月末、大阪出張の新幹線内。重要なプレゼン資料をダウンロードしようとしたら、「通信速度制限中」の無情な通知。月額4,000円も払っているのに、肝心な時に使えない。隣の席の人がサクサクとビデオ会議している姿を横目に、私は途方に暮れていました。

その時、同僚が見せてくれたのが「買い切り型」のモバイルWi-Fi。月額契約じゃないって、そんなのあるの?半信半疑で調べ始めた私が辿り着いたのが、今回レビューする「インスタントWi-Fi」でした。

なぜ今さらモバイルWi-Fi?スマホのテザリングじゃダメなの?

正直、最初は私もそう思っていました。でも実際に使ってみると、意外な落とし穴がいくつも…

  • スマホのバッテリーが午前中で死亡(特に夏場は最悪)
  • テザリング中は通話品質が不安定になることも
  • 会社支給のスマホだとテザリング機能が制限されている
  • 複数デバイス接続時の速度低下が想像以上

特に私のような地方出張が多い営業職だと、ホテルのWi-Fiが遅すぎて仕事にならないなんてことも日常茶飯事。カフェのフリーWi-Fiも、セキュリティ面で会社のデータを扱うのは不安ですよね。

インスタントWi-Fi

インスタントWi-Fiの仕組み:なぜ「買い切り」が可能なのか

従来のモバイルWi-Fiサービスは、回線契約と端末レンタルがセットになった月額制がほとんど。でもインスタントWi-Fiは根本的に違うアプローチを取っています。

端末買い切り+必要な分だけデータチャージ

最初に端末とデータがセットになった商品を購入(17,280円〜)。その後は必要に応じてデータをチャージする仕組み。まるでプリペイドSIMカードのモバイルWi-Fi版といった感じです。

これ、実は理にかなっているんです。私の場合、月によって出張の頻度がバラバラ。忙しい月は週3で地方に飛び回るけど、閑散期は月1回程度。それなのに毎月定額を払い続けるのは、冷静に考えるともったいない話です。

実際に購入してみた:開封から利用開始まで

楽天市場で注文したのが水曜日の午後2時。翌日の木曜日には到着しました(送料無料なのも地味に嬉しい)。

同梱物と初期設定

箱を開けると、端末本体と簡単な説明書、充電ケーブルが入っていました。設定は驚くほどシンプル:

  1. 電源ボタン長押しで起動
  2. 端末背面のQRコードをスマホで読み取り
  3. Wi-Fi接続完了

契約書の記入も、身分証明書の提出も、クレジットカード登録も一切なし。本当に「買うだけ」で使えるというのは嘘じゃありませんでした。

通信速度と安定性:3大キャリア対応の実力は?

インスタントWi-Fiの特徴の一つが、NTTドコモ、au、ソフトバンクの3回線に対応していること。場所によって最適な回線に自動接続される仕組みです。

実測値データ(都内・大阪・名古屋で計測)

測定場所 下り速度 上り速度 接続回線
東京駅構内 28.4Mbps 12.1Mbps ドコモ
新大阪駅周辺 31.2Mbps 15.3Mbps au
名古屋市内ホテル 22.8Mbps 9.7Mbps ソフトバンク
地方都市(岡山) 18.5Mbps 7.2Mbps ドコモ

正直、爆速とは言えませんが、ビデオ会議も問題なく、大容量ファイルのダウンロードも実用的な速度でした。何より、どこでも確実に繋がる安心感は大きいです。

コストパフォーマンス検証:他社サービスとガチ比較

ここが一番気になるところですよね。実際に私が検討した他社サービスと比較してみました。

主要3社との料金比較表

サービス名 初期費用 月額料金 データ容量 契約縛り 解約金
インスタントWi-Fi 17,280円〜
(端末代込み)
なし 購入時のみ
追加は480円〜
なし なし
WiMAX(某大手) 3,300円 4,268円 無制限
(3日15GB制限)
2年 10,450円
クラウドWi-Fi A社 0円 3,718円 100GB/月 なし なし
(端末返却要)
大手キャリア系 0円 4,950円 30GB/月 なし なし
(端末返却要)

