「来週から、採用業務は一切やらなくていいです」

上司からそう告げられた時、私の手は震えていた。喜びでも恐怖でもない、純粋な不安だった。

毎日12時間以上パソコンに向かい、エージェント対応、応募者メール、面接調整...そんな日々が突然終わるなんて。3年前、私たちの会社がRemobaという採用代行サービスを導入した時の話だ。

採用担当者の「地獄」を知っていますか

採用担当者の1日を知っているだろうか。朝8時に出社して、まず確認するのは平均47通の未読メール。そのうち半分は転職エージェントからの「おすすめ候補者」の紹介だ。

午前中は面接の日程調整に追われる。候補者A氏は火曜の午後のみ空いている。面接官のB部長は水曜しか時間がない。会議室Cは木曜まで予約で埋まっている。このパズルを解くのに2時間かかる。

昼休み?そんなものは存在しない。急遽キャンセルになった面接の対応、新しい求人票の作成、上司への採用進捗報告...気づけば15時だ。

そして夕方からが本番。求職者は仕事を終えてから転職活動をするため、18時以降にメールが殺到する。返信が遅れれば優秀な人材を逃す。だから定時なんて概念は捨てた。

Remoba採用代行サービス

Remobaを使い始めて起きた「異変」

導入初日、Remobaの担当チームとのキックオフミーティングがあった。正直、期待はしていなかった。「結局は外注でしょ?」という冷めた気持ちだった。

しかし、彼らの最初の質問が違った。

「御社の採用で、一番時間を取られている作業は何ですか?

普通の外注なら「どんな人材が欲しいですか?」から始まる。でも彼らは違った。私たちの痛みを知ろうとしていた。

1週間後:メールが消えた

月曜日の朝、いつものようにメールボックスを開いた。未読メールは3通だけ。エージェントからの連絡も、応募者からの問い合わせも、すべてRemobaが対応していた。

最初は不安だった。「重要な連絡を見逃していないか?」「失礼な対応をしていないか?」

でも、Remobaから送られてくる日報を見て驚いた。私が返信するより丁寧で、しかも3倍速い。応募者への返信時間は平均2時間から40分に短縮されていた。

1ヶ月後:面接が「楽しく」なった

これまで面接は苦痛だった。なぜなら、準備する時間がないから。候補者の履歴書を読む時間は面接の5分前。質問内容も毎回同じ。機械的な作業になっていた。

Remobaが日程調整やスクリーニングを担当するようになってから、私には時間ができた。候補者一人ひとりの経歴をじっくり読み、その人に合った質問を準備できるようになった。

ある候補者から後日メールが届いた。「今までで一番深い話ができた面接でした」と。採用担当者として、これほど嬉しい言葉はない

予想外の「副作用」3つ

1. 社内の評価が上がった

採用実務から解放された私は、採用戦略の立案に集中できるようになった。競合他社の採用動向分析、新卒採用の長期計画、採用ブランディングの強化...これまで「やりたいけどできなかった」ことに時間を使えるようになった。

