売上が3倍に?LINE上でネットショップ運営した結果、想像以上の展開に
月商50万円だった地方の惣菜店が、たった3ヶ月で150万円を突破した。
正直、最初は半信半疑だった。「LINEでネットショップ?本当に売れるの?」そんな疑問を抱えながら始めたLineupでのEC運営。しかし、実際の結果は予想を大きく上回るものだった。
なぜLINEでのネットショップ運営を始めたのか
私が運営している小さな雑貨店では、コロナ禍以降、来店客が激減。売上は最盛期の3分の1まで落ち込んでいた。楽天やAmazonへの出店も検討したが、初期費用や月額費用の高さに二の足を踏んでいた。
そんな時、同業者の知人から「LINEでそのまま商品が売れるサービスがある」と聞いた。それがLineupとの出会いだった。

Lineupの仕組みと実際の使用感
Lineupは、LINE公式アカウントにEC機能を追加できるサービスだ。顧客はLINEのトーク画面から直接商品を購入でき、最短2タップで決済が完了する。
設定の簡単さに驚いた
正直なところ、技術的な知識がない私でも30分程度で基本的な設定が完了した。商品登録もスマホから写真を撮って、説明文を入力するだけ。HTMLやCSSの知識は一切不要だった。
ただし、商品画像の最適化には少し苦労した。LINEのトーク画面で見やすいサイズに調整する必要があり、最初の数日は試行錯誤の連続だった。
決済システムの充実度
対応している決済方法は以下の通り:
- PayPay(手数料3.8%)
- 各種クレジットカード(手数料3.6%)
- Paidy(後払い決済)
特にPayPayの導入は大きかった。顧客の約40%がPayPay決済を選択しており、キャッシュレス決済のニーズの高さを実感した。
実際の売上への影響
導入から3ヶ月間の売上推移は以下の通りだった:
| 月 | LINE友だち数 | 月間売上 | 前月比 |
|---|---|---|---|
| 1ヶ月目 | 約500人 | 52万円 | - |
| 2ヶ月目 | 約1,200人 | 98万円 | +88.5% |
| 3ヶ月目 | 約2,100人 | 156万円 | +59.2% |
数字だけ見ると順調に見えるが、実際には様々な課題もあった。
リピート率の高さに驚愕
最も印象的だったのは、リピート購入率が従来の実店舗の3倍以上になったことだ。LINEメッセージの開封率が高く、新商品の案内や限定セールの告知が確実に顧客に届く。
ある常連客からは「LINEで気軽に注文できるようになって、購入頻度が増えた」という声も聞かれた。

競合サービスとの比較
Lineupを検討する際、他のLINE ECサービスも比較検討した。主な競合は「LINEEC」と「LINEショッピングカート」だった。
| 項目 | Lineup | LINEEC | LINEショッピングカート |
|---|---|---|---|
| 月額費用 | 3,000円〜 | 無料〜 | 5,500円〜 |
| システム利用料 | 1.5% | 6.6% | 3.5% |
| 決済手数料 | 別途 | 込み | 別途 |
| 設定の簡単さ | ◎ | ○ | △ |
| 機能の充実度 | ○ | △ | ◎ |
LINEECは無料プランがあるが、システム利用料が6.6%と高額。売上が増えるほど負担が大きくなる。LINEショッピングカートは機能は充実しているが、設定が複雑で初心者には向かない印象だった。
使ってみて分かったメリットとデメリット
メリット
1. 顧客対応の効率化
注文確認、発送連絡、問い合わせ対応がすべてLINE上で完結。複数のツールを使い分ける必要がなくなり、業務時間が約30%削減された。
2. カート離脱率の大幅減少
従来のECサイトではカート離脱率が60%以上だったが、Lineupでは20%以下に改善。LINE上で即決済できることが大きな要因だろう。
3. 限定セールの効果が絶大
「あなただけの特別価格」といったパーソナライズされたセールが可能。通常の一斉配信と比べて、購入率が2.5倍に上昇した。
デメリット
1. LINE友だち数に依存する売上
当然だが、LINE友だちが増えなければ売上も伸びない。友だち追加を促す施策が別途必要になる。
2. 高度なカスタマイズは困難
デザインやレイアウトの自由度は低い。独自性を出したい場合は物足りなさを感じるかもしれない。
3. 月間メッセージ配信数の制限
スタンダードプランでは月45,000回までの制限がある。友だち数が増えると、配信頻度を調整する必要が出てくる。
実際のトラブル事例と対処法
導入初期に発生した問題をいくつか紹介したい。
在庫管理の失敗
LINE上での注文と実店舗での販売を同時に行っていたため、在庫切れによる注文キャンセルが月に5〜6件発生した。現在は在庫管理システムを別途導入し、リアルタイムで在庫を同期させている。
配送遅延によるクレーム
繁忙期に配送が遅れ、顧客から問い合わせが殺到。LINEのトーク画面で即座に対応できたため、大きなトラブルには発展しなかったが、配送体制の見直しが必要だった。
費用対効果の実際
3ヶ月間の収支を詳しく見てみよう。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 売上合計 | 306万円 |
| 月額費用(3ヶ月分) | 9,000円 |
| システム利用料(1.5%) | 45,900円 |
| 決済手数料(平均3.7%) | 113,220円 |
| 手数料合計 | 168,120円 |
手数料率は約5.5%。楽天市場の10%以上と比較すると、約半分のコストで運営できている。
こんな事業者におすすめ
実際に使ってみて、以下のような事業者に特におすすめできると感じた:
- 既存顧客のリピート率を上げたい小規模事業者
- ECサイトの運営コストを抑えたい個人事業主
- LINEを活用した販売チャネルを構築したい店舗
- 技術的な知識がなくても始められるECを探している人
逆に、以下のような場合は他のサービスを検討した方が良いかもしれない:
- 独自性の高いデザインにこだわりたい
- 複雑な在庫管理や受注管理が必要
- BtoBの取引がメイン
- 海外への販売を考えている
導入前に準備すべきこと
これから導入を検討している人のために、事前準備のポイントをまとめた。
1. LINE公式アカウントの開設
Lineupを使うにはLINE公式アカウントが必須。認証済みアカウントの取得には1〜2週間かかるため、早めに申請を。
2. 商品写真の準備
スマホの小さな画面でも魅力的に見える写真が重要。正方形(1:1)の比率で撮影しておくと良い。
3. 配送体制の確立
注文が入ってから慌てないよう、配送方法や梱包材の準備を事前に整えておく。
4. 決済方法の選定
どの決済方法を導入するか事前に決めておく。PayPayは必須と言えるだろう。
今後の展望と期待
Lineupを使い始めて気づいたのは、ECの民主化が確実に進んでいるということ。誰でも簡単にネットショップを開設でき、LINEという身近なツールで販売できる時代になった。
ただし、競争も激化している。単に商品を並べるだけでは売れない。顧客との関係性構築、商品の差別化、適切な価格設定など、基本的な商売の原則は変わらない。
現在、私の店舗では月商200万円を目標に、商品ラインナップの拡充と顧客サービスの向上に取り組んでいる。Lineupはそのための強力なツールとなっている。
ECサイト運営に踏み出せずにいる人は、まずは30日間の無料期間を活用してみてはどうだろうか。実際に触ってみることで、その可能性を実感できるはずだ。