6ヶ月間のコストシミュレーション

私の利用パターン(月平均10GB程度、出張がある月は20GB)で計算すると:

  • インスタントWi-Fi:初期17,280円 + 追加チャージ約5,000円 = 22,280円
  • WiMAX:初期3,300円 + 月額4,268円×6 = 28,908円
  • クラウドWi-Fi:月額3,718円×6 = 22,308円(ただし端末返却必要)

インスタントWi-Fiは端末が手元に残ることを考えると、実質最安値。しかも使わない月は一切お金がかからないのが大きい。

インスタントWi-Fi

実際に使って分かった良い点・悪い点

良かった点

1. 精神的な自由度が段違い
月額契約特有の「使わなくても払い続ける」というモヤモヤから解放されました。今月は出張ないから0円、来月は多いから多めにチャージ、という柔軟な使い方ができます。

2. 端末の所有感
レンタルじゃないので、傷を気にせずガシガシ使える。カバンの中で他の荷物とぶつかっても、返却時の査定を心配する必要なし。

3. マイページが意外と便利
残りデータ量の確認や追加チャージが24時間できるマイページ。深夜に急遽データが必要になっても、コンビニ行く感覚でチャージできます。

イマイチだった点

1. 初期費用のハードル
17,280円という初期投資は、正直安くはない。月額制なら初月無料とかもあるので、最初の一歩を踏み出すのに勇気が必要でした。

2. データ単価は割高
大量に使う人にとっては、GB単価で見ると月額無制限プランの方が安い。月50GB以上コンスタントに使う人は、素直に月額プランの方がお得かも。

3. 端末のスペックは最新ではない
5G非対応で、同時接続台数も10台まで。最新のハイスペック端末と比べると見劣りする部分も。ただ、個人利用なら全く問題ないレベル。

どんな人におすすめ?利用シーン別の向き不向き

こんな人にピッタリ

  • 出張や旅行の頻度が不定期な人:必要な時だけ使えるのは最高
  • 短期プロジェクトで一時的にWi-Fiが必要な人:3ヶ月だけ、とかでも無駄なし
  • 実家への帰省時だけWi-Fiが欲しい人:年に数回の利用でもOK
  • 海外出張もある人:140ヶ国対応は地味に便利

おすすめしない人

  • 毎日大量のデータを使う人:動画配信者とか、常時オンラインゲームする人
  • 最新技術にこだわる人:5G対応端末が欲しいならパス
  • 初期投資を抑えたい人:0円スタートがいいなら月額制の方が始めやすい

購入前に知っておきたいTips

楽天市場やYahoo!ショッピングで購入すると、ポイント還元でさらにお得に。私は楽天のお買い物マラソン時に購入して、実質15,000円程度で手に入れました。急ぎでなければ、セール時期を狙うのがおすすめ。

データチャージの仕組みと料金プラン詳細

インスタントWi-Fiの料金体系で特徴的なのが、利用期間とデータ量を自由に組み合わせられる点。実際のプラン例を見てみましょう。

国内データチャージプラン(一部抜粋)

利用期間 データ容量 料金(税込) 1GBあたり
1日 1GB 480円 480円
7日 3GB 980円 327円
30日 10GB 2,480円 248円
90日 30GB 5,980円 199円
365日 100GB 14,800円 148円

面白いのは、長期プランほどGB単価が安くなること。私は最初30日10GBでスタートして、使い勝手が分かってきたら90日プランに切り替えました。

サポート体制と保証内容

買い切り型だとサポートが不安…と思っていましたが、意外としっかりしていました。

利用可能なサポートチャネル

  • メールサポート:24時間受付、返信は翌営業日まで
  • 電話サポート:平日10:00-18:00(土日祝除く)
  • LINEサポート:これが一番レスポンス早い(体感30分以内)

