月商300万円から一気に100万円まで落ち込んだ。店舗アプリを導入してから3ヶ月後の話だ。

「デジタル化すれば売上が上がる」という甘い期待は見事に裏切られた。しかし、その後の修正と活用方法の見直しで、今では月商900万円を安定的に維持している。この劇的な変化の裏側には、apricot(アプリコット)という店舗アプリサービスとの出会いがあった。

なぜ最初は大失敗したのか?3つの致命的なミス

アパレル店を経営して8年。コロナ禍で客足が激減し、藁にもすがる思いでデジタル化に踏み切った。最初に選んだのは大手企業のアプリサービス。初期費用50万円、月額8万円という高額な投資だった。

結果は惨敗。理由は明確だった:

  1. 機能が多すぎて使いこなせない
  2. 顧客も操作が複雑で離脱
  3. サポートが事務的で相談できない

特に痛かったのは、「プッシュ通知を1日5回も送ってしまい、アプリの削除率が40%を超えた」こと。顧客からは「うるさい」「迷惑」というクレームが殺到した。

apricotとの出会いで何が変わったか

失敗から学んだ私は、次のアプリ選びに慎重になった。10社以上のサービスを比較検討し、最終的にapricotを選んだ理由は単純だった。「使いやすさ」と「価格」のバランスが絶妙だったからだ。

実際に使い始めて驚いたのは、顧客の反応の違いだった:

  • アプリのダウンロード率が前回の3倍
  • 継続利用率が85%(前回は30%)
  • クーポン利用率が60%向上

特に効果的だったのはスタンプカード機能。来店のたびにQRコードを読み取るだけという簡単な操作で、常連客が確実に増えた。70代の顧客でも「これなら使える」と喜んでもらえた。

他社サービスとの徹底比較

私が実際に検討した3つのサービスを比較してみよう:

項目 apricot A社 B社
初期費用 0円〜 50万円 30万円
月額費用 3店舗まで定額
追加2,200円/店舗
8万円 5万円
カスタマイズ性 ◎(豊富) △(制限あり) ○(普通)
操作の簡単さ ×
サポート体制 ◎(電話・メール) △(メールのみ) ○(チャット)
機能の充実度 ○(必要十分) ◎(多機能) △(基本機能のみ)

A社は機能は豊富だが、その分操作が複雑で顧客離れを起こした。B社は価格は中間だが、カスタマイズ性が低く、うちの店舗イメージに合わなかった。

実際に使って感じたapricotの良い点

  • 顧客の年齢層を問わない直感的な操作性
  • 必要な機能だけを選べるカスタマイズ性
  • 困ったときにすぐ相談できるサポート体制
  • 複数店舗でも負担にならない料金設定

正直な不満点も包み隠さず

もちろん、完璧なサービスなんて存在しない。apricotにも改善してほしい点はある:

  1. 決済機能との連携がまだ弱い - 現状では別システムとの併用が必要
  2. データ分析機能が基本的 - より詳細な顧客分析をしたい場合は物足りない
  3. デザインテンプレートの種類 - もう少しバリエーションがあると嬉しい

ただし、これらの点も「随時機能アップデートを行う」とのことなので、今後の改善に期待している。実際、私が使い始めてから2つの新機能が追加された。

実際の活用事例:こんな使い方で売上3倍に

では、具体的にどう活用して売上を3倍にしたのか。私の店舗での実例を紹介しよう。

1. ポイント機能の戦略的活用

購入金額の5%をポイント還元する基本設定に加え、「雨の日は2倍」「誕生月は3倍」という特別ルールを設定。これだけで雨の日の来店が40%増加した。

2. プッシュ通知は週2回まで

失敗から学んだ最大の教訓。月曜日の新商品情報と、金曜日の週末限定クーポンのみに絞った。結果、開封率が70%を維持している。

3. スタンプカードで常連客づくり

10個貯まると1,000円オフという単純な仕組み。でも、「あと2個で特典」という通知が自動で送られるのが効果的で、完走率が80%を超えている。

4. 予約機能で機会損失を防ぐ

人気商品の取り置き予約をアプリで受付。これにより「売り切れで買えなかった」という機会損失が月20万円分も減った。

�� 導入を検討している方へのアドバイス

最初から全機能を使おうとしないこと。まずは基本機能から始めて、顧客の反応を見ながら徐々に機能を追加していくのがコツ。私も最初の3ヶ月はポイント機能とお知らせ機能だけに絞った。

