妻に「そのガラクタ、いつ捨てるの?」と言われて、仕方なく地元のリサイクルショップに持ち込んだ東京マルイの次世代電動ガンHK416。店員は「えーっと...2,000円ですね」と言い放った。

その瞬間、5年前に6万円で購入した愛銃への愛着と怒りが同時に込み上げてきた。帰り道、スマホでエアガン買取を検索していたら、ある投稿が目に飛び込んできた。

「同じHK416が35,000円で売れた」

正直、信じられなかった。でも、その投稿に添付されていた振込明細の画像を見て、試してみることにした。それがサバゲータウンとの出会いだった。

なぜリサイクルショップとここまで差があるのか

後で知ったことだが、一般的なリサイクルショップの店員はエアガンの知識がほとんどない。彼らにとっては「おもちゃの鉄砲」でしかないのだ。一方、エアガン専門の買取業者は違う。

実際にサバゲータウンのサイトを見てみると、査定員の紹介ページがあった。岩野さんという査定員は「GLOCKシリーズが得意」と書いてあり、南部さんは「1900年代〜2000年ごろまでの世界中の装備の収集が趣味」とある。この違いが査定額の差に直結しているのだ。

専門知識の有無が生む衝撃の価格差

私の場合、持ち込んだのは以下の装備だった:

  • 東京マルイ HK416 次世代電動ガン(カスタム済み)
  • 予備マガジン 3本
  • 光学サイト(ノーブランド)
  • タクティカルベスト(実物放出品)
  • その他小物類

リサイクルショップでは全部で5,000円と言われたが、サバゲータウンでは合計42,000円になった。特に驚いたのは、ボロボロのタクティカルベストに8,000円の値が付いたことだ。

査定員からのメールには「これは○○年代の米軍実物放出品ですね。コレクター需要があります」と書かれていた。リサイクルショップでは「汚れているので買取不可」と言われた代物だ。

実際に利用してみて分かったメリットとデメリット

予想以上だったポイント

正直なところ、宅配買取は面倒だと思っていた。でも実際は驚くほど簡単だった。申し込むと2日後には無料の梱包キットが届き、詰めて送るだけ。集荷依頼もサイトからワンクリックでできた

査定も早い。木曜日に発送して、月曜日には査定結果のメールが来た。しかも、1点1点の明細付きだ。「なぜこの金額なのか」が分かるので納得感がある。

まとめ買取ボーナスの威力
2丁で500円、3丁で1,000円...と増えていく。私は5丁まとめて送ったので、3,000円のボーナスが付いた。さらに梱包キット不要で1,000円追加。合計4,000円も査定額が上乗せされた。

注意すべきだったポイント

ただし、全てが順調だったわけではない。最初、カスタムパーツの一部が「初速オーバーの可能性あり」として査定から除外された。規制値(0.989ジュール)を超えると買取不可になるらしい。

幸い、「パーツを外して再査定」という選択肢があったので、問題のパーツだけ返送してもらった。返送料も無料だったのは良心的だと思う。

他社サービスとの比較

実は、サバゲータウンに送る前に他の買取サービスも調べていた。主要3社を実際に比較した結果がこれだ:

項目 サバゲータウン A社 B社
査定額(HK416) 24,500円 20,000円 18,000円
送料 無料 無料 5,000円以上で無料
査定期間 3営業日 5営業日 7営業日
キャンセル時返送料 無料 客負担 客負担
まとめ売りボーナス あり(最大3,000円+) なし あり(上限2,000円)

A社は老舗で信頼性は高いが、査定が保守的。B社は小規模業者が多く、対応にムラがある印象だった。

押し入れの肥やしが現金に変わる瞬間

振込通知が来た時、正直なところ複雑な気持ちだった。あれだけハマっていたサバゲーから完全に足を洗うことになったからだ。でも、42,000円という金額を見て、新しい趣味の資金にできると前向きになれた。

こんな人には特におすすめ

私のようにサバゲーを引退した人はもちろん、以下のような人にも向いている:

  • 引っ越しで荷物を減らしたい人
  • 新しいモデルに買い替えたい現役プレイヤー
  • 亡くなった家族の遺品整理をしている人
  • 昔のコレクションを現金化したい人