半年後の人事評価で、上司から言われた。「君の提案した採用戦略で、エンジニアの採用数が前年比170%になった。素晴らしい」

皮肉なものだ。採用業務を「手放した」ことで、採用担当者としての評価が上がるなんて。

2. 離職率が下がった

これは完全に予想外だった。Remobaを使い始めてから、新入社員の1年以内離職率が32%から18%に改善した。

理由を分析してみると、面接の質が上がったことが大きかった。じっくり時間をかけて候補者と話せるようになったことで、ミスマッチが減ったのだ。

また、Remobaのチームが作成する求人票が秀逸だった。私たちが見落としていた会社の魅力を、外部の視点から発見し、候補者に訴求していた。

3. プライベートが戻ってきた

3年前、私の平均退社時間は21時30分だった。土曜日も出社することが多く、友人との約束はいつもドタキャンしていた。

今は違う。18時に退社し、ジムに通っている。週末は趣味の登山を楽しんでいる。当たり前のことかもしれないが、人間らしい生活が戻ってきた。

Remoba採用代行

でも、完璧じゃない。Remobaの「落とし穴」

3年間使い続けて分かった。Remobaにも弱点がある。正直に書こう。

問題1:初期の「違和感」

最初の1ヶ月は正直きつかった。自分がやってきた業務を他人に任せる不安、コントロールを失う恐怖。メールの文面一つとっても「私ならこう書くのに」とモヤモヤした。

特に困ったのは、社内の理解を得ることだった。「採用は社内でやるべきだ」「外注に任せて大丈夫なのか」という声が上がった。実績を見せるまでに3ヶ月かかった。

問題2:コストの正当化

月額35万円(スタンダードプラン)は決して安くない。年間420万円。中小企業なら採用担当者を1人雇える金額だ。

CFOからは毎回「本当に費用対効果があるのか」と詰められた。数値で証明する必要があった。採用期間の短縮率、応募者対応の改善率、私自身の残業代削減額...すべてを可視化した。

問題3:「温度感」の共有

これが一番難しかった。会社の文化、求める人材像のニュアンス、面接での「違和感」の共有。言語化できない部分をどう伝えるか。

例えば、「うちの会社に合う人」という曖昧な基準。これを共有するのに半年かかった。週次ミーティングを重ね、採用した人/不採用にした人のフィードバックを細かく共有し続けた結果、やっと「阿吽の呼吸」ができるようになった。

他社サービスとの比較:リアルな違い

Remobaを選ぶ前、他の採用代行サービスも検討した。実際に使った友人の話も聞いた。違いを表にまとめてみる。

項目 Remoba A社 B社
月額費用 35万円〜 25万円〜 45万円〜
対応範囲 採用業務全般 応募者対応のみ 採用業務全般+研修
レスポンス速度 平均40分 平均2時間 平均1時間
専任チーム あり(3-5名) なし(都度変更) あり(2名)
契約期間 3ヶ月〜 1ヶ月〜 6ヶ月〜

A社は安いが、対応範囲が限定的。応募者とのメールのやり取りだけで、エージェント対応や採用戦略立案は含まれていない。結局、一番大変な部分は自分でやることになる

B社は高機能だが、高い。さらに最低契約期間が6ヶ月。スタートアップや中小企業には敷居が高い。

Remobaの強みは「ちょうどいい」こと。必要十分な機能を、現実的な価格で提供している。

3年使って分かった「向いている会社」「向いていない会社」

Remobaが向いている会社

  • 社員50-500名規模:採用ボリュームがあるが、専任の採用チームを持つほどではない
  • 成長フェーズ:採用を加速したいが、採用担当者を増やす余裕はない
  • 採用担当者が1-3名:少数精鋭で回している
  • 残業が常態化:採用担当者が疲弊している
  • 採用の質を上げたい:実務に追われて戦略的な採用ができていない

Remobaが向いていない会社

  • 社員20名以下:採用頻度が低く、コストパフォーマンスが悪い
  • 特殊な採用要件:超ニッチな技術職など、専門知識が必要な採用
  • 採用を完全に内製化したい:外部に任せることに抵抗がある企業文化
  • 予算がカツカツ:月35万円を捻出するのが厳しい
Remoba採用代行サービス詳細

導入前に知っておくべき「準備」

もしRemobaを検討しているなら、以下の準備をしておくことをお勧めする。私たちが失敗から学んだことだ。

1. 社内の合意形成

経営陣、現場の管理職、そして何より一緒に働く同僚。全員の理解を得ておく。「採用を外注する」ことへの不安や反発は必ずある。事前に説明し、3ヶ月の試用期間を設けるなど、段階的に進めるといい。

2. 業務の棚卸し

自分が今やっている採用業務をすべて書き出す。そして「任せたい業務」「任せたくない業務」に分類する。私たちの場合、最終面接の調整だけは自分でやりたかった。こういう要望は最初に伝えておく。

3. 評価指標の設定

導入効果を測る指標を決めておく。応募者数、書類選考通過率、内定承諾率、採用期間、残業時間...何を改善したいのか明確にする。

4. 情報共有の仕組み

Slackなどのコミュニケーションツールは必須。メールだけでは情報共有が追いつかない。私たちは専用のチャンネルを作り、リアルタイムで情報交換している。

よくある質問への「本音」回答

Q: 本当に月35万円の価値があるの?

A: 正直、最初の3ヶ月は疑問だった。でも、私の残業代が月15万円減り、採用期間が平均45日から28日に短縮され、何より採用の質が上がった。数字だけ見れば元は取れている。

Q: 情報漏洩のリスクは?

