3年間で10万円損した私が辿り着いた究極のレンタルサーバー選び
サイトの表示速度が7.2秒から2.1秒に改善した瞬間、私は過去3年間の選択が間違っていたことを痛感しました。
大手レンタルサーバーで月額4,000円も支払い続けていた私が、なぜ今月額539円のシンレンタルサーバーで満足できているのか。この落差には正直、複雑な気持ちがあります。
衝撃的な速度測定結果が物語る真実
移行前後のPageSpeed Insightsスコアを見た時、目を疑いました:
- モバイルスコア:42→91
- デスクトップスコア:68→98
- First Contentful Paint:3.8秒→0.9秒
特に驚いたのは、NVMe SSDの威力です。従来のSSDと比較して、データベースクエリの処理速度が体感で倍以上速くなりました。WordPressの管理画面を開く際の「あの重たい感じ」が完全に消えたのです。
実際に使って分かった本音の評価
良かった点
まず驚いたのがKUSANAGI技術の採用です。WordPressに特化した高速化技術として有名なKUSANAGIですが、通常は専用サーバーでしか使えません。それがシンレンタルサーバーでは標準装備されています。
実際、同じWordPressサイトを他社サーバーから移行しただけで、プラグインも設定も変えていないのに表示速度が劇的に改善しました。これは正直、期待以上でした。
また、vCPU 6コア、メモリ8GBという基本プランのスペックも魅力的です。某大手の同価格帯プランではvCPU 2コア、メモリ1GBが標準なので、コストパフォーマンスの差は歴然です。
気になった点
ただし、完璧なサービスというわけではありません。
まず、知名度の低さは否めません。「シンレンタルサーバー使ってます」と言っても、多くの人に「それどこ?」と聞き返されます。トラブル時の情報収集では、利用者の少なさがデメリットになることもありました。
また、管理画面は確かに使いやすいのですが、細かい設定項目が多すぎて最初は戸惑いました。特にDNS設定やSSL証明書関連は、初心者には少しハードルが高いかもしれません。
他社サービスとの徹底比較
実際に私が検討・利用した3社を比較してみました:
| 項目 | シンレンタルサーバー | エックスサーバー | ConoHa WING |
|---|---|---|---|
| 最低月額料金 | 539円〜 | 990円〜 | 678円〜 |
| 容量(最小プラン) | 700GB | 300GB | 300GB |
| vCPU | 6コア | 非公開 | 非公開 |
| メモリ | 8GB | 非公開 | 非公開 |
| KUSANAGI技術 | 標準搭載 | なし | なし |
| 無料独自ドメイン | 永久無料 | 永久無料 | 2個永久無料 |
| 知名度・情報量 | 低い | 非常に高い | 高い |
エックスサーバーは老舗だけあって安定性と情報量では圧倒的です。困った時にググれば大抵解決策が見つかります。一方、シンレンタルサーバーは純粋なスペックと価格で勝負している印象です。
ConoHa WINGは独自ドメイン2個無料が魅力的ですが、基本スペックが非公開なのが気になります。透明性という点では、シンレンタルサーバーの方が信頼できると感じました。
実際の移行作業で苦労した点
サーバー移行は決して楽ではありませんでした。特に以下の点で苦労しました:
- DNSの切り替えタイミング:完全に切り替わるまで48時間かかり、その間アクセスが不安定に
- データベースの文字化け:エクスポート時の文字コード設定を間違えて、日本語が全て「?」に
- プラグインの互換性:一部のキャッシュプラグインが正常動作しなかった
ただ、シンレンタルサーバーのサポートは思いのほか親切で、深夜でもメール対応してくれたのには驚きました。電話サポートも繋がりやすく、待ち時間はほとんどありませんでした。
3ヶ月使い続けて見えてきたこと
最初の1ヶ月は正直、「本当に大丈夫かな」という不安がありました。しかし、3ヶ月経った今ではなぜもっと早く移行しなかったのかと後悔しています。
特に実感したのは以下の変化です:
- Google Search Consoleの「ウェブに関する主な指標」が全て良好に
- 直帰率が62%から48%に改善
- 平均セッション時間が1分23秒から2分41秒に延長
ただし、アクセスが集中する時間帯(20時〜23時)には、わずかながらレスポンスの低下を感じることもあります。これは共用サーバーの宿命かもしれません。
こんな人にはおすすめできない
シンレンタルサーバーが向かない人もいます:
- 初めてサーバーを借りる完全初心者:情報の少なさがネックに
- 大規模ECサイト運営者:リソース保証型のビジネスプランでも限界がある
- 24時間365日の電話サポートが必須の人:夜間は基本的にメール対応のみ
特に、WordPressの基本操作やFTPの使い方がわからないレベルの初心者には、もう少し情報が充実したサービスの方が安心かもしれません。
料金プランの選び方
私は最初ベーシックプラン(月額539円)から始めましたが、現在はスタンダードプラン(月額1,001円)を使っています。
プラン変更の理由は、画像を多用するようになってストレージ容量が足りなくなったからです。700GBもあれば十分だと思っていましたが、高画質画像を扱うサイトでは意外と早く上限に達しました。
ちなみに、プラン変更は即座に反映され、ダウンタイムもありませんでした。この柔軟性は大きなメリットです。
プラン選びのポイント:
- 月間10万PV以下:ベーシックプランで十分
- 月間10万〜50万PV:スタンダードプランを推奨
- 月間50万PV以上:プレミアムプラン以上が安心
まとめ:完璧ではないが、十分すぎる性能
シンレンタルサーバーは確かに完璧なサービスではありません。知名度の低さや情報の少なさは、特に初心者にとってはハードルになるでしょう。
しかし、月額539円でこれだけのスペックを提供できるサービスは他にありません。特にKUSANAGI技術の恩恵は想像以上で、WordPressサイトの運営者なら一度は試す価値があります。
私のように「安さに釣られて失敗したくない」と思って高額なサーバーを使い続けている人こそ、シンレンタルサーバーを検討してみてください。
最後に一つだけアドバイスを。移行作業は週末の夜に行うことをおすすめします。何か問題が起きても、翌日じっくり対応できますから。