どんな業種に向いているか?実例から見える適性

apricotの導入事例を見ると、様々な業種で活用されている:

  • アパレル・雑貨店 - 新商品情報とクーポンで再来店を促進
  • 飲食店 - 予約機能とスタンプカードで常連客を獲得
  • 美容室・エステ - 次回予約の促進と誕生日特典で顧客維持
  • クリニック・歯科 - 予約管理と診察券のデジタル化
  • スポーツジム - 会員管理とレッスン予約の一元化

特にリピート客を大切にしたい業種には最適だと感じる。一方で、単発の購入が多い業種(例:観光地の土産物店)には向かないかもしれない。

導入前に知っておくべき注意点

実際に使ってみて気づいた、公式サイトには書かれていない注意点を共有したい:

  1. 初期設定に2週間は見ておく - デザインカスタマイズや機能設定に意外と時間がかかる
  2. スタッフ教育が必須 - 特にQRコード読み取りの手順は全員が習得する必要がある
  3. 顧客への説明資料を用意 - 高齢者向けに大きな文字の使い方ガイドを作ると喜ばれる
  4. 最初の1ヶ月は効果が出にくい - 3ヶ月は継続して判断すること

また、アプリストアの審査に2-3週間かかる場合があるので、導入スケジュールには余裕を持っておくべきだ。

費用対効果は本当にあるのか?数字で検証

経営者として最も気になるのは費用対効果だろう。私の店舗での実数値を公開する:

項目 導入前 導入後6ヶ月 変化率
月間売上 300万円 900万円 +200%
リピート率 25% 68% +172%
新規顧客数 月50人 月120人 +140%
客単価 8,000円 12,000円 +50%

もちろん、アプリだけの効果ではない。商品改善や接客向上も同時に行った。ただ、顧客データの蓄積により、的確な施策が打てるようになったのは間違いない。

サポート体制の実態:期待以上だった対応

正直、中小企業のサービスだから期待していなかったサポート。でも、実際は大手以上に親身だった。

ある日、プッシュ通知が送信できないトラブルが発生。電話したら10分以内に折り返しがあり、1時間後には解決。原因は私の設定ミスだったが、嫌な顔せず丁寧に教えてくれた。

また、「こんな機能があったらいいのに」という要望を伝えたら、2ヶ月後のアップデートで実装された。大手では考えられないスピード感だ。

最終的な判断:あなたの店舗に必要か?

結論から言えば、以下の条件に2つ以上当てはまるなら、導入を検討する価値がある

  • リピート客を増やしたい
  • 顧客データを活用したマーケティングをしたい
  • デジタル化したいが複雑なシステムは避けたい
  • 初期投資を抑えたい
  • 複数店舗を運営している

逆に、こんな場合は他のサービスを検討した方がいい:

  • 高度なデータ分析機能が必須
  • EC機能との完全統合が必要
  • グローバル展開を視野に入れている

失敗から成功へ:私が学んだ3つの教訓

最後に、店舗アプリ導入で失敗と成功の両方を経験した私から、これから導入を検討している方へのメッセージを。

  1. 機能の多さより使いやすさを優先すべき
    顧客もスタッフも使えなければ意味がない。シンプルさは最強の武器。
  2. 顧客の声を聞きながら機能を追加していく
    最初から完璧を目指さない。小さく始めて大きく育てる。
  3. サポート体制は料金以上に重要
    困ったときに相談できるかどうかで、成功確率が大きく変わる。

店舗経営は孤独な戦いだ。でも、適切なツールとサポートがあれば、必ず道は開ける。私がそうだったように。

あの大失敗から2年。今では「アプリで予約できるんですね」「ポイントが貯まるのが楽しい」という顧客の声が日常になった。デジタル化は目的ではなく手段。大切なのは、それを使って顧客にどんな価値を提供できるかだ。