充電地獄から解放された日。バッテリーレスWiFiという選択肢がもたらした想定外の自由
朝6時。出張先のホテルで目が覚めた瞬間、昨夜充電し忘れたポケットWiFiの電源が切れていることに気づいた。重要なオンライン会議まであと2時間。この瞬間、私は「もう充電に縛られる生活は限界だ」と心底思った。
そんな時に出会ったのが、バッテリーレスという概念だった。正直、最初は「そんなものが実用的なわけがない」と疑っていた。しかし、実際に使ってみると...
充電という概念が消えた新世代WiFi「AiR-stick」の衝撃
34グラム。USBメモリとほぼ同じ重さの端末が、私のWiFi生活を根本から変えた。AiR-WiFiが新たに投入したバッテリーレス端末「AiR-stick」は、従来のモバイルWiFiの常識を完全に覆す存在だった。
ノートPCのUSBポートに挿すだけ。モバイルバッテリーに繋ぐだけ。車のUSB充電器に挿すだけ。この「だけ」の連続が、どれほど日常を楽にするか。実際に使い始めて3週間、私は一度も「充電」という行為をしていない。
最新規格WiFi6がもたらす想像以上の快適さ
バッテリーレスだけでも革命的なのに、このAiR-stickはWiFi6に対応している。理論値だけの話ではない。実際に計測してみた結果がこれだ:
| 測定環境 | 下り速度 | 上り速度 | Ping値 | 
|---|---|---|---|
| 東京都内オフィス街 | 42.3Mbps | 18.7Mbps | 28ms | 
| 郊外カフェ | 38.1Mbps | 15.2Mbps | 31ms | 
| 新幹線車内(移動中) | 25.6Mbps | 12.3Mbps | 45ms | 
特に印象的だったのは、複数デバイスを同時接続した時の安定性だ。ノートPC、スマホ、タブレットの3台を同時に接続しても、体感速度の低下はほとんど感じなかった。
従来型のバッテリー内蔵端末「AiR-1」も侮れない
とはいえ、すべての人にバッテリーレスが最適というわけではない。外出先で電源確保が難しい場合や、複数人でシェアする場合は、やはりバッテリー内蔵型の方が便利だ。
AiR-WiFiは、この点もしっかり考慮している。AiR-1という従来型の端末も用意されており、こちらは約130gと軽量ながら、画面付きで操作性も良好だ。
実際、私も出張時はAiR-1を使うことがある。特に便利なのが、画面に表示されるQRコードでの接続機能。初めて使う人でも、スマホでQRを読み取るだけで簡単に接続できる。これは地味だが、非常に実用的な機能だ。
月額1,958円という価格設定の真実
正直に言おう。最初は「安すぎて怪しい」と思った。大手キャリアの無制限プランが月額7,000円前後する中、月額1,958円(税込)で20GBというのは、どう考えても破格だ。
しかし、実際に使ってみて分かったのは、これが「オンライン専用プラン」として無駄を徹底的に省いた結果だということ。店舗を持たない、サポートは基本的にオンライン、端末も必要最小限の機能に絞る。この割り切りが、この価格を実現している。
100GBプランでも月額3,377円の衝撃
さらに驚いたのは、100GBプランでも月額3,377円(税込)という価格設定だ。100GBあれば、以下のような使い方が可能だ:
- YouTube視聴:約163時間(1日約5時間)
- Netflix視聴:約330時間(1日約10時間)
- Spotify音楽再生:約25,000曲
- LINE通話:約5,550時間(ほぼ無制限)
私の場合、仕事でのビデオ会議、移動中の動画視聴、音楽ストリーミングを含めても、月80GB前後の使用量だった。つまり、100GBあれば余裕を持って使える。
1ヶ月お試しモニターで分かった意外な落とし穴
AiR-WiFiには「1ヶ月お試しモニター」という制度がある。これは素晴らしいシステムだが、実は注意点もある。
まず、返却処理手数料1,100円とクリーニング・メンテナンス費用1,870円が発生する。合計2,970円(税込)。これを「高い」と見るか「安い」と見るかは人それぞれだが、私は「実機を1ヶ月試せる費用」としては妥当だと感じた。
ただし、契約期間なしオプション(月額330円)を付けると、このお試しモニターは適用外になる。この点は要注意だ。私は最初これを見落としていて、危うく失敗するところだった。
競合他社との冷静な比較
AiR-WiFiを検討する上で、避けて通れないのが競合サービスとの比較だ。私は実際に3社のサービスを使い比べてみた。
| サービス名 | 月額料金(税込) | データ容量 | 特徴 | 
|---|---|---|---|
| AiR-WiFi | 1,958円〜3,377円 | 20GB〜100GB | バッテリーレス端末選択可 | 
