「障害者雇用で年収が下がる」という常識が崩壊した瞬間―私が転職で給料を1.5倍にできた理由
車椅子生活になって3年。前職の年収は450万円から280万円まで落ちていた。「障害者枠は給料が安い」―この言葉を何度聞いたか分からない。でも、今の私の年収は680万円。障害を持つ前よりも高い。
その転機となったのが、株式会社U三という身体障害者専門の人材紹介会社との出会いだった。正直、最初は半信半疑だった。「また障害者向けの福祉的な就労支援か」と。しかし、実際に利用してみて、その認識は完全に間違っていたことを思い知らされた。
U三が他の障害者向け転職サービスと決定的に違う3つの理由
障害者の転職支援サービスは山ほどある。私も5社以上に登録した経験がある。でもU三だけが違っていた。何が違うのか?
1. 「福祉」ではなく「ビジネス」として扱われる感覚
他社では「障害があっても働けるところを探しましょう」という姿勢が基本だった。でもU三のキャリアアドバイザーは違った。「あなたのスキルならもっと高い条件で転職できます」と言い切った。
実際、私のエンジニアとしての経験を細かくヒアリングし、車椅子でも問題なく業務ができる環境の企業を、給与水準を下げることなく探してくれた。
2. 成果報酬型だからこそのモチベーション
U三は完全成果報酬型のサービス。つまり、転職が成功しなければ企業側も費用が発生しない。だからこそ、本気で良い条件の転職先を探してくれる。
「とりあえず就職させればいい」という姿勢の支援機関とは、根本的にモチベーションが違う。私の年収が上がれば、彼らの報酬も上がる。このWin-Winの関係性が、結果的に良い転職につながった。

3. バリアフリーハンターという革新的なスカウトサービス
転職活動をしていなくても、企業側からスカウトが来る「バリアフリーハンター」。これが本当に画期的だった。
普通の転職サイトのスカウトとは違い、最初から障害があることを前提とした企業からのオファーが来る。「障害を隠して面接に行き、後で打ち明ける」という精神的に辛いプロセスが一切ない。
実際の転職活動で感じたメリットとデメリット
メリット:予想以上にスムーズだった転職プロセス
登録から内定まで、わずか2ヶ月。これは障害者枠での転職としては異例の速さだ。通常、障害者雇用の転職は半年以上かかることも珍しくない。
- 初回面談:1時間半のオンライン面談(車椅子での移動不要)
- 求人紹介:1週間以内に15社の求人を紹介
- 書類選考:8社通過(通過率53%)
- 面接:5社実施(すべてバリアフリー環境を事前確認済み)
- 内定:3社から獲得
特に印象的だったのは、面接場所のバリアフリー環境を事前に確認してくれたこと。エレベーターの有無、多目的トイレの場所、最寄り駅からのルートまで、詳細な情報を事前に教えてくれた。
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デメリット:対象者が限定される現実
ただし、U三にも限界はある。まず、身体障害者に特化しているため、精神障害や発達障害の方は対象外。また、地域も主に関東・関西圏が中心で、地方の求人は少ない。
さらに、ある程度のスキルや経験がないと、高条件での転職は難しい。私の場合、エンジニアとしての10年の経験があったからこそ、年収アップが実現できた。未経験からの転職には向いていないかもしれない。
他社サービスとの比較:本当の違いは何か
障害者向け転職サービスは数多くあるが、実際に利用してみた3社と比較してみる。
| 項目 | U三 | A社(大手総合型) | B社(障害者特化型) |
|---|---|---|---|
| 対象障害 | 身体障害のみ | 全障害対応 | 全障害対応 |
| 求人数 | 少ない(厳選) | 多い | 普通 |
| 平均年収 | 400-800万円 | 250-500万円 | 200-400万円 |
| サポート体制 | 専任担当制 | チーム制 | 専任担当制 |
| スカウト機能 | あり(バリアフリーハンター) | なし | なし |
| 料金 | 無料 | 無料 | 無料 |
数字を見れば一目瞭然だが、U三の扱う求人の年収帯が明らかに高い。これは身体障害者に特化し、かつビジネススキルのある人材に絞っているからだ。

