スマホが勝手に速度制限?300GBプランでも足りなかった私が見つけた"物理SIM"という選択肢
動画配信サービスで映画を見ていたら、突然画質が荒くなった。時刻は午後7時。まだ月の半分も過ぎていないのに、スマホの画面には「通信速度制限」の文字が...
300GBプランを契約していたはずなのに、なぜ?データ使用量を確認すると、まだ150GBしか使っていない。そんな謎の速度制限に悩まされていた私が、偶然見つけたのが「物理SIM」という聞き慣れない言葉だった。
クラウドSIMの落とし穴に気づいた瞬間
前に使っていたポケットWiFiはクラウドSIM方式。「最適な回線に自動接続」という触れ込みに魅力を感じて契約したが、実際は低速なMVNO回線に繋がることが多く、特に夜間は動画どころかSNSの読み込みさえままならない状態だった。
友人のWEB会議が途切れ途切れになったという話を聞いて調べてみると、クラウドSIMには「回線ガチャ」という隠語があることを知った。つまり、どの回線に繋がるかは運次第。高速回線に当たればラッキー、低速回線なら諦めるしかない...
物理SIMという異端児の存在
そんな中で出会ったギアWiFiは、業界の流れに逆らって物理SIMにこだわり続けているという変わり者。1枚のキャリアSIMを1台の端末で独占使用するという、一見すると時代遅れにも思える方式を採用している。
正直、最初は「なんで今更物理SIM?」と疑問に思った。でも、よく考えてみれば、スマホだって物理SIMで安定して使えている。むしろクラウドSIMの方が新しい技術だからこそ、まだ不安定な部分があるのかもしれない。
実際に使ってみた通信速度の違い
| 時間帯 | ギアWiFi(物理SIM) | 前のクラウドSIM |
|---|---|---|
| 朝7時 | 52.3Mbps | 45.1Mbps |
| 昼12時 | 48.7Mbps | 8.2Mbps |
| 夜19時 | 45.2Mbps | 3.5Mbps |
特に驚いたのは、混雑時間帯でも速度が落ちないこと。クラウドSIMでは昼休みや夜間になると極端に遅くなっていたが、ギアWiFiは一日中安定した速度を維持している。
300GBプランの実力を徹底検証
私が選んだのは300GBプラン。月額3,938円という価格設定に最初は「ちょっと高い?」と感じたが、実際に使ってみるとコスパの良さに驚かされた。
1日あたり10GBの余裕
300GBを30日で割ると1日10GB。これがどれくらいの容量かというと:
- YouTube(720p):約13時間視聴可能
- Netflix(標準画質):約10時間視聴可能
- Zoom会議:約15時間参加可能
- 音楽ストリーミング:約2,500曲
在宅ワークで一日中WEB会議をしても、夜は好きな動画を見られる余裕がある。週末に映画を一気見しても、まだ余力を残している感じだ。
他社サービスとの比較で見えてきた真実
ギアWiFiを検討する際、当然他のサービスとも比較した。特に気になったのは、同じような大容量プランを提供している2社だった。
主要3社の比較表
| 項目 | ギアWiFi | A社(クラウドSIM) | B社(WiMAX) |
|---|---|---|---|
| 月額料金(大容量) | 3,938円(300GB) | 3,828円(200GB) | 4,268円(無制限※) |
| 通信方式 | 物理SIM | クラウドSIM | WiMAX+5G |
| 契約期間 | 縛りなし | 2年 | 3年 |
| 解約金 | 0円 | 10,450円 | 最大28,050円 |
| 速度制限 | 300GB超過後 | 200GB超過後 | 3日で15GB※ |
| 実測速度(平均) | 45-55Mbps | 5-40Mbps | 20-80Mbps |
※WiMAXの「無制限」は3日で15GB以上使用すると速度制限あり
A社(クラウドSIM)との違い
