金曜日の午後11時。私の携帯が鳴った。

「田中さん、〇〇病院です。あなたの部下の山田さんが...」

血の気が引いた。山田は入社3年目の優秀な部下だった。いや、優秀だと思い込んでいただけだった。

病院のベッドで横たわる山田の姿を見て、私は初めて自分が何をしてきたのか理解した。

「なんでそんなこともわからないんだ!」
「使えないなら辞めろ!」
「お前のせいでチーム全体が迷惑してる!」

私が日常的に浴びせていた言葉が、一人の人間を死の淵まで追い詰めていた。

会社が受けた致命的なダメージ

山田の件はSNSで拡散され、たった3日で会社の評判は地に落ちた。

取引先からの契約解除が相次ぎ、月商の40%が消えた。求人への応募はゼロ。社員の退職が続出し、残った社員も私を避けるようになった。

社長から呼び出された時、解雇を覚悟した。しかし、意外な言葉が返ってきた。

「田中、お前だけの問題じゃない。うちの会社全体の問題だ。全社員で労働トラブル相談士の資格を取る。お前が最初だ」

労働トラブル相談士との出会い

正直、最初は「こんな資格で何が変わるのか」と思っていた。

しかし、オンライン講座を受け始めて数時間で、私の考えは180度変わった。

講座の最初に出てきたのが、山本五十六の言葉だった。

「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」

海軍大将として170万人を率いた人物の言葉。私は部下20人すらまともに率いることができなかった。

衝撃的だった講座内容

約6時間の講座は、私にとって地獄のような時間だった。なぜなら、私がやってきたことがいかに間違っていたかを、法律と心理学の観点から徹底的に突きつけられたからだ。

  • パワハラの定義と6類型
  • 労働基準法の基礎知識
  • ハラスメントが企業に与える経済的損失
  • 返報性の原理と従業員満足度の関係
  • 労働トラブルの予防方法

特に印象的だったのは、「ハラスメントは壁に生えるカビと同じ」という表現だった。環境を変えなければ、何度でも発生する。まさに私たちの職場がそうだった。

資格取得までの道のり

講座はすべてオンラインで完結する。通勤電車の中、昼休み、就寝前。スマートフォンさえあれば、いつでもどこでも学習できた。

動画は1.5倍速で視聴できるため、実質4時間程度で全講座を視聴できた。ただし、私は何度も繰り返し視聴した。自分の行動を振り返りながら、メモを取りながら。

最終テストの難易度

講座修了後の最終テストは、想像以上に実践的だった。単なる暗記問題ではなく、実際の職場で起こりうるシチュエーションについて、法的根拠を持って判断する問題が多かった。

例えば:

  • 「契約社員の労働条件通知書に記載すべき事項は?」
  • 「年次有給休暇の取得を会社が拒否できるケースは?」
  • 「給与から損害賠償を天引きすることは可能か?」

合格ラインは明示されていないが、私は79%の正答率で合格した(平均的な合格者の得点率らしい)。

資格取得後の変化

労働トラブル相談士の資格を取得してから、私の仕事のやり方は根本的に変わった。

1. 部下への接し方の変化

以前の私:「なんでできないんだ!」
今の私:「どこでつまずいているか一緒に確認しよう」

以前の私:「言われたことをやれ!」
今の私:「まずやってみせるから、見ていて」

単なる言葉遣いの変化ではない。相手を一人の人間として尊重するという、当たり前のことができるようになった。

2. チームの生産性向上

驚いたことに、優しくなったら仕事が遅くなるどころか、チームの生産性は1.5倍に向上した。

理由は明確だった:

  • ミスを隠さなくなった(早期発見・早期対処)
  • 積極的に意見が出るようになった
  • メンバー同士の協力が増えた
  • 残業時間が減った(効率的な働き方)

3. 会社全体の変革

私に続いて、全管理職が労働トラブル相談士の資格を取得した。その結果、会社全体に大きな変化が起きた。

項目 導入前 導入後(6ヶ月)
離職率 年間32% 年間8%
労働トラブル件数 月平均5件 月平均0.3件
従業員満足度 2.1/5.0 4.2/5.0
採用応募数 月3名 月28名

他社サービスとの比較

労働トラブル相談士を受講する前に、私は他のハラスメント防止研修も検討した。実際に比較検討した内容を共有したい。

項目 労働トラブル相談士 A社ハラスメント研修 B社管理職研修
受講料金 33,000円 88,000円 165,000円
受講期間 3ヶ月(期間内視聴無制限) 2日間(集合研修) 1ヶ月(週1回×4)
受講形式 完全オンライン 対面のみ 対面+オンライン
資格認定 あり 修了証のみ なし
法律知識 体系的に学べる 概要のみ ほぼなし
実践的内容
団体割引 最大20%OFF なし 10%OFF(10名以上)

