「え、うちの子の写真集がAmazonで売られてる!?」スマホの画面を見た母の驚愕の声は、今でも鮮明に覚えている。まさか愛犬の写真が、あの天下のAmazonで書籍として販売される日が来るなんて。しかも国会図書館に半永久的に保存されるという事実を知った時の衝撃は、言葉では表現できない。

私が「うちのこ写真集」を知ったのは、愛犬のポメラニアン「もち」が13歳になった頃。スマホには7,000枚以上の写真が眠っていたが、見返すことはほとんどなかった。そんな時、このサービスの存在を知り、単なるフォトブックではなく正式な書籍として出版できるという点に強く惹かれた。

なぜ普通のフォトブックではダメだったのか

正直に告白すると、最初は某大手のフォトブックサービスで十分だと思っていた。1冊3,000円程度で作れるし、品質も悪くない。でも、ある出来事が私の考えを180度変えた。

友人の家で見せてもらった亡くなった愛犬のフォトブック。美しく仕上がっていたが、「これ、私が死んだら誰も見ないよね」という友人の一言が胸に刺さった。確かに、個人的な思い出の品は、本人以外には価値を見出しにくい。

その点、「うちのこ写真集」は違った。ISBNコードが付与された正式な書籍として、図書館や書店のデータベースにも登録される。つまり、私の存在が消えても、もちの写真集は「書籍」として残り続ける。

実際に利用して分かった予想外の真実

1. 写真選びで起きた家族会議の嵐

60枚の写真を選ぶ作業は、想像以上に大変だった。7,000枚から60枚。この選別作業に丸3日かかった。しかも、家族全員の意見が見事にバラバラ。

  • 父:「散歩中の凛々しい顔が最高」
  • 母:「寝顔の写真は外せない」
  • 私:「変顔シリーズも入れたい」
  • 弟:「子犬時代の写真多めで」

結局、家族投票制を導入。各自が推薦する写真を15枚ずつ選び、最終的に全員で協議。この過程で、忘れていた思い出話に花が咲き、写真1枚1枚に込められたストーリーを改めて共有できた。

2. 意外すぎる副産物:親戚からの注文殺到

Amazonで販売開始後、予想外の展開が待っていた。親戚や知人から次々と購入報告が。特に印象的だったのは、10年以上会っていない従姉妹からの連絡。

「もちちゃんの写真集、Amazonで見つけて即購入した!うちの子も写真集作りたい」

さらに驚いたのは、全く知らない人からの購入もあったこと。Amazonのレビューに「ポメラニアン好きにはたまらない一冊」と書かれているのを見つけた時は、嬉しさと同時に不思議な感覚に包まれた。

他社サービスとの徹底比較

実際に「うちのこ写真集」を利用する前に、複数のサービスを比較検討した。その結果を表にまとめた。

項目 うちのこ写真集 マイブック
(フォトブック)
文芸社
(自費出版)
初期費用 55,000円
(早割価格)
3,000円〜 300,000円〜
販売可否 Amazon販売可能 個人使用のみ 書店販売可能
ISBNコード あり なし あり
国会図書館納本 可能(選択制) 不可 可能
販売収益 1冊200円 なし 印税10%程度
制作期間 約2週間〜1ヶ月 1週間程度 3〜6ヶ月
ペット特化 ×

この比較から分かるのは、「うちのこ写真集」は一般的なフォトブックと本格的な自費出版の中間に位置するサービスだということ。価格面では確かに高額だが、得られる価値を考えると妥当だと感じた。

実際に体験して感じたメリット・デメリット

予想以上に良かった点

1. プロフェッショナルな仕上がり
正直、5万円台のサービスでどこまでの品質が期待できるか不安だった。しかし、届いた写真集を見て驚いた。A4スクエアサイズ、63ページフルカラーの立派な書籍。表紙のデザインも洗練されていて、本屋に並んでいても違和感がない。

2. SNS連携の効果
巻末にInstagramのQRコードを掲載できる機能は、想像以上に効果的だった。写真集を購入した人の中から、実際にフォロワーになってくれた人が複数いた。

3. 売上の社会貢献
売上の一部が保護犬猫支援に寄付される仕組み。自分のペットの幸せを形にしながら、困っている動物たちの助けにもなるという点は、心理的な満足度を大きく高めた

正直な不満点

1. 写真の編集機能が限定的
実際に利用した人のレビューにもあったが、人物が写り込んでいる写真のぼかし処理や切り取りができない。私も家族と一緒に写っている写真を使いたかったが、プライバシーの観点から諦めざるを得なかった。

2. コメント挿入ができない
各写真に短いコメントやエピソードを添えたかったが、その機能がなかった。写真だけのページが続くため、ストーリー性に欠ける部分がある。

3. 初期費用のハードル
早割でも55,000円という価格は、気軽に試せる金額ではない。実際、友人数名に勧めたが、価格を聞いて躊躇する人が多かった。

国会図書館への納本という選択

このサービスの最大の特徴である国会図書館への納本。最初はそれほど重要視していなかったが、実際に納本手続きを選択して良かったと心から思っている。

なぜなら、ペットの寿命は人間より短い。もちも既に高齢犬の域に入っている。いずれ訪れる別れの時、その存在が国の機関に永久保存されているという事実は、想像以上に心の支えになる。

