時給1,550円、完全在宅、週4日からOK。条件だけ見れば理想的な在宅ワークのはずだった。

しかし、フジ子さんで働き始めて3ヶ月目、私は本気で辞めることを考えていた。理由は単純。「こんなに大変だとは思わなかった」からだ。

募集要項には書かれていない現実、他のオンラインアシスタントサービスとの決定的な違い、そして私が結局継続を決めた理由について、包み隠さず書いていく。

フジ子さんの仕事は想像以上にハードだった

最初の1週間で、私は自分の甘さを痛感した。

「事務作業なんて楽勝」と思っていた私に待っていたのは、1日に5社以上のクライアント対応という現実だった。しかも、それぞれ異なる業界、異なるツール、異なる作業手順。頭の切り替えが追いつかない。

特に辛かったのは、クライアントごとに求められるスキルレベルが全く違うこと。ある企業では「Excel初級レベルでOK」と言われていたのに、実際に依頼された作業はVLOOKUPやピボットテーブルを駆使する中級以上の内容だった。

他社サービスと比較して分かったフジ子さんの特殊性

私は過去に「CASTER BIZ」と「HELP YOU」でも働いた経験がある。その経験から、フジ子さんの特徴を比較表にまとめた。

項目 フジ子さん CASTER BIZ HELP YOU
時給 1,150円〜1,550円 900円〜1,200円 1,000円〜1,300円
最低稼働時間 週4日×4時間〜 週3日×3時間〜 週10時間〜
クライアント数 複数同時対応 基本1〜2社 チーム制で分担
研修期間 約1ヶ月(有給) 2週間(無給) 1週間(有給)
必要スペック メモリ8GB以上、i5以上 特に指定なし メモリ4GB以上

表を見ると分かる通り、フジ子さんは時給が最も高い。しかし、その分求められるものも多い。特に「複数クライアント同時対応」は、慣れるまで本当に大変だった。

辞めたいと思った3つの瞬間

1. クライアントからの「これくらいできますよね?」攻撃

「Webデザインできますか?」と聞かれて「基本的なバナー作成なら」と答えたら、いきなりLP(ランディングページ)全体のデザインを依頼された。しかも納期は3日後。

断ることもできたが、評価に響くのではないかという不安から、必死でYouTubeで勉強しながら対応した。結果的に納品はできたが、時給換算すると500円以下。割に合わない。

2. 営業時間内の拘束感

「在宅で自由に」というイメージとは裏腹に、実際は平日9:00〜18:00の間での稼働が必須。子供の急な発熱や、自分の体調不良時の調整が想像以上に難しかった。

特に困ったのは、Webカメラでの顔出しミーティング。すっぴんNGなので、朝から化粧をしなければならない。在宅なのに出社しているような感覚になることも。

3. 想定外の業務範囲

「事務作業」と聞いて想像していたのは、データ入力や書類作成程度。しかし実際には、経理補助として仕訳入力をしたり、翻訳作業で専門用語と格闘したり、動画編集でAdobeソフトを使ったりと、守備範囲の広さに圧倒された

それでも私が継続を決めた理由

3ヶ月目に本気で辞めようと思った私が、なぜ今も続けているのか。転機となったのは、ある先輩アシスタントからの一言だった。

「最初の3ヶ月は誰でも地獄。でも、そこを超えたら見える景色が変わるよ」

半信半疑だったが、確かに4ヶ月目から状況が変わり始めた。

スキルの向上が収入に直結する喜び

複数の業務をこなすうちに、自然とスキルが身についていった。特にExcelは、3ヶ月前には使えなかった関数やマクロまで扱えるようになった。その結果、時給が1,150円から1,400円にアップした。

他社では、どんなにスキルが上がっても時給はほとんど変わらない。でもフジ子さんは違った。頑張りが正当に評価される環境があった。

チームワークの素晴らしさ

最初は孤独を感じていた在宅ワークだが、Slackでの情報共有や、定期的なオンラインミーティングを通じて、仲間意識が芽生えていった。困った時は助け合い、成功体験は共有する。そんな温かい職場環境があることに気づいた。

