正直に告白すると、私はこれまでに総額50万円以上をカメラ機材に使い込んできた。そのうち実際に活用できているのは、たったの3割程度。残りの7割は防湿庫の肥やしと化している。

「今度こそ使いこなせる」と自分に言い聞かせながら購入したCanon EOS R5は、結局年に2回しか持ち出さなかった。購入価格は約45万円。1回あたりの撮影コストを計算すると、胃が痛くなる数字が出てきた。

そんな私がモノカリというレンタルサービスに出会ったのは、友人の結婚式でのことだった。隣で撮影していたゲストが使っていた最新のα7R Vを見て「いいな」と思った瞬間、また物欲スイッチが入りかけた。しかし、その人から聞いた一言が私の価値観を180度変えることになる。

「これ、レンタルなんですよ。3泊4日で6,800円でした」

なぜ今まで気づかなかったのか|レンタルという選択肢の盲点

カメラ好きの多くは「所有欲」という呪縛に囚われている。私もその一人だった。新製品が出れば「買わなければ」という強迫観念にも似た感情が湧き上がる。しかし、実際の使用頻度を冷静に分析すると、購入は合理的な選択ではないことが多い。

モノカリを使い始めて8ヶ月。私のカメラライフは劇的に変化した:

  • 月の機材費:10万円→3,000円(97%削減)
  • 使用機材の種類:3種→15種以上
  • 撮影頻度:月1回→月4回以上
  • 防湿庫の空きスペース:0%→80%

数字だけ見れば素晴らしい改善だが、実際にはメリットだけではない。以下、8ヶ月間の実体験から見えてきたリアルな部分を包み隠さず共有したい。

モノカリの実態|利用して分かった光と影

予想外に良かった点

まず驚いたのは商品の状態の良さだ。レンタル品といえば、使い古された印象があるかもしれない。しかし、これまで借りた15台以上の機材は、すべて新品同様の状態だった。特に印象的だったのは、FUJIFILM GFX100Sを借りた時。市場価格70万円超の中判ミラーレスが、まるで開封したてのような状態で届いた。

配送の速さも特筆すべき点だ。17時までの注文で当日発送という謳い文句は本当だった。金曜日の16時に注文した商品が、土曜日の午前中に届いた時は正直驚いた。Amazonプライムと同等、いやそれ以上のスピード感だ。

意外だったのはレンタル期間の柔軟性。当初は「3泊4日」という短期間に不安を感じていたが、実際には1日単位で延長可能。しかも延長料金が良心的で、購入を迷っている機材の長期お試しにも使える。

正直微妙だった点

一方で、改善してほしい点もある。最も気になったのは人気商品の在庫切れ頻度。特に週末や連休前は、狙っていた機材が軒並み予約済みということが何度かあった。Sony α7IVを借りようとした時は、3週間先まで予約が埋まっていた。

また、アクセサリー類の品揃えにも物足りなさを感じる。カメラ本体やレンズは充実しているが、NDフィルターや特殊なマウントアダプターなどは選択肢が限られる。結局、これらは別途購入することになった。

返却時の梱包も少し面倒だ。届いた箱をそのまま使えるとはいえ、緩衝材を元通りに入れ直すのは意外と手間がかかる。疲れて帰ってきた日曜日の夜に梱包作業をするのは、正直億劫だった。

他社サービスとの本音比較|数字で見る違い

レンタルサービスはモノカリだけではない。実際に他社サービスも利用してみた結果を、忖度なしで比較してみた。

比較項目 モノカリ Rentio GooPass
α7IV 3泊4日料金 7,980円 9,980円 月額10,780円〜
送料 全国無料 無料 無料
即日発送 17時まで対応 17時まで対応 なし
商品状態 ◎(ほぼ新品) ○(使用感あり)
在庫数 ○(人気商品は品薄) ◎(豊富)
補償オプション レンタル料の10% レンタル料の10% 月額に含む

価格面ではモノカリが最も競争力がある。特に短期レンタルでは他社より20-30%安いケースが多い。ただし、在庫の豊富さではRentioに軍配が上がる。GooPassは月額制なので、頻繁に機材を入れ替えたい人向けだ。

実際に起きたトラブルと対応|リアルな体験談

レンタルサービスを使う上で最も不安なのは「もしもの時」だろう。私も実際に2回、ヒヤリとする場面があった。

1回目は、借りたGoPro HERO11を海で使用中、波に飲まれて一瞬見失った時。幸い防水ケースのおかげで無事だったが、もし故障していたらと思うと今でも冷や汗が出る。