A社は月額料金が110円安いが、容量は100GB少ない200GB。さらに2年縛りがあり、解約金も1万円を超える。何より問題なのは、私が以前経験したような「回線ガチャ」のリスクがあること。
実際、SNSでA社の口コミを調べると「夜になると動画が見れない」「田舎だと繋がりにくい」といった声が散見された。安さだけで選ぶと後悔する典型例かもしれない。
B社(WiMAX)の落とし穴
WiMAXは「無制限」を謳っているが、実際は3日で15GB以上使うと速度制限がかかる。これは1日5GBの計算で、動画をよく見る人には厳しい制限だ。
また、WiMAXは建物内や地下で繋がりにくいという弱点もある。都心のオフィスビルで働く友人は「会議室によっては全く繋がらない」と嘆いていた。
意外な弱点も正直に告白
ここまでギアWiFiの良い面ばかり書いてきたが、もちろん完璧なサービスではない。実際に使って感じた不満点も正直に書いておこう。
端末のデザインがイマイチ
送られてきた端末を見た時の第一印象は「でかい...」だった。最近のスマホがどんどん薄型化している中、この端末は一昔前のガラケーくらいの厚みがある。ポケットに入れると明らかに膨らむし、カバンの中でも意外と場所を取る。
バッテリー持ちは期待しすぎない方がいい
公式では「連続通信時間10時間」となっているが、実際は7-8時間が限界。朝から晩まで外出する日は、モバイルバッテリーが必須になる。この点は正直、もう少し改善してほしいところだ。
海外では使えない
クラウドSIMの大きなメリットの一つが海外でもそのまま使えることだが、物理SIMのギアWiFiは日本国内専用。海外出張や旅行が多い人には向かないサービスだ。
どんな人におすすめできるか
実際に使ってみて、ギアWiFiが向いている人と向いていない人がはっきりと見えてきた。
こんな人には特におすすめ
- 在宅ワーカー:安定した通信速度でWEB会議も快適
- 動画をよく見る人:300GBあれば残量を気にせず楽しめる
- 短期利用を考えている人:縛りなしだからいつでも解約OK
- 引っ越しが多い人:工事不要ですぐ使える
逆にこんな人には向かない
- 海外によく行く人:国内専用なので海外では使えない
- とにかく安さ重視の人:他にもっと安いプランはある
- 持ち歩きを重視する人:端末が大きめで重い
申し込みから開通までの流れ
実際の申し込み手続きは驚くほどシンプルだった。
- オンライン申し込み(5分)
必要事項を入力するだけ。AmazonPayも使えるので、住所入力の手間も省ける。 - 端末の発送(最短即日)
平日12時までに申し込めば、その日のうちに発送してくれる。追跡番号もすぐに送られてきた。 - 受け取り・設定(10分)
端末が届いたら電源を入れるだけ。パスワードも端末に記載されているので、すぐにネット接続できる。
光回線のような工事待ちもなく、申し込みから2日後には使い始められた。この手軽さは大きな魅力だ。
まとめ:物理SIMという選択は正解だった
最初は「物理SIMって古くない?」と思っていたが、実際に使ってみるとその安定性に納得した。クラウドSIMのような先進性はないが、だからこそ信頼できる。
特に印象的だったのは、混雑時間帯でも速度が落ちないこと。以前のクラウドSIMでは夜7時になると動画がカクカクしていたが、ギアWiFiではストレスフリーで視聴できる。この差は想像以上に大きかった。
もちろん、端末の大きさやバッテリー持ちなど改善してほしい点もある。でも、月額3,938円で300GB、しかも縛りなしという条件を考えれば、十分に満足できるサービスだと感じている。
「クラウドSIMで失敗した」「安定した大容量WiFiを探している」という人は、一度物理SIMという選択肢を検討してみる価値があるだろう。時代に逆行しているようで、実は理にかなった選択なのかもしれない。
※本記事は個人の体験に基づくレビューです。通信速度や使用感は利用環境により異なる場合があります。