利用して分かった「向いている人」と「向いていない人」
U三が向いている人
- 身体障害(車椅子、義足、視覚障害など)がある
- 現在の年収を下げたくない、むしろ上げたい
- 専門スキルや管理職経験がある
- 関東・関西圏で転職を考えている
- 障害を隠さずにオープンに転職活動したい
U三が向いていない人
- 精神障害・発達障害・知的障害がある(対象外)
- 未経験からの転職を希望している
- 地方での転職を考えている
- とにかく早く、どこでもいいから就職したい
- 福祉的な支援を求めている
特に「障害者だから給料が安くても仕方ない」という考えを持っている人には向いていない。U三は、障害があってもビジネスパーソンとして正当に評価されることを前提としたサービスだからだ。
実際の転職成功事例:私以外の利用者の声
私だけでなく、U三を通じて転職した他の方の事例も聞くことができた。
「脊髄損傷で車椅子生活になって5年。前職では年収350万円でしたが、U三経由で大手IT企業に転職し、年収550万円になりました。リモートワーク中心なので、通勤の負担も減りました」(30代男性・エンジニア)
「先天性の下肢障害がありますが、営業職として15年のキャリアがあります。U三のバリアフリーハンターでスカウトを受け、外資系企業の営業マネージャーに。年収は800万円を超えました」(40代女性・営業)
共通しているのは、障害を言い訳にせず、自分のスキルで勝負しているという点だ。
登録から内定までの具体的な流れ
実際にU三を利用する際の流れを、私の経験を基に詳しく説明する。
STEP1:Web登録(所要時間:約10分)
基本情報、障害の状況、職歴、希望条件を入力。他社と違い、障害に関する質問が非常に具体的だった。車椅子の種類、必要な配慮、通勤可能な距離など、実務的な内容が中心。
STEP2:キャリアアドバイザーとの面談(1.5時間)
オンラインでの面談。障害の話よりも、これまでのキャリアや今後のビジョンについて深く聞かれた。「障害者としてではなく、一人のビジネスパーソンとして扱われている」と感じた瞬間だった。
STEP3:求人紹介と応募(1-2週間)
面談から3日後に最初の求人紹介。各企業のバリアフリー対応状況が詳細に記載されていた。エレベーターの有無だけでなく、社内の移動距離、休憩スペースの配置まで。
STEP4:面接対策と企業面接(2-4週間)
各企業に合わせた面接対策を実施。特に「障害に関する質問への答え方」は、ネガティブにならず、かつ必要な配慮を適切に伝える方法を丁寧に指導してもらった。
STEP5:内定と条件交渉(1週間)
3社から内定を獲得。U三のアドバイザーが年収交渉を代行してくれた。結果、最初の提示額から50万円アップでの入社が決定。

バリアフリーハンターの威力:待つだけで優良企業からオファー
転職が決まった今でも、バリアフリーハンターには登録したままにしている。なぜなら、市場価値を常に把握できるから。
先月も某有名企業から「年収900万円」でのスカウトが届いた。今の職場に満足しているので断ったが、自分の市場価値が上がっていることを実感できた。
バリアフリーハンターの特徴:
- 企業は最初から障害があることを理解した上でスカウト
- オファー年収が明記されている
- リモートワーク可否、バリアフリー環境が事前に分かる
- 返信義務はない(気に入らなければスルーOK)
1年後の今、振り返って思うこと
U三を通じて転職してから1年。年収は680万円から720万円にさらにアップした。でも、それ以上に大きかったのは「障害者」ではなく「エンジニア」として評価される環境で働けていること。
確かに、車椅子での通勤は大変だ。でも、会社はフレックスタイム制を導入し、リモートワークも週3日認めてくれている。障害への配慮と、プロフェッショナルとしての期待。この両立ができる企業と出会えたのは、U三のおかげだ。
最後に:「障害者雇用=低賃金」の固定観念を捨てよう
障害者の法定雇用率が上がり続ける今、企業は「数合わせ」ではなく「戦力」としての障害者採用を始めている。特に2024年4月から法定雇用率が2.5%に引き上げられ、2026年には2.7%になる。
この変化の中で、スキルを持つ障害者の市場価値は確実に上がっている。問題は、その価値を正当に評価してくれる企業と、どうやって出会うか。
U三は、その答えの一つだ。完璧なサービスではない。対象者は限定的だし、地方の求人は少ない。でも、身体障害があってもキャリアアップを諦めたくない人には、試す価値がある。
私のように、障害を負ってから「人生終わった」と思っている人がいるなら、伝えたい。選択肢は、思っているよりずっと多い。大切なのは、その選択肢を知ること。そして、一歩踏み出す勇気を持つことだ。