沖縄の雑草地獄から解放された日:187円で人生が変わった衝撃体験
実家に帰って玄関を開けた瞬間、母が泣いていた。「もう無理」その一言で、私は3年ぶりに庭を見た。そこには、私の知っている庭はなかった。
高さ2メートルを超える雑草。隣家との境界線すら分からない。台風で折れた枝が散乱し、まるでジャングル。近所の人から「そろそろ何とかしたほうが...」と言われ続けて半年。母は70歳を超え、父は入院中。私は東京在住で年に2回しか帰れない。
沖縄特有の「草との戦い」という現実
本土の人には想像できないかもしれないが、沖縄の雑草の成長速度は異常だ。1ヶ月放置すれば膝まで、3ヶ月で腰まで、半年で人の背丈を超える。しかも年中無休で成長し続ける。
最初は自分でやろうと思った。ホームセンターで草刈り機をレンタルし、朝6時から作業開始。結果は惨敗。3時間で熱中症寸前、進んだのはわずか20㎡。しかも1週間後には新芽が...

プロに頼むという選択肢の壁
「業者に頼めば?」友人の一言は簡単だが、現実は複雑だった。
- A社:見積もり15万円「木が多いので...」
- B社:「うちは草刈りだけなので木は別業者で」
- C社:「2ヶ月待ちです」
そもそも見積もりに来てくれる業者を見つけるだけで1週間かかった。電話に出ない、折り返しがない、「そちらのエリアは...」という断り文句。沖縄の業者不足は深刻だ。
187円の衝撃と現実のギャップ
庭匠を見つけたのは偶然だった。「187円/㎡〜」この価格設定に最初は疑った。安すぎる。何か裏があるはずだ。
電話をかけると、意外にもすぐ繋がった。「明日見積もりに伺えます」この対応の速さに驚いた。翌日、若い職人さんが来た。実測して「300㎡で約8万円です」と。
作業当日の想定外の連続
朝8時、3人の職人が到着。草刈り機3台、チェーンソー2台、2トントラック。この装備を見て、プロの本気を感じた。
驚いたのは作業の段取りだ。まず境界線の確認、隣家への挨拶、養生シートの設置。そして役割分担。1人が草刈り、1人が枝の処理、1人が運搬。無駄な動きが一切ない。
4時間後、そこには見違える庭があった。

期待と現実のズレ:正直な感想
完璧だったかと言えば、そうではない。
良かった点
- 作業の速さと効率性は期待以上
- 近所への配慮(挨拶回り、騒音対策)
- 追加料金なしの明朗会計
- ゴミの処理まで完結
- 作業後の清掃が丁寧
気になった点
- 細かい部分(石の隙間など)は手作業が必要
- 根っこまでは処理されない(別料金)
- 防草シートの提案がなかった
- 作業時間の事前連絡が曖昧
特に根っこの処理は別料金という点は事前に確認すべきだった。見積もり時に聞かなかった私のミスでもあるが、説明があれば良かった。
他社との比較で見えた真実
| 項目 | 庭匠 | A社(大手) | B社(個人) |
|---|---|---|---|
| 基本料金 | 187円/㎡〜 | 350円/㎡〜 | 250円/㎡〜 |
| 見積もり | 無料・翌日対応 | 無料・1週間後 | 3,000円 |
| 作業人数 | 3人 | 2人 | 1人 |
| 処分費用 | 6,600円〜 | 別途見積もり | 持ち帰り不可 |
| 対応エリア | 沖縄全域 | 那覇・浦添のみ | 中部のみ |
| 支払い方法 | 現金のみ | カード可 | 現金のみ |
価格だけ見れば庭匠が最安値だが、カード払いができないのは人によってはネックかもしれない。
3ヶ月後の現実と維持管理の課題
プロの草刈りから3ヶ月。再び雑草との戦いが始まった。成長速度は以前より遅いものの、確実に伸びている。
庭匠では定期管理のプランもあるらしい。月1回の草刈りで料金は20%オフ。年間契約なら30%オフ。正直、これを最初から契約すべきだった。

見えてきた沖縄の庭管理の真実
この経験で分かったことがある。沖縄で庭を持つということは、永遠に草との戦いを続けるということだ。
本土のように「年2回の草刈りで十分」という感覚は通用しない。最低でも2ヶ月に1回、理想は月1回の手入れが必要。これを個人でやるのは、体力的にも時間的にも現実的ではない。
庭匠のような地元業者の存在価値はここにある。料金の安さだけでなく、沖縄の気候を理解し、適切なタイミングで作業してくれる。大手にはない機動力がある。
プロに頼む前に知っておくべきこと
もしあなたが同じ状況なら、以下の点は必ず確認してほしい。
- 見積もり時に全ての費用を確認(根の処理、防草対策など)
- 作業範囲の明確化(境界線、細かい部分の処理)
- 定期管理の検討(単発より結果的に安い)
- 近所への配慮(事前連絡の有無)
- 支払い方法(現金のみの業者が多い)
母の笑顔と187円の価値
作業が終わって、母が庭を見た時の顔は忘れられない。「やっと人を呼べる」そう言って泣いていた。
8万円。東京の感覚では高いかもしれない。でも、3年間のストレスから解放された母の笑顔を見れば、安いものだ。何より、自分でやろうとして熱中症で倒れていたら、医療費の方が高くついていただろう。
庭匠は完璧ではない。でも、沖縄で草刈り業者を探している人には、選択肢の一つとして検討する価値はある。特に、見積もりの対応の速さと、作業の効率性は評価できる。
ただし、過度な期待は禁物だ。187円という価格には理由がある。それを理解した上で依頼すれば、満足度は高いはずだ。
最後に一つ。沖縄の草刈りは「終わりなき戦い」だ。でも、プロの力を借りれば、その戦いを少しだけ楽にできる。187円から始まる新しい庭との付き合い方、それが私たち家族が見つけた答えだった。
あの日、泣いていた母は今、毎朝庭でコーヒーを飲んでいる。それだけで、十分だと思う。