納期3日前、修正指示が180箇所。私が校正地獄から解放された「ある方法」とは
180箇所。
金曜日の午後3時、クライアントから届いたPDFに書かれていた修正指示の数だ。納期は月曜日の朝一。土日を全て潰しても間に合うかどうか...
この瞬間、私の頭の中は真っ白になった。
修正指示の嵐に飲み込まれた、あの金曜日
Web制作会社でディレクターとして働いている私にとって、修正作業は日常茶飯事。でも、この日は違った。
クライアントからの修正指示PDFはなんと32ページ。赤ペンでびっしりと書き込まれた修正箇所は、ランディングページから動画コンテンツまで多岐にわたっていた。
「ここのフォントサイズを2px大きく」
「この部分の色を#FF5733に変更」
「動画の1:23〜1:45をカット」
「ナレーションのトーンをもっと明るく」
修正内容をExcelにまとめ始めたが、30分経っても全体の1/4も終わらない。デザイナーとエンジニア、動画編集者への指示書作成だけで丸一日かかりそうだった。
偶然見つけた「校正TOOL」が運命を変えた
絶望的な状況の中、同僚が何気なく言った一言が転機となった。
「そういえば、最近使い始めた校正ツールがめちゃくちゃ便利なんだけど...」
藁にもすがる思いで、その場で「校正TOOL」にアクセス。無料アカウントを作成し、問題のPDFと制作物をアップロードしてみた。

最初の5分で、私は確信した。これなら間に合う、と。
なぜ2時間で180箇所の修正が完了したのか
校正TOOLを使い始めて驚いたのは、その直感的な操作性だった。
1. コメント機能が想像以上に優秀だった
PDFに書かれていた修正指示を、該当箇所に直接コメントとして貼り付けていく。色分け機能を使えば、デザイン修正は青、テキスト修正は緑、動画編集は赤...というように一目で判別できる。
チームメンバー全員が同じ画面を見ながら作業できるため、「この修正箇所ってどこ?」という無駄な確認作業がゼロになった。
2. 比較機能で修正漏れが激減
修正前後のデザインを並べて表示できる比較機能。これが本当に便利だった。
特に細かい色味の調整や、微妙なレイアウトの変更は、目視だけでは見落としがち。でも、比較画面なら1ピクセルの違いも見逃さない。
3. 範囲指定機能が動画編集を劇的に効率化
動画の修正指示で最も面倒なのが、「どこからどこまで」を正確に伝えること。
校正TOOLの範囲指定機能を使えば、タイムライン上でドラッグするだけで開始点と終了点を設定できる。「1:23〜1:45をカット」という指示も、視覚的に共有できるため、編集者の理解も早かった。
実際に使って分かった、リアルなメリット・デメリット
あの金曜日から3ヶ月。今では社内の標準ツールとして定着した校正TOOL。実際に使い続けて見えてきた、良い点と改善してほしい点を正直に書いてみる。
良かった点
- 学習コストがほぼゼロ:新入社員でも10分あれば基本操作をマスターできる
- レスポンスが速い:重い動画ファイルでも、アップロードや表示がスムーズ
- 履歴管理が優秀:過去の修正履歴を全て残せるので、「前のバージョンに戻して」という要望にも即対応
- モバイル対応:外出先でもスマホから確認・コメントできる
改善してほしい点
- 無料プランの容量制限:月間1GBは正直少ない。動画案件が多いと、すぐに上限に達してしまう
- オフライン作業ができない:ネット環境がないと使えないのは、新幹線での移動中などに不便
- 外部ツールとの連携が限定的:SlackやTrelloとの連携はあるが、Notionなどとは連携できない

