない
  • 市販の離乳食を食べてくれなくて困っている
  • 外出が多く、持ち運びしやすい離乳食を探している

正直おすすめしづらいケース

  • できるだけ食費を抑えたい
  • 手作りにこだわりがある
  • まだ手づかみ食べに興味を示していない(8ヶ月未満)
  • アレルギーが多く、原材料の選択肢が限られる

購入前に知っておきたい注意点と活用のコツ

1年半使い続けて分かった、公式サイトには書いていない本音の情報をお伝えします。

解凍方法で食感が変わる

電子レンジの解凍時間は要注意。600Wで50秒がベストでした。1分を超えると固くなり、40秒だと中が冷たいまま。この10秒の差が大きいんです。

コスパを上げる裏技

朝食だけ、外出時だけなど、シーンを限定して使うのがおすすめ。我が家は平日の朝食と週末の外出時に限定することで、月の出費を1万円以内に抑えています。

味のローテーション

同じ味が続くと飽きるので、3種類以上を常備してローテーション。きなこ→かぼちゃ→プレーン→きなこ...のサイクルが我が家の定番です。

最後に:てでもぐとの1年半を振り返って

あの絶望的な朝から1年半。今では息子は何でも手づかみで食べる、食事大好きな2歳児に成長しました。

てでもぐは決して安くはありません。でも、子どもが自分で食べる喜びを知り、食事を楽しむようになった姿を見ると、その価値は十分にあったと感じています。

特に印象的だったのは、保育園の先生から言われた一言。「〇〇くんは食事の時間になると、誰よりも早く席について待っているんですよ。食べることが本当に好きなんですね」

この言葉を聞いた時、てでもぐを選んで本当によかったと心から思いました。

もちろん、全ての赤ちゃんに合うわけではありません。価格の問題もあります。でも、もし今、離乳食で悩んでいるなら、一度試してみる価値はあると思います。

赤ちゃんが初めて自分の手でおにぎりを掴み、嬉しそうに口に運ぶ瞬間。その表情は、きっと一生の宝物になるはずです。

読者の方へ

この記事が、離乳食に悩む一人でも多くの親御さんの参考になれば幸いです。子育ては十人十色。正解はありません。でも、選択肢を知ることで、きっと最適な答えが見つかるはずです。