2回目は、もっと深刻だった。Osmo Pocket 3のジンバル部分に砂が入り込み、動きが渋くなってしまったのだ。返却時に正直に申告したところ、サポートからの返答は意外なものだった:

「ご連絡ありがとうございます。砂の侵入は通常使用の範囲内と判断させていただきました。追加料金は発生しません。」

この対応には正直驚いた。他社では同様のケースで修理代を請求されたという話も聞いていたからだ。ただし、これはあくまで「通常使用の範囲内」と判断されたケース。明らかな過失による故障は当然ながら弁償対象になる。

モノカリが向いている人、向いていない人

向いている人

  • 年に数回しか高額機材を使わない人:私のような「イベントカメラマン」には最適
  • 購入前に実機を試したい人:カタログスペックだけでは分からない使用感を確認できる
  • 最新機種を次々試したい人:購入では不可能な機材遊びが可能
  • 出張や旅行が多い人:現地受取も可能で、荷物を減らせる

向いていない人

  • 毎週末撮影する人:レンタル料が積み重なると購入の方が安くなる
  • 独自のカスタマイズをしたい人:設定変更はできるが、物理的な改造は当然NG
  • 突発的に使いたい人:人気商品は予約が必要なことが多い
  • 返却作業が苦手な人:期限管理と梱包作業は必須

知っておくべき裏技と注意点

8ヶ月の利用で発見したちょっとした裏技をいくつか紹介しよう。

1. 平日レンタルの活用
土日を含む4日間より、月〜木の4日間の方が予約が取りやすい。リモートワークの人は平日レンタルがお得。

2. セット商品の盲点
カメラ本体とレンズのセットは一見お得だが、必要ないレンズが含まれることも。単品で組み合わせた方が安い場合がある。

3. 延長は早めの判断を
返却日当日の延長は割高。使ってみて「もう少し使いたい」と思ったら、2日目には延長手続きを。

一方で注意すべき点もある:

  • SDカードは付属しない(当たり前だが忘れがち)
  • バッテリーは1個のみ(長時間撮影なら追加レンタル推奨)
  • 深夜の返却手続きはコンビニが混雑することがある
  • 精密機器の夏場レンタルは結露に注意

8ヶ月使って見えてきた本当の価値

モノカリを使い始めて最も変わったのは、撮影に対する心理的ハードルが下がったことだ。「50万円のカメラを持ち出すのは緊張する」という重圧から解放され、気軽に撮影に出かけるようになった。

機材への執着も薄れた。以前は「このカメラでしか撮れない」という固定観念があったが、今は「この被写体にはどのカメラが最適か」という視点で機材を選べる。ポートレートにはα7RV、動画にはFX3、スナップにはX-T5...用途に応じた最適解を都度選択できる贅沢さ。

経済的メリットも大きい。8ヶ月で削減できた金額は約75万円。この資金で撮影旅行に3回行き、写真展も開催できた。機材を所有することより、作品を生み出すことに投資できるようになったのだ。

これからレンタルを始める人へのアドバイス

最後に、これからモノカリや他のレンタルサービスを使おうと考えている人へ、実体験に基づくアドバイスを。

まずは安価な機材から試してみることをお勧めする。いきなり高額機材を借りるより、3,000円程度のアクションカメラやコンパクトカメラで、レンタルの流れを掴むのが賢明だ。

そして用途を明確にしてから借りること。「せっかく借りたから」と無理に使おうとすると、本末転倒になる。具体的な撮影計画があってこそ、レンタルの価値が最大化される。

補償オプションは基本的に加入推奨。レンタル料の10%程度で大きな安心が買える。私も最初は「大丈夫だろう」と思っていたが、前述のトラブルを経験してからは必ず加入している。

カメラ沼、レンズ沼に落ちかけている人、あるいはすでに落ちている人にこそ、レンタルという選択肢を知ってほしい。所有欲から解放されることで、本当に大切なのは機材ではなく、それを使って何を生み出すかだと気づくはずだ。

私の防湿庫は今、ほとんど空っぽだ。でも撮影頻度は過去最高で、作品の質も向上している。これが、8ヶ月間モノカリを使い続けて辿り着いた、一つの答えだ。

まずは3,000円から始められる機材レンタル

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