250粒入りの塩飴を10袋、つまり2500粒の塩飴を一度に注文したとき、配送員の困惑した表情が忘れられない。「お客様、これ全部塩飴ですけど...」と確認されたあの瞬間から、私の徳永薬局オンラインストアへの興味は始まった。

なぜ私がこんな大量の塩飴を購入したかというと、実は建設現場で働く義父のためだった。彼の会社では毎年夏になると熱中症対策として塩飴を大量購入しているが、今年は予想外の猛暑で在庫が底をついてしまったのだ。

徳永薬局オンラインストアとは?実店舗との違い

徳永薬局は関東を中心に北海道、九州まで約70店舗を展開する調剤薬局チェーンだ。私も地元の店舗は何度か利用したことがあるが、オンラインストアの存在を知ったのはつい最近だった。

実店舗との最大の違いは、薬剤師への相談機能がオンラインでは限定的という点だ。店舗では薬の飲み合わせや健康相談を気軽にできるが、オンラインストアではメールでの問い合わせのみ。返信も2-3営業日かかることがある。

なぜ塩飴を大量購入?価格比較で見えた意外な事実

義父の会社では毎年、某大手通販サイトで塩飴を購入していた。しかし今年は品薄で価格が高騰。そこで私が調査した結果が以下だ:

販売元 商品名 価格(税込) 1粒あたり
徳永薬局 天塩の塩あめ 10kg 19,980円 約8円
Amazon 類似商品A 28,500円 約11.4円
楽天市場 類似商品B 26,800円 約10.7円

1粒あたり3円以上の差は、2500粒で計算すると7,500円以上の差額になる。これは決して小さな金額ではない。

実際の注文から配送まで:予想外のトラブル

注文自体はスムーズだった。サイトのUIは古めかしいが、必要な機能は揃っている。クレジットカード決済も問題なく完了。しかし、配送で予想外の問題が発生した。

注文から3日後、配送業者から電話が入った。「お届け先の住所に10kgの荷物をお届けする予定ですが、エレベーターはありますか?」まさか塩飴でこんな確認が入るとは思わなかった。結局、配送員と一緒に4階まで運ぶことになった。

⚠️ 注意点:大量注文の場合、配送方法や荷物の重量について事前確認がない。10kg以上の注文をする場合は、自分から問い合わせることをおすすめする。

徳永薬局 vs マツモトキヨシ vs ウエルシア:オンラインストア徹底比較

地域密着型薬局のオンライン展開という観点で、他の薬局チェーンと比較してみた。

項目 徳永薬局 マツモトキヨシ ウエルシア
商品数 約500点 10,000点以上 約8,000点
送料 5,000円以上無料 1,980円以上無料 1,650円以上無料
独自商品 医療機関限定品あり PB商品多数 PB商品多数
薬剤師相談 メールのみ チャット対応 電話・メール
ポイント還元 なし 最大10% Tポイント連携

商品数やポイント還元では大手に劣るが、医療機関限定品の取り扱いは徳永薬局の大きな強みだ。例えば「キリン iMUSEプロフェッショナル プラズマ乳酸菌」は他では購入できない。

意外な発見:BTS関連商品の取り扱い

熱中症対策商品を探していて偶然見つけたのが、BTS TinyTanデフューザーの存在だった。薬局でK-POPグッズ?と最初は目を疑った。

調べてみると、これはアロマディフューザーとして販売されており、健康グッズのカテゴリーに入るらしい。価格は3,500円で、全7種類のメンバーバージョンがある。正直、この商品ラインナップのチグハグさには困惑した。

実際に使って感じたメリット・デメリット

メリット

  • 大量購入時の価格優位性:特に業務用としての利用では圧倒的にお得
  • 医療機関限定品の入手可能:通常のドラッグストアでは買えない商品がある
  • 実店舗との連携:オンラインで購入相談→店舗で詳細相談という流れが可能
  • 在庫の安定性:人気商品でも在庫切れが少ない(大手より競争が少ないため)

デメリット

  • サイトの使い勝手が悪い:検索機能が貧弱で、目的の商品を見つけにくい
  • 商品情報の不足:詳細な成分表示や使用方法の記載が不十分
  • 配送オプションの少なさ:日時指定の細かい設定ができない
  • 決済方法の限定:電子マネーやQR決済に非対応
  • レビュー機能なし:他の購入者の感想が確認できない

こんな人におすすめ・おすすめしない

おすすめできる人

  • 業務用として大量購入を検討している法人・個人事業主
  • 医療機関限定の健康食品を探している人
  • 実店舗も併用して薬剤師に相談したい人
  • 価格重視で、サイトの使い勝手は気にしない人

おすすめしない人

  • 少量購入で送料無料を求める人(5,000円以上購入が必要)
  • 豊富な品揃えから選びたい人
  • ポイント還元を重視する人
  • 最新のUI/UXを求める人

購入後のフォローアップ:地域薬局ならではの対応

塩飴を大量購入してから2週間後、徳永薬局の実店舗から電話があった。「先日は大量のご注文ありがとうございました。熱中症対策でお使いとのことですが、他にも効果的な商品がございます」という内容だった。

正直、最初は営業電話かと思ったが、話を聞いてみると熱中症対策の正しい知識や、塩飴以外の対策商品について丁寧に説明してくれた。これは大手通販では絶対にない対応だ。

総評:地域密着型薬局のオンライン化の現在地

徳永薬局のオンラインストアは、正直なところ「完成度の高いECサイト」とは言えない。UIは古く、機能も限定的だ。しかし、実店舗との連携や医療機関限定品の取り扱い、大量購入時の価格優位性など、独自の強みも確かに存在する。

特に印象的だったのは、オンラインで完結させようとするのではなく、あくまで実店舗の延長線上にオンラインストアを位置付けている点だ。これは弱みでもあり、強みでもある。

地域の薬局がオンライン化する意味とは何か。それは単に商品を売るためのチャネルを増やすことではなく、地域住民との新しい接点を作ることなのかもしれない。私の義父の会社も、この件をきっかけに地元の徳永薬局店舗と熱中症対策の相談をするようになった。

デジタル化が進む中で、こうした「不完全だけど温かみのある」サービスの存在意義を、改めて考えさせられる経験だった。

まとめ:徳永薬局オンラインストアの特徴

  • 大量購入時のコストパフォーマンスは優秀
  • 医療機関限定品など独自商品あり
  • サイトの使い勝手は改善の余地大
  • 実店舗との連携が最大の強み
  • 地域密着型ならではの温かい対応