友人の一人は冗談交じりに「100年後の人が図書館でもちの写真集を見つけて『2025年の日本にはこんなかわいい犬がいたんだ』って思うかもしれないね」と言った。荒唐無稽に聞こえるかもしれないが、そんな可能性があること自体が、なんだか嬉しい

実際の制作過程で学んだコツ

写真選びの極意

7,000枚から60枚を選ぶ過程で編み出した方法を共有したい。

  1. カテゴリー分け:子犬期、成犬期、シニア期など時系列で分類
  2. テーマ設定:寝顔、遊び、散歩、季節ごとなどテーマ別に整理
  3. バランス配分:各カテゴリーから均等に選出
  4. 第三者視点:家族以外の人にも意見を求める

特に効果的だったのは、「もし自分がこの犬を知らない人だったら」という視点で選ぶこと。家族だけで選ぶと、思い出補正で客観性を失いがちだ。

制作期間の実態

公式サイトでは「約1週間〜1カ月」とあるが、私の場合は以下のようなスケジュールだった。

  • 申込み:4月15日
  • 写真送付:4月18日(3日間かけて選定)
  • デザイン確認:4月25日
  • 修正依頼:4月26日
  • 最終確認:4月28日
  • Amazon販売開始:5月5日
  • 写真集到着:5月7日

トータルで約3週間。思ったよりスムーズだったが、GW期間を挟んだため若干遅れた可能性もある。

販売実績と収益の現実

5月から10月までの約5ヶ月間の実績を正直に公開する。

  • 紙の書籍:23冊(売上4,600円)
  • 電子書籍:8冊(売上1,600円)
  • Kindle Unlimited:約3,000ページ読まれて推定600円
  • 合計収益:約6,800円

初期投資55,000円を回収するには程遠いが、それでも全く知らない人が購入してくれたという事実は、お金には代えられない価値がある。

興味深いのは、購入者の約半数が親族や知人以外だったこと。Amazonの「ペット写真集」カテゴリーで上位表示されたことで、ポメラニアン好きの人たちの目に留まったようだ。

こんな人におすすめ・おすすめしない

特におすすめしたい人

  • ペットとの思い出を特別な形で残したい人
  • 将来的な喪失への心の準備をしたい人
  • 家族や親戚にプレゼントしたい人
  • ペットの存在を社会的に記録したい人
  • 単なる自己満足を超えた価値を求める人

正直におすすめしない人

  • コスパ重視で考える人
  • 短期的な利益を求める人
  • デジタルデータで十分と考える人
  • 写真編集機能を重視する人
  • 即座に元を取りたい人
うちのこ写真集サンプル

総合的な評価と今後の期待

「うちのこ写真集」を利用して半年が経過した今、改めて振り返ると、このサービスの真の価値は「出版」という行為そのものにあると感じる。

確かに55,000円は安くない。しかし、以下の要素を総合的に考えると、価格以上の価値があった。

  1. 家族の絆を深める体験(写真選びでの思い出共有)
  2. 社会的な記録としての価値(ISBN取得・国会図書館納本)
  3. 予期せぬつながり(知らない購入者との接点)
  4. 心理的な安心感(ペットの存在が永続的に残る)
  5. 社会貢献(保護犬猫支援への寄付)

一方で、改善してほしい点もある。特に写真へのコメント機能簡易的な画像編集機能は、多くのユーザーが望んでいる機能だろう。

最後に:迷っている人へのアドバイス

もし今、あなたが「うちのこ写真集」を検討していて迷っているなら、一つだけ質問したい。

「10年後、20年後にペットの写真をどうやって見返していますか?」

スマホのデータは機種変更で消えるかもしれない。クラウドサービスは会社が倒産するかもしれない。でも、国会図書館に納本された書籍は、理論上永遠に残る。

私の場合、もちがいなくなった後でも、図書館に行けばいつでも会えるという事実が、大きな心の支えになっている。それだけでも、55,000円の価値は十分にあった。

ただし、あくまで個人の価値観によるということは強調しておきたい。フォトブックで十分という人もいれば、もっと本格的な自費出版を選ぶ人もいるだろう。

重要なのは、ペットとの思い出をどう残したいかという自分なりの答えを見つけること。その答えが「書籍として出版したい」なら、このサービスは最適な選択肢の一つだと、自信を持って言える。

うちのこ写真集の実例

追記:2冊目の制作を決めた理由

実は現在、2冊目の制作を進めている。1冊目は「もちの成長記録」がテーマだったが、2冊目は「もちと家族の絆」をテーマに、家族との写真を中心に構成する予定だ。

1冊目の反省を活かし、事前に写真を厳選。プライバシー処理が必要な写真は、あらかじめ加工してから送付することにした。

なぜ2冊目を作ろうと思ったか。それは、1冊目が完成してから、今まで以上に写真を撮るようになったから。「これも写真集に入れたい」という視点で日常を見るようになり、何気ない瞬間も大切に記録するようになった。

結果的に、「うちのこ写真集」は単なる思い出の保存ではなく、現在進行形でペットとの時間を大切にするきっかけにもなったのだ。

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