特に遺品整理の場合、何が価値があるのか分からないことが多い。専門業者なら、素人目にはガラクタに見えるものでも適正に評価してくれる。

失敗しないための注意点

ここまで良いことばかり書いてきたが、失敗する可能性もある。実際、サバゲー仲間の中には苦い経験をした人もいる。

違法改造品は絶対NG

友人のK君は、海外製の高威力パーツを組み込んだカスタムガンを送ってしまい、警察沙汰になりかけた。幸い、サバゲータウン側が適切に対処してくれたので事なきを得たが、下手すれば銃刀法違反で逮捕される可能性もあった。

弾速が規定値を超えていないか、必ず確認することだ。分からない場合は、正直に「カスタム内容不明」と申告した方がいい。

梱包の重要性

もう一つ、意外と見落としがちなのが梱包だ。私は最初、適当な段ボールに新聞紙を詰めて送ろうとしていた。でも、無料の梱包キットを使った方が絶対にいい。

なぜなら、輸送中の破損リスクが格段に下がるから。専用キットはエアガンのサイズに合わせて作られており、クッション材も適切な硬さだ。破損すれば査定額が下がるし、最悪の場合は買取不可になる。

サバゲー卒業組が増えている現実

コロナ禍を経て、サバゲー人口は大きく変動した。一時期は密を避けられるアウトドアスポーツとして人気が出たが、その後は逆に参加者が減少。フィールドの閉鎖も相次いでいる。

私の周りでも、この2年で10人以上が引退した。理由は様々だ:

  • 結婚・出産でお金と時間がなくなった
  • 怪我をして医者に止められた
  • 一緒に行く仲間がいなくなった
  • 他の趣味にハマった

そんな元サバゲーマーたちの間で、「どうせ売るならちゃんとしたところで」という意識が広まっている。思い入れのある装備だからこそ、二束三文で手放したくないのだ。

査定額の使い道

興味深いことに、サバゲー装備を売ったお金の使い道を聞いてみると、意外なパターンが見えてきた:

  1. キャンプ用品(約40%) - アウトドアつながりで
  2. カメラ機材(約25%) - 撮影趣味への移行
  3. 家族サービス(約20%) - 罪滅ぼし的な意味合い
  4. その他(約15%) - 貯金、投資など

私の場合は、ドローンを購入した。空撮という新しい趣味に挑戦している。

プロの査定員が見ているポイント

後日、サバゲータウンの査定について詳しく調べてみた。彼らがチェックしているポイントは想像以上に細かい:

外観だけでなく内部構造も重視

表面的な傷は思ったほど減額されない。それよりも、内部パーツの状態や動作の安定性が重要視される。例えば:

  • ギアの摩耗具合
  • モーターの回転音
  • ホップアップの調整幅
  • 気密性の状態

これらは素人には判断できない。だからこそ、専門業者の査定には価値がある。

レア度と市場需要のバランス

意外だったのは、必ずしもレア=高額ではないということ。確かに限定モデルは高く評価されるが、需要がなければ意味がない。

逆に、一見普通のモデルでも、「初心者に人気」「パーツ取り需要が高い」といった理由で高値が付くこともある。この辺りの相場観は、日々取引している専門業者ならではだ。

査定額アップの裏技

実は、ちょっとした工夫で査定額を上げることができる:

  • バレル内を掃除する(専用クリーナーで)
  • 外装の油汚れを拭き取る
  • パーツの欠品がないか確認する
  • オリジナルの箱や説明書を探す
  • 購入時のレシートがあれば同梱する

これだけで、数千円の差が出ることもある。

宅配買取のリアルな体験談

申し込みから入金まで、実際の流れを時系列で振り返ってみる:

1日目(木曜日)
深夜23時、サイトから申し込み。必要事項を入力するのに10分程度。梱包キット希望にチェック。

3日目(土曜日)
午前中に梱包キット到着。思ったより大きな段ボール。エアクッションもたっぷり入っていた。

4日目(日曜日)
朝からゆっくり梱包作業。1時間ほどで完了。集荷依頼をネットで申し込み、夕方に集荷。

7日目(水曜日)
「商品到着」のメール通知。査定には3営業日かかるとのこと。

10日目(月曜日)
査定結果のメールが届く。予想を上回る金額に驚く。即座に買取承諾の返信。

11日目(火曜日)
振込完了の通知。実際に口座を確認すると、きっちり入金されていた。

トータル11日間。この間、特に不安を感じることはなかった。進捗がメールで逐一報告されるので、安心感がある。

フリマアプリと比べてどうなのか

「メルカリとかで売った方が高くない?」という意見もあるだろう。確かに、上手くやれば個人売買の方が高値になる可能性はある。

でも、実際にやってみると分かるが、エアガンの個人売買は想像以上に大変だ:

  • 写真撮影が難しい(全体像と細部の両方が必要)
  • 説明文が長くなる(スペックや状態を詳細に)
  • 質問対応が多い(初心者からマニアまで)
  • 梱包が大変(破損クレームのリスク)
  • 違法改造品を売ってしまうリスク

私も最初はメルカリを検討したが、出品準備だけで挫折した。それに比べれば、専門業者への買取は圧倒的に楽だ。

トラブルのリスクも考慮すべき

個人売買では、以下のようなトラブルが起きやすい:

  1. 「動作しない」というクレーム(輸送中の故障?)
  2. 「写真と違う」という主観的な不満
  3. 到着後の値下げ交渉
  4. そもそも入金されない

専門業者なら、これらのリスクはゼロだ。査定に納得すれば、確実に入金される。この安心感には、多少の金額差以上の価値がある。

出張買取・店頭買取という選択肢

サバゲータウンには、宅配以外にも買取方法がある。状況によっては、こちらの方が適している場合も。

出張買取のメリット

大量の装備がある場合や、梱包が面倒な場合は出張買取が便利だ。実際、サバゲー仲間のT氏は、段ボール10箱分の装備を出張買取で処分した。

「スタッフ2名が一般車で来てくれて、近所の目も気にならなかった」とT氏。査定もその場で行われ、現金での支払いも可能だったという。

店頭買取の即金性

急いで現金が必要な場合は、店頭買取が最速だ。身分証を持参すれば、その場で査定・支払いが完了する。

ただし、店舗は限られた地域にしかない。遠方から行く場合は、事前に電話で相談した方がいい。大量持ち込みの場合は、待ち時間短縮のため予約がおすすめだ。

エアガン買取業界の現状と今後

この業界について調べていくうちに、興味深い事実が分かってきた。エアガン買取市場は、ここ数年で大きく変化している。

中古市場の拡大

新品のエアガンは年々高額化している。特に電動ガンは、10年前と比べて平均価格が1.5倍以上になった。これにより、中古市場の需要が急増している。

初心者は中古から入ることが多く、ベテランも「試し撃ち用」として中古を購入する。この循環が、買取市場を支えている。

海外需要の影響

意外なことに、日本製エアガンは海外で大人気だ。特に東京マルイ製品は、「TOKYO MARUI」というブランドが確立されている。

サバゲータウンのような専門業者は、海外への販路も持っている。これが高額買取を可能にする一因だ。国内では需要が少ないモデルでも、海外なら高値で売れることがある。

最後に:思い出の品を適正価格で

結局のところ、エアガンは単なる「おもちゃ」ではない。そこには、仲間と過ごした時間や、上達の喜び、装備を揃える楽しみなど、たくさんの思い出が詰まっている

だからこそ、手放すときは適正な評価をしてもらいたい。二束三文で買い叩かれるのは、思い出まで安く見られているようで悲しい。

私の場合、サバゲータウンで買取してもらった装備たちは、きっと新しいオーナーの元で活躍しているはずだ。そう考えると、ただ押し入れで埃をかぶらせているより、よっぽど装備たちも喜んでいるだろう。

もし、あなたも使わなくなったエアガンを持っているなら、一度査定に出してみる価値はある。思わぬ臨時収入になるかもしれない。

少なくとも、リサイクルショップで「2,000円」と言われて絶望する前に、専門業者の査定を受けてみることをおすすめする。その差額で、新しい趣味への第一歩が踏み出せるかもしれないのだから。