実際、初期設定で少し迷った時にLINEで質問したら、画像付きで分かりやすく教えてもらえました。月額契約じゃないのにサポートがしっかりしているのは正直意外でした。

端末保証について

購入から1年間は自然故障に対して無償交換対応。ただし、落下や水没などの物理的破損は対象外。心配な人は、別途端末保証サービス(月額500円程度)に加入することも可能です。

海外利用について:140ヶ国対応の実力

インスタントWi-Fiのもう一つの強みが、海外でもそのまま使えること。別途海外用のプランを購入する必要がありますが、端末はそのまま使えます。

海外データプランの例

  • アジア周遊(韓国・台湾・香港など):7日間1GB 1,980円
  • アメリカ・カナダ:7日間1GB 2,480円
  • ヨーロッパ周遊:7日間1GB 2,480円

正直、現地SIMの方が安い場合もありますが、日本から持っていった端末がそのまま使える安心感は大きい。特に複数国を回る出張では重宝しそうです。

インスタントWi-Fi本体

実際のユーザーの声:SNSや口コミサイトから

私以外のユーザーはどう評価しているのか、主要ECサイトやSNSの評価をまとめてみました。

ポジティブな評価

「実家に帰省する時だけ使いたかったので、月額縛りがないのは本当に助かる」(30代女性)

「建設現場の短期プロジェクト用に購入。3ヶ月使って、今は次の現場まで寝かせてます」(40代男性)

ネガティブな評価

「思ったより端末が大きくて重い。最新のスマホサイズを期待してた」(20代男性)

「データの追加購入を忘れて、出先で使えなくなった。自動更新があればいいのに」(50代女性)

確かに、データの残量管理は自己責任なので、うっかりさんには向かないかも。私はスマホのリマインダーに「データ残量チェック」を設定して対策しています。

トラブルシューティング:よくある質問と対処法

実際に使っていて遭遇したトラブルと解決方法をシェアします。

Q: 電源を入れても繋がらない

A: 最初はデータが有効化されるまで5-10分かかることがあります。また、端末の再起動で解決することがほとんど。それでもダメならサポートへ。

Q: 速度が遅い気がする

A: まず接続デバイス数を確認。10台近く繋いでいると確実に遅くなります。また、利用場所によって接続キャリアを手動で変更することも可能です(マイページから設定)。

Q: バッテリーの持ちが悪い

A: 連続使用で約8時間が目安。モバイルバッテリーとの併用がおすすめ。省電力モードもあるので、長時間使用時は活用を。

購入から3ヶ月使った総括

インスタントWi-Fiを使い始めて3ヶ月。トータルコストは初期費用含めて約25,000円。同じ期間、月額4,000円のサービスを使っていたら12,000円+初期費用だったので、まだ割高に見えます。

でも、来月から支払いが0円になることを考えると、半年後には確実に元が取れる計算。何より「使わない月は払わない」という精神的な軽さは、お金には代えられない価値があります。

結局、買ってよかった?

答えは「Yes、ただし使い方次第」です。

毎日ガンガン使う人や、常に最新技術を求める人には向きません。でも、私のように「必要な時だけ確実に使いたい」という人には、これ以上ない選択肢だと思います。

特に、モバイルWi-Fiを契約したいけど、本当に使い続けるか分からない…という人は、まずインスタントWi-Fiで始めてみるのがいいかもしれません。合わなければそのまま使わなければいいだけですから。

最後に:購入を検討している方へ

インスタントWi-Fiは万人向けのサービスではありません。でも、「月額契約に疑問を感じている」「使用頻度が不定期」「初めてのモバイルWi-Fi」という方には、新しい選択肢として検討する価値があります。

少なくとも私は、もう月額契約には戻れません。