朝5時45分、江坂駅前。まだ薄暗い中、私はGANTTGOLFの入り口に立っていた。「本当に朝6時から開いているのか?」半信半疑だった私の目の前で、自動ドアがスーッと開いた瞬間の衝撃は今でも忘れられない。

それまで週末の打ちっぱなしでしか練習できなかった私にとって、出勤前の1時間で本格的な練習ができる場所の存在は革命的だった。しかも、3ヶ月後には飛距離が平均15ヤードも伸びるなんて...

なぜ江坂のこの施設を選んだのか

正直に告白すると、最初は「インドアゴルフなんて所詮シミュレーター遊び」と軽く見ていた。屋外の打ちっぱなしで風を感じながら打つのが本物のゴルフ練習だと信じていた私にとって、室内での練習は邪道にさえ思えた。

しかし、ある雨の日の出来事が私の考えを180度変えた。予約していた打ちっぱなしが雨で使えなくなり、仕方なく立ち寄ったのがGANTTGOLF江坂店だった。

最初の一球を打った瞬間、画面に表示された詳細なデータに驚愕した。ヘッドスピード、ボール初速、打ち出し角度、スピン量...今まで「なんとなく」で打っていた自分のスイングが、数値として丸裸にされた瞬間だった。

実際に3ヶ月通い続けて分かった本音

想像以上だった点

まず驚いたのは、GOLFZON WAVEという弾道測定器の精度だ。ドップラーレーダーと赤外線センサーの組み合わせにより、ドライバーからパターまですべてのショットを正確に計測してくれる。特に印象的だったのは、アプローチショットでのスピン量表示。今まで「なんとなく止まりそう」と感覚で打っていたショットが、具体的な数値で確認できるようになった。

そしてARTRAY-Swingのスイング映像の美しさには本当に感動した。シャフトのしなりやフェースの向きが止まった映像で確認できるため、自分のスイングの問題点が一目瞭然になる。YouTubeで見るプロのスイングと自分のスイングを比較しながら練習できるのは、インドアならではの利点だった。

また、完全個室という環境の快適さは予想以上だった。隣の打席を気にせず、自分のペースで集中して練習できる。恥ずかしい話だが、最初の頃は空振りも多かった私にとって、人目を気にせず練習できる環境は本当にありがたかった。

期待外れだった点

一方で、いくつか期待外れだった点もある。まず、予約の取りにくさ。特に平日の18時〜21時の時間帯は激戦区で、1週間前から予約しないとほぼ取れない。通い放題プランとはいえ、同時予約は1コマまでという制限があるため、計画的な利用が必要だ。

また、ボールの質感の違いも最初は違和感があった。実際のコースで使うボールとは異なる練習用ボールのため、特にアプローチの距離感を掴むのに時間がかかった。これは慣れの問題でもあるが、完全にリアルな練習環境とは言い難い部分だ。

他施設との比較で見えた真実

GANTTGOLF江坂店を利用する前に、実は他の施設も検討していた。実際に体験した上での比較をまとめてみた。

施設名 GANTTGOLF江坂店 ゴルフパフォーマンス江坂 インドアゴルフスクール江坂
営業時間 6:00〜25:00 10:00〜22:00 9:00〜21:00
月額料金(通い放題) 13,200円 16,500円 19,800円
測定機器 GOLFZON WAVE Trackman SkyTrak
打席環境 完全個室(3打席) 半個室(5打席) オープン(8打席)
予約の取りやすさ △(人気時間帯は困難) ○(比較的取りやすい) ◎(余裕あり)
設備の新しさ ◎(2023年リニューアル) ○(2021年オープン) △(2019年オープン)

この比較から分かるのは、GANTTGOLFは営業時間の長さと設備の充実度では圧倒的だが、予約の取りやすさでは課題があるということ。特に早朝・深夜練習を希望する人にとっては、他に選択肢がないのが現実だ。

具体的な利用シーンと効果

早朝練習の威力

私の場合、週3回の早朝練習(6:30〜7:20)を3ヶ月続けた結果、驚くべき変化が起きた。まず、ドライバーの平均飛距離が210ヤードから225ヤードに伸びた。これはGOLFZON WAVEのデータ分析により、自分のスイングの問題点(ダウンブローが強すぎてスピン量が多い)を発見し、改善できたからだ。

朝の静かな環境で集中して練習できるのも大きなメリットだった。頭がクリアな状態でスイング理論を実践し、その日の仕事にも良い影響を与えた。まるで朝のランニングのような感覚で、ゴルフ練習が日常のルーティンになった。

仕事帰りの「ちょい練」

もう一つ効果的だったのが、仕事帰りの30分練習。疲れた状態でのスイングは力みやすく、それが逆に「力を抜いて打つ」練習になった。ARTRAY-Swingの映像で確認すると、疲れている時ほどスムーズなスイングができていることに気づいた。これは大きな発見だった。

料金プランの選び方と注意点

実際に利用して分かった料金プランの選び方のコツを共有したい。

通い放題プラン(月額13,200円)が向いている人

  • 週2回以上確実に通える人
  • 早朝や深夜の時間帯を活用したい人
  • 短時間でも頻繁に練習したい人

私の場合、週3回×月12回利用で、1回あたり1,100円という計算になった。屋外の打ちっぱなしが1回2,000円程度かかることを考えると、データ分析付きでこの価格は破格だと感じる。

デイプラン(月額5,478円)の落とし穴

一見お得に見えるデイプランだが、レッスン会員限定という制約がある。また、平日10:00〜15:00という時間制限は、一般的な会社員にはほぼ利用不可能。フリーランスや主婦の方なら検討の価値はあるが、それでもレッスン料金との合算を考える必要がある。

3ヶ月間の総括と今後

GANTTGOLF江坂店での3ヶ月間を振り返ると、インドアゴルフに対する偏見が完全に覆された期間だった。確かに、青空の下で打つ爽快感は味わえない。しかし、効率的な上達という観点では、インドアゴルフの方が圧倒的に優れていることを身をもって体験した。

特に印象的だったのは、ある雨の土曜日。外の打ちっぱなしは中止になったが、GANTTGOLFでは快適に3時間みっちり練習できた。その日、初めて7番アイアンで150ヤードキャリーを達成した時の感動は忘れられない。

ただし、万人におすすめできるかと言われれば、正直なところ疑問もある。予約の取りにくさ、インドア特有の距離感の違い、そして何より「ゴルフは自然の中でするもの」という価値観を持つ人には合わないかもしれない。

それでも、本気で上達したい人、時間を有効活用したい人、データに基づいた練習をしたい人にとって、GANTTGOLF江坂店は間違いなく選択肢の一つになるはずだ。

私自身、今後も利用を続ける予定だ。次の目標は、ドライバーの飛距離240ヤード。GOLFZON WAVEのデータを見ながら、まだまだ改善の余地があることを実感している。

朝6時の静寂な練習場で、今日も新しい発見が待っている。