他社サービスとの詳細比較
校正TOOLを導入する前に、実は他のサービスも試していた。実際に使った上での比較を表にまとめてみた。
| 機能/サービス | 校正TOOL | Brushup | AUN(アウン) |
|---|---|---|---|
| 月額料金(最安プラン) | 無料〜 | 980円〜 | 2,980円〜 |
| 動画対応 | ◎(範囲指定可) | ○(基本機能のみ) | △(プラグイン必要) |
| 比較機能 | ◎ | ○ | ◎ |
| コメント色分け | ◎ | × | ○(3色まで) |
| 操作の簡単さ | ◎(直感的) | ○ | △(機能が多く複雑) |
| 容量制限(無料プラン) | 1GB/月 | 100MB/月 | 無料プランなし |
Brushupとの比較
Brushupは老舗の校正サービスで、安定性は抜群。ただ、動画編集の範囲指定機能がないのが致命的だった。「○分○秒から〜」という指示をテキストで書くしかなく、結局確認作業に時間がかかってしまう。
また、無料プランの容量が100MBというのも厳しい。ランディングページ1つでも画像が多ければすぐに超えてしまう。
AUN(アウン)との比較
AUNは機能面では最も充実している。プロジェクト管理機能やガントチャート機能まで備えており、大規模プロジェクトには向いている。
しかし、その分操作が複雑で、導入時の教育コストが高い。また、最低料金が月額2,980円というのも、フリーランスや小規模チームには負担が大きい。

3ヶ月使って実感した「時間の価値」
校正TOOLを使い始めてから、修正作業にかかる時間が平均して60%削減された。これは大げさな数字ではなく、実際にタイムトラッキングツールで計測した結果だ。
特に効果が大きかったのは以下の3つ:
- 修正指示の整理時間:2時間→30分
- チームへの共有時間:1時間→10分
- 修正確認の時間:3時間→1時間
月に換算すると、約40時間の削減。この時間を新規案件の企画立案に充てられるようになったことで、売上も15%アップした。
どんな人に向いているか、正直に考えてみた
3ヶ月使ってみて、校正TOOLが特に効果を発揮するのは以下のような人だと感じた:
- 複数人でプロジェクトを進めることが多い人
- 動画コンテンツの制作・編集に関わる人
- クライアントからの修正指示が多い人
- リモートワークでのコミュニケーションに課題を感じている人
逆に、以下のような人には必要ないかもしれない:
- 個人で完結する作業がメインの人
- テキストコンテンツのみを扱う人
- 修正作業がほとんど発生しない人
導入時の注意点とコツ
実際に導入してみて気づいた、スムーズに活用するためのポイントをいくつか共有したい。
1. 最初は無料プランで十分
いきなり有料プランに入る必要はない。無料プランでも基本機能は全て使えるので、まずは1〜2週間試してみることをおすすめする。
2. チーム全員で使い方を統一する
コメントの色分けルールや、ステータス管理の方法などは、最初に決めておくと後が楽。我々のチームでは以下のルールを設定した:
- 青:デザイン修正
- 緑:テキスト修正
- 赤:動画編集
- 黄:優先度高
3. 定期的にデータを整理する
プロジェクトが終わったら、不要なファイルは削除して容量を空けておく。特に無料プランの場合は、この作業が重要になる。

まとめ:180箇所の修正から学んだこと
あの金曜日の午後、180箇所の修正指示を見て絶望していた自分を思い出すと、今でも冷や汗が出る。
でも、あの経験があったからこそ、適切なツールの重要性を身をもって理解できた。校正TOOLは完璧なツールではない。容量制限やオフライン対応など、改善してほしい点もある。
それでも、修正作業という「必要だけど生産的ではない時間」を大幅に削減してくれるこのツールは、クリエイティブな仕事に集中したい全ての人にとって、試してみる価値があると思う。
ちなみに、あの180箇所の修正プロジェクト。結果的に金曜日の夜8時には全て完了し、クライアントからは「こんなに早く対応してもらえるとは」と驚かれた。
土日を潰さずに済んだおかげで、久しぶりに家族とゆっくり過ごすことができた。これも、効率化がもたらした大切な「成果」だと思っている。