特に印象的だったのは、コストパフォーマンスの高さだった。他社の研修は高額な上に、拘束時間が長い。労働トラブル相談士は自分のペースで学べて、しかも資格として履歴書に書ける。

受講して感じたメリット・デメリット

メリット

1. 法的根拠に基づいた知識が身につく
曖昧な「これはパワハラかも?」という感覚ではなく、労働基準法や厚生労働省の指針に基づいて判断できるようになった。

2. いつでもどこでも学習可能
スマホがあれば電車でも自宅でも学習できる。私は主に通勤時間を活用した。1.5倍速再生も便利だった。

3. 繰り返し視聴で理解が深まる
対面研修と違い、理解できなかった部分を何度でも見返せる。私は重要な部分は5回以上視聴した。

4. 実践的な内容
理論だけでなく、実際の職場で使える知識が多い。サンプル問題も実務に即していて役立った。

5. 資格として認定される
修了証だけでなく、きちんとした資格として認定される。履歴書にも書けるし、社内での立場も向上した。

デメリット(改善してほしい点)

1. テキストの印刷が別料金
標準ではPDFダウンロードのみ。印刷版は追加7,700円かかる。私は画面で十分だったが、紙で学習したい人には不便かもしれない。

2. 講師への直接質問ができない
オンライン完結型なので、疑問点を講師に直接質問することはできない。ただし、内容が充実しているので大きな問題はなかった。

3. 実技演習がない
ロールプレイングなどの実技演習はない。知識は身につくが、実際の対応は現場で学ぶ必要がある。

こんな人におすすめ

実際に受講してみて、以下のような人には特におすすめしたい:

  • 管理職・リーダー層:部下との接し方に悩んでいる人
  • 人事・総務担当者:ハラスメント対策の知識を体系的に学びたい人
  • 転職を考えている人:労働法の知識を武器にしたい人
  • 起業予定者:将来的に人を雇う予定がある人
  • 労働環境に不満がある人:自分の権利を正しく理解したい人

逆に、以下のような人にはあまり向かないかもしれない:

  • 対面での研修を好む人
  • グループディスカッションを重視する人
  • すでに社労士などの資格を持っている人

受講のコツ

私が実践して効果的だった学習方法を共有したい:

1. まず通しで視聴する
最初は1.5倍速で全体像を把握。細かい部分は気にせず、流れを理解することに集中した。

2. 2回目は実務と照らし合わせる
自分の職場の状況と照らし合わせながら視聴。「あの時のあれはパワハラだったのか」と気づくことが多かった。

3. 重要部分はメモを取る
スマホのメモアプリを活用。後で見返せるようにポイントをまとめた。

4. サンプル問題は必ず解く
講座内のサンプル問題は飛ばさずに解く。間違えた問題は該当箇所を再視聴。

5. 学んだことをすぐ実践
知識だけでは意味がない。学んだその日から職場で実践することで、本当の理解につながった。

山田のその後

あの日から1年が経った。

山田は職場に復帰し、今では後輩の指導を任されるまでに成長した。私との関係も、上司と部下というより、共に成長するパートナーのような関係になった。

先日、山田からこんな言葉をもらった。

「田中さんが変わってくれて、本当に良かったです。あの時は死ぬことしか考えられませんでしたが、今は仕事が楽しいです」

涙が出そうになった。

もし、あの時社長が労働トラブル相談士の受講を命じなかったら。
もし、私が素直に学ばなかったら。
もし、変わることを拒否していたら。

山田は今ここにいなかったかもしれない。

最後に伝えたいこと

労働トラブル相談士は、単なる資格ではない。人として成長するためのツールだと私は思う。

確かに33,000円という金額は安くない。しかし、これで一人の命が救えるなら。職場の雰囲気が変わるなら。会社が成長できるなら。

私は自腹で受講したが、今では会社が費用を負担して全社員に受講を推奨している。それだけの価値があると、経営陣も認識したからだ。

パワハラやセクハラは、する側もされる側も不幸になる。そんな不幸な職場を、一つでも減らしたい。

もしあなたが、部下との関係に悩んでいるなら。
もしあなたが、職場の雰囲気を変えたいと思っているなら。
もしあなたが、本当の意味でのリーダーになりたいなら。

労働トラブル相談士の扉を、ノックしてみてはどうだろうか。

私のように、人生が変わるかもしれない。