フジ子さんで成功するための5つのコツ

8ヶ月働いて分かった、フジ子さんで長く続けるためのコツを共有したい。

1. 最初から完璧を目指さない

「できません」と言うことを恐れず、できる範囲で最善を尽くす。無理をして引き受けた仕事でミスをするより、正直に能力を伝える方が信頼される。

2. 時間管理ツールを活用する

複数クライアントの対応には、Togglなどの時間管理ツールが必須。どの作業にどれだけ時間をかけたか可視化することで、効率化できる部分が見えてくる。

3. 積極的に質問する

分からないことは恥ずかしがらずに質問。Slackでの質問に対して、先輩アシスタントたちは驚くほど親切に答えてくれる。

4. 得意分野を作る

全てを満遍なくできる必要はない。私の場合、PowerPointでの資料作成が得意になったことで、その分野の案件が優先的に回ってくるようになった。専門性が評価につながる

5. 休息をしっかり取る

在宅だからこそ、仕事とプライベートの境界線が曖昧になりがち。意識的に休憩を取り、週末は完全にオフにすることで、長期的に続けられる。

フジ子さんが向いている人、向いていない人

向いている人

  • マルチタスクが苦にならない人
  • 新しいスキルを学ぶことに抵抗がない人
  • 自己管理能力が高い人
  • チームワークを大切にできる人
  • 収入アップを目指したい人

向いていない人

  • 一つの作業に集中したい人
  • 指示待ちタイプの人
  • 時間にルーズな人
  • 新しいツールやシステムへの適応が苦手な人
  • すぐに高収入を期待する人

実際の収入と働き方

現在、私は週5日、1日6時間稼働で月収約20万円を得ている。内訳は以下の通り:

  • 基本時給:1,400円
  • 月間稼働時間:約120時間
  • 総収入:168,000円
  • スキルアップボーナス:約20,000円
  • 合計:約188,000円

正直、最初の3ヶ月は時給1,150円で、月収15万円程度だった。しかし、スキルの向上とともに着実に収入は上がっている。

フジ子さんの隠れたメリット

募集要項には書かれていないが、実際に働いて気づいたメリットがいくつかある。

1. 幅広い業界知識が身につく

IT企業、製造業、サービス業など、様々な業界のクライアントと仕事をすることで、ビジネス全般の知識が自然と身につく。これは、将来のキャリアにも必ず役立つ。

2. 最新のツールやシステムに触れられる

クライアントごとに使用するツールが異なるため、Slack、Notion、Asana、Trelloなど、様々なツールの使い方を学べる。市場価値の高いスキルが身につく。

3. 正社員登用の可能性

実は、優秀なアシスタントには正社員への道も開かれている。私の知る限り、過去に3名が正社員として採用された。安定を求める人にとっては大きなメリットだ。

応募前に知っておくべき注意点

フジ子さんで働くことを検討している人に、事前に知っておいてほしい点がある。

初期投資が必要

パソコンのスペックが厳しく設定されているため、古いPCでは対応できない。私は15万円かけて新しいノートPCを購入した。また、Microsoft 365の契約も必須なので、年間約15,000円の出費がある。

選考プロセスが長い

応募から採用まで約1ヶ月。Web面接、スキルテスト、トライアウトと、段階が多い。特にトライアウトでは実際の業務を体験するため、無給で10時間程度の作業が必要。この期間を乗り越える覚悟が必要だ。

契約更新のプレッシャー

1年ごとの自動更新とはいえ、パフォーマンスが低い場合は更新されない可能性もある。常に一定以上の成果を出し続ける必要がある。

他社サービスとの決定的な違い

CASTER BIZやHELP YOUと比較して、フジ子さんの最大の特徴は「成長できる環境」だと感じる。

他社では、決められた作業を淡々とこなすことが多い。しかしフジ子さんでは、クライアントのニーズに応じて新しいスキルを身につける機会が豊富にある。それは大変だが、同時にやりがいでもある。

また、時給の上限が高いのも魅力。CASTER BIZの最高時給1,200円に対し、フジ子さんは1,550円。長期的に見れば、収入面での差は大きい。

まとめ:フジ子さんは覚悟を持って挑戦すべき仕事

「在宅で楽に稼げる」という甘い期待は捨てた方がいい。フジ子さんの仕事は、想像以上にハードで、スキルも求められる。

しかし、その分得られるものも大きい。スキルアップ、収入アップ、そして何より「どこでも通用する実力」が身につく。

最初の3ヶ月は本当に辛かった。でも今では、あの時辞めなくて良かったと心から思っている。もし、本気でスキルを身につけたい、在宅でしっかり稼ぎたいという覚悟があるなら、フジ子さんは挑戦する価値のある仕事だ。

ただし、楽な仕事を求めている人には向かない。それだけは断言できる。