A: ゼロではない。でも、Remobaは情報セキュリティに相当気を使っている。NDA締結はもちろん、定期的な監査も受けている。3年間、一度も問題は起きていない。

Q: 採用ノウハウが社内に蓄積されないのでは?

A: これは半分正しい。実務のノウハウは確かに蓄積されない。でも、採用戦略や人材要件定義のノウハウは、むしろRemobaとの協働で深まった。彼らから学ぶことも多い。

Q: 突然サービスが終了したらどうする?

A: リスクヘッジは必要。私たちは四半期ごとに業務内容を文書化してもらっている。最悪の場合でも、1ヶ月あれば内製化できる体制を保っている。

3年後の今、思うこと

Remobaを使い始めて3年。私はまだ同じ会社で採用担当をしている。でも、3年前とは全く違う仕事をしている。

応募者対応や日程調整に追われる日々から、採用戦略の立案、採用ブランディング、ダイレクトリクルーティングの企画...より創造的で戦略的な仕事にシフトできた。

年収も上がった。「採用実務しかできない担当者」から「採用戦略を描ける人材」として評価されるようになったからだ。

でも、一番の変化は別のところにある。

先月、3年ぶりに大学時代の友人と会った。「お前、顔色良くなったな」と言われた。そういえば、3年前は常に疲れていた。目の下にはクマがあり、肩こりもひどかった。

今は違う。毎朝、出社するのが苦じゃない。採用の仕事が楽しいと思えるようになった。

最後に:採用担当者へのメッセージ

もしあなたが今、採用業務に追われて苦しんでいるなら、一度立ち止まって考えてほしい。

本当にその業務は、あなたにしかできないことなのか?

メールの返信、日程調整、エージェント対応...これらは本当に採用担当者の「仕事」なのか?

私は3年前、採用業務を「手放す」という決断をした。最初は不安だった。罪悪感もあった。でも今思えば、あれは「手放した」のではなく「任せた」のだ。

信頼できるパートナーに任せることで、自分はより価値の高い仕事に集中できるようになった。

Remobaが完璧なサービスだとは言わない。合う会社も合わない会社もある。でも、一つだけ確かなことがある。

採用担当者が毎日深夜まで働き、疲弊し、それでも採用がうまくいかない...そんな状況は異常だということ。

変える方法はある。私たちには選択肢がある。

3年前の自分に会えるなら、こう言いたい。

「もっと早く始めればよかった」と。

追記:導入から3ヶ月後のリアルな変化

この記事を書くために、導入当時の日記を読み返してみた。忘れていた細かい変化がたくさんあった。

1ヶ月目の日記より

「Remobaのチームから『おはようございます』のメッセージ。今日の対応予定が箇条書きで送られてきた。プロだな、と思った。でもまだ信用しきれない自分がいる」

2ヶ月目の日記より

「今日、候補者から『御社の採用プロセスは他社と違って親切ですね』と言われた。Remobaが作った自動返信メールのテンプレートが効いているらしい。自分では思いつかない細やかさがある」

3ヶ月目の日記より

「ついに定時で帰れた。3ヶ月ぶり。帰り道、なぜか涙が出そうになった。普通の生活って、こんなに贅沢だったんだ」

振り返ると、変化は劇的ではなく、少しずつ、でも確実に起きていた。

実際の数字で見る「ビフォー・アフター」

感覚的な話ばかりでは説得力がない。具体的な数字を公開する(一部は概算)。

指標 導入前 導入後(3ヶ月) 現在(3年後)
月間応募者対応数 約150名 約180名 約320名
平均採用期間 45日 35日 28日
内定承諾率 42% 48% 61%
採用担当の月間残業時間 80時間 35時間 15時間
採用コスト(1人あたり) 120万円 95万円 75万円

特に驚いたのは、応募者数が倍以上に増えたこと。これは、求人票の質が上がったことと、応答速度が速くなったことで応募者の満足度が上がり、口コミが広がった結果だと分析している。

採用コストの削減も予想以上だった。エージェント経由の採用が減り、ダイレクトリクルーティングの成功率が上がったためだ。

そして何より、私の残業時間。月80時間から15時間へ。これは人生が変わるレベルの変化だ。

Remobaは魔法ではない。でも、正しく使えば、採用担当者の仕事と人生を大きく変える可能性がある。

それは、私が身をもって証明した事実だ。