| WiMAX +5G | 4,268円〜 | 無制限※ | 高速通信、3日15GB制限あり | 
| Mugen WiFi | 3,718円 | 100GB | 30日間返金保証 | 
WiMAXは確かに高速で無制限※だが、3日で15GBという制限があり、実質的には月150GB程度が上限となる。また、地下や建物内での電波の入りが悪いという弱点もある。
Mugen WiFiは100GBで3,718円と、AiR-WiFiより若干高い。30日間返金保証は魅力的だが、AiR-WiFiの1ヶ月お試しモニターも実質的には同じような制度だ。
解約の柔軟性という隠れた価値
モバイルWiFiを選ぶ上で、意外と重要なのが解約のしやすさだ。AiR-WiFiの場合、13ヶ月目、26ヶ月目、39ヶ月目は解約金0円という仕組みになっている。
これは地味だが、非常に良心的な設計だ。技術の進化が速い現代において、2年縛りは長すぎる。1年ごとに見直しの機会があるのは、ユーザーにとって大きなメリットだ。
さらに、契約期間なしオプション(月額330円)を付ければ、いつでも解約金0円になる。安心オプション(月額660円)と同時加入すれば、契約期間なしオプションは実質0円。これは賢い選択肢だと思う。
3ヶ月使って感じた本音のデメリット
ここまで良い点ばかり書いてきたが、もちろんデメリットもある。正直に書こう。
1. サポートがオンラインのみ
電話サポートがない。これは人によっては大きなデメリットだろう。私も最初、設定で少し戸惑った時、電話で聞きたいと思った。ただ、メールサポートの返信は思ったより早く、翌日には回答が来た。
2. 速度制限時は128Kbps
100GBを使い切ると、速度は128Kbpsに制限される。これは正直、使い物にならないレベルだ。テキストメールがギリギリ、という感じ。ただ、100GBを使い切ること自体が稀だとは思うが。
3. バッテリーレス端末の制約
AiR-stickは確かに革新的だが、電源がないと使えない。カフェでコンセントが使えない席だと困る。また、スマホだけを持ち歩きたい時には使えない。
どんな人にAiR-WiFiは向いているのか
使ってみて分かった、AiR-WiFiが特に向いている人の特徴:
- ノートPCメインで作業する人:バッテリーレス端末の恩恵を最大限受けられる
- 月のデータ使用量が100GB以下の人:ほとんどの人はこれで十分
- 初期費用を抑えたい人:端末代0円、送料0円は大きい
- 契約に縛られたくない人:解約の柔軟性は他社より優れている
- 都市部に住んでいる人:電波の入りは問題ない
逆に、以下のような人には向かないかもしれない:
- 月100GB以上使う人(動画配信者など)
- 山間部や離島など、電波環境が厳しい地域の人
- 対面でのサポートを重視する人
- 常に最高速度を求める人
申し込み前に知っておくべき重要ポイント
実際に申し込んで分かった、公式サイトだけでは分かりにくいポイントをまとめておく。
1. 初期費用について
「端末代0円」だが、初期事務手数料3,300円(税込)は必要。これは他社も同じなので、特別高いわけではない。
2. 発送タイミング
「最短翌日発送」は本当だった。私の場合、月曜日の午前11時に申し込んで、火曜日の午後に届いた。ただし、土日祝日を挟むと遅れる可能性がある。
3. 解約申請の締切
毎月20日が締切。21日以降の申請は翌月末での解約になる。これは要注意。私の友人がこれで1ヶ月分余計に払うことになった。
まとめ:充電から解放される新しい選択肢
バッテリーレスという概念に最初は懐疑的だった私だが、今では手放せない存在になっている。特に、ノートPCでの作業が多い人にとって、充電を気にしなくていいというのは、想像以上に大きな価値がある。
月額1,958円から始められる手軽さ、1ヶ月のお試し期間、そして何より「充電」という日常的なストレスからの解放。これらを総合的に考えると、AiR-WiFiは十分に検討する価値があるサービスだと感じた。
ただし、万能ではない。自分の使用スタイル、データ使用量、活動エリアをしっかり考えた上で選択することが重要だ。幸い、1ヶ月お試しモニターがあるので、まずは実際に使ってみることをおすすめする。
技術は日々進化している。バッテリーレスWiFiは、その進化の一つの形だ。この新しい選択肢が、あなたのデジタルライフをより快適にする可能性は、十分にあると私は考えている。
 
                            
                            

 
                                     
                                    