月曜の朝、私は会社のデスクで頭を抱えていました。

「また今週も、プロジェクトの進捗会議で2時間...メールでのタスク確認に1時間...Excel更新に30分...」

計算してみると、毎月150時間以上をプロジェクト管理の「作業」に費やしていたことに気づいたのです。本来のプロジェクト推進ではなく、ただの管理作業に。

そんな時、同僚から「Backlogって知ってる?」と聞かれました。正直、最初は「また新しいツールか...」と思いました。でも、3ヶ月使った今、あの時試してみて本当に良かったと心から思っています。

なぜ私はBacklogを選んだのか?恥ずかしい失敗談から始まった

実は、Backlogを使う前に大きな失敗をしました。

当時管理していた新製品開発プロジェクトで、Excelでタスク管理をしていたんです。メンバー15人分のタスクを色分けして、進捗をパーセンテージで...まあ、よくある光景ですよね。

ある日、クライアントから「現在の進捗状況を教えてください」と連絡が。私は自信満々に「順調に進んでいます!」と回答しました。

ところが...実際にメンバーに確認すると、3つの重要タスクが完全に停滞していたんです。Excelは更新されておらず、メールでの連絡も埋もれていて...

結果、納期を2週間延期することに。クライアントからの信頼は地に落ち、チームの士気も最悪でした。

Backlogの第一印象:「これ、本当に日本製?」

失敗の後、必死でプロジェクト管理ツールを探しました。AsanaやTrello、Jiraなど、有名どころは一通り試しました。

でも、どれも「なんか違う」んです。英語ベースで作られているから、日本の仕事の進め方とズレがあるというか...

そんな時に出会ったのがBacklog。最初にログインした時の印象は「シンプルすぎて不安」でした。

海外製ツールのような派手さはありません。でも使い始めて30分後、「あ、これだ」と感じました。

直感的に理解できる課題管理

Backlogでは、タスクのことを「課題」と呼びます。最初は違和感がありましたが、使っているうちに納得しました。

「タスク」だと単なる作業のイメージですが、「課題」だと解決すべき問題として捉えられる。この微妙な違いが、チームの意識を変えるんです。

課題を作成する画面もシンプル。必要最小限の項目だけで、30秒あれば課題登録が完了します。

3ヶ月使って分かった、Backlogの本当の実力

正直に言います。最初の1週間は「本当にこれで大丈夫?」と不安でした。

でも、2週間目から変化が現れました。

1. ガントチャートが予想以上に使える

私、実はガントチャートって嫌いだったんです。作るのに時間がかかるし、更新が面倒で...

でもBacklogのガントチャートは違いました。課題を登録すると自動的にガントチャートに反映されるんです。

しかも、ドラッグ&ドロップで期間を調整できる。依存関係の設定も簡単。気づいたら、毎朝ガントチャートを確認するのが習慣になっていました。

Backlogのガントチャート画面

2. Git連携で開発チームが激変

うちの開発チーム、GitHubを使っていたんですが、コミットメッセージが適当で...

「fix」「update」「修正」みたいなメッセージばかりで、何を修正したのか全然分からない状態でした。

BacklogのGit連携を使い始めてから、コミットメッセージに課題キー(例:PROJ-123)を含めるだけで、自動的に課題と紐付くようになりました。

開発者も「このコミットがどの課題を解決するためのものか」を意識するようになり、コミットメッセージの質が劇的に向上しました。

3. Wiki機能が意外な救世主に

最初は「Wiki?いらないでしょ」と思っていました。

でも、プロジェクトの仕様書や議事録をWikiにまとめ始めたら、チームの動きが変わりました。

「あの仕様どうだったっけ?」「前回の会議で何決まったっけ?」という質問が激減。情報を探す時間が1日30分は減ったと思います。

でも、完璧じゃない。Backlogの弱点も正直に話します

3ヶ月使って、いくつか「ここはちょっと...」という点も見つかりました。

1. カスタマイズ性の限界

AsanaやJiraと比べると、カスタマイズできる範囲は限られています。

例えば、カスタムフィールドの種類が少ない。ワークフローも基本的なものしか設定できません。

複雑なプロジェクト管理をしたい企業には物足りないかもしれません。

2. モバイルアプリがイマイチ

スマホアプリもあるんですが、正直使いにくいです。

通知確認くらいならいいんですが、課題の編集とかは結局PCでやることになります。

外出が多い営業職の方には不便かもしれません。

3. 大規模プロジェクトでのパフォーマンス

課題が1000件を超えるような大規模プロジェクトだと、少し動作が重くなることがあります。

検索も時間がかかるようになるので、定期的にプロジェクトを分割する必要があります。

Backlog vs Asana vs Trello:実際に3つとも使った私の本音比較

「で、結局どれがいいの?」という声が聞こえてきそうなので、実際に使った3つのツールを比較してみました。

比較項目 Backlog Asana Trello
月額料金(10人で利用) 12,980円〜 13,200円〜 5ドル/人(約7,500円)
使いやすさ ★★★★★
日本人向けUI
★★★☆☆
機能が多すぎて複雑
★★★★☆
シンプルで分かりやすい
ガントチャート
標準機能で使いやすい

タイムライン機能として

有料プラグインが必要
Git連携
自社Git機能あり

GitHub連携のみ

Power-Up経由
Wiki機能
標準装備
×
なし
×
なし
カスタマイズ性
基本的な項目のみ

高度なカスタマイズ可

Power-Upで拡張
学習コスト 低い
1週間で習得
高い
1ヶ月は必要
とても低い
即日使える
日本語サポート
完全日本語対応

英語メイン

UIは日本語化

私の結論:チームの規模と目的で選ぶべき

Backlogが向いている会社:

  • 10〜50人規模の日本企業
  • 開発チームがある
  • シンプルで使いやすいツールを求めている
  • 日本語サポートが必須

Asanaが向いている会社:

  • 大企業や外資系企業
  • 複雑なワークフローが必要
  • グローバルチームで働いている
  • 高度なレポート機能が必要

Trelloが向いている会社:

  • 5人以下の小規模チーム
  • カンバン方式が好き
  • とにかくシンプルがいい
  • 予算が限られている

実際の導入手順:失敗しないための5つのステップ

私が実際にBacklogを導入した時の手順を共有します。これで失敗する確率はかなり減るはずです。

ステップ1:無料トライアルで小さく始める

いきなり全社導入は危険です。まず、5人程度の小さなチームで30日間の無料トライアルを始めましょう。

私の場合、最初は開発チーム5人だけで始めました。小さく始めることで、問題点を早期に発見できます

ステップ2:既存のタスクを移行しない

これ、すごく重要です。既存のタスクを全部移行しようとすると、絶対に挫折します。

新しいプロジェクトから使い始めて、徐々に慣れていくのがコツです。

ステップ3:ルールは最小限に

最初から細かいルールを作ると、誰も使わなくなります。

私たちが最初に決めたルールは3つだけ:

  • 課題には必ず担当者を設定する
  • 期限日は必ず設定する
  • 完了したら必ずステータスを変更する

これだけでも、プロジェクト管理の質は大幅に向上しました。

ステップ4:週次レビューを習慣化

毎週金曜日の30分、チームでBacklogの画面を見ながらレビューする時間を作りました。

ガントチャートで遅れている課題を確認し、来週の優先順位を決める。たったこれだけで、プロジェクトの成功率が上がりました。

ステップ5:成功体験を共有する

「Backlogのおかげで納期に間に合った」「課題の見落としがなくなった」など、小さな成功体験を社内で共有しましょう。

これが他部署への展開につながります。

料金プランの選び方:私が「スタンダードプラン」を選んだ理由

Backlogには4つのプランがあります:

  • フリープラン:10人まで無料(機能制限あり)
  • スターター:2,640円/月(30人まで)
  • スタンダード:12,980円/月(無制限)
  • プレミアム:21,780円/月(無制限+高度な機能)

私たちは最初スタータープランでしたが、すぐにスタンダードプランに変更しました。

理由はガントチャート機能です。スタータープランにはガントチャートがないんです。

最初は「ガントチャートなんていらない」と思っていましたが、使ってみると手放せなくなりました。プロジェクトの全体像が一目で分かるのは、想像以上に価値があります。

3ヶ月後の変化:数字で見る改善効果

Backlog導入から3ヶ月。具体的にどう変わったか、数字でお見せします。

測定項目 導入前 導入後 改善率
プロジェクト管理にかかる時間/週 35時間 8時間 77%削減
タスクの見落とし件数/月 平均8件 平均1件 87.5%削減
納期遅延率 32% 8% 75%改善
チーム内コミュニケーション満足度 45% 82% 82%向上

特に嬉しかったのは、残業時間が月平均20時間減ったこと。プロジェクト管理が効率化されると、本来の仕事に集中できるんです。

予想外の副次効果:チームの雰囲気が変わった

数字には現れない変化もありました。

以前は「あのタスク、誰がやってるんだっけ?」「進捗どうなってる?」という確認のやり取りが多く、ギスギスした雰囲気になることも。

Backlogを使い始めてから、全員が今何をやっているか可視化されたことで、無駄な確認が減りました。

さらに、課題にコメントをつける文化が生まれ、「お疲れ様!」「ありがとう!」といったポジティブなやり取りが増えました。

ツールを変えただけで、チームの雰囲気まで良くなるとは思いませんでした。

Backlogが合わない会社の特徴

ここまでポジティブな話が多かったですが、Backlogが合わない会社もあります。

1. 超大規模プロジェクトを扱う会社

1000人以上が関わるような巨大プロジェクトには向いていません。JiraやAzure DevOpsの方が適しています。

2. 高度なカスタマイズが必須の会社

業界特有の複雑なワークフローがある場合、Backlogでは対応しきれない可能性があります。

3. 海外メンバーが多い会社

UIは英語対応していますが、やはり日本製ツール。グローバルスタンダードとは少し違います。

導入を検討している方へ:最後にお伝えしたいこと

プロジェクト管理ツールの導入って、正直面倒です。新しいことを覚える必要があるし、チームの抵抗もあるでしょう。

でも、今のまま非効率な方法を続けるコストを考えてみてください。

私の場合、月150時間の無駄。年間にすると1800時間。時給3000円で計算すると、年間540万円分の時間を無駄にしていたことになります。

Backlogの料金なんて、この無駄に比べたら微々たるものです。

完璧なツールなんてありません。でも、現状を少しでも改善したいなら、まず一歩踏み出すことが大切です。

30日間の無料トライアルがあるので、リスクはありません。私のように、予想外の発見があるかもしれませんよ。

あの月曜日の朝、頭を抱えていた自分に言いたい。「早くBacklog使えよ」って。

みなさんのプロジェクトが、少しでもスムーズに進むことを願っています。