転職活動で50社以上に応募し、最終面接まで進んだ企業は8社。それなのに、内定をもらった3社すべてを辞退してしまった。

「年収も悪くない、スキルもある。でも、なぜか転職先を決められない」

当時の私は、大手IT企業でプロジェクトマネージャーとして働いていた。年収は800万円を超え、周りからは「恵まれている」と言われる立場だった。しかし、心の中では常に「本当にこのままでいいのか?」という疑問が渦巻いていた。

転職活動の迷走が始まったきっかけ

きっかけは、同期の友人が起業して成功したことだった。SNSで彼の活躍を見るたびに、自分の人生が色褪せて見えた。「私も何か新しいことを始めなければ」という焦りから、とりあえず転職サイトに登録した。

スカウトメールは毎日のように届いた。年収1000万円以上のオファーも珍しくなかった。しかし、面接を重ねるうちに、ある違和感に気づいた。

「どの会社も魅力的に見えるけど、どこにも行きたいと思えない」

内定をもらった3社は、どれも条件面では申し分なかった。年収アップ、役職アップ、福利厚生の充実。それなのに、オファーレターを前にして、サインする手が止まった。

キャリアコーチングとの出会い

転職活動に疲れ果てた私は、友人の勧めでキャリアコーチングというサービスを知った。正直、最初は「自己啓発セミナーみたいなもの?」と懐疑的だった。

調べてみると、いくつかのサービスがあった:

  • ZaPASSコーチングキャリア
  • ポジウィルキャリア
  • マジキャリ

どれも似たようなサービスに見えたが、各社の無料相談を受けてみることにした。

ZaPASSコーチングキャリア

3社の無料相談を受けて感じた違い

ポジウィルキャリアの場合

最初に受けたのはポジウィルキャリアだった。担当者は20代後半の女性で、とても親身になって話を聞いてくれた。ただ、「転職を前提とした」アプローチが強く、私の「そもそも転職すべきかわからない」という悩みには少しズレを感じた。

料金は3ヶ月で約40万円。決して安くはない。

マジキャリの場合

次に受けたマジキャリは、より実践的な印象だった。自己分析ツールを使った診断結果をもとに、具体的なキャリアプランを提案してくれた。ただ、「型にはめられている感じ」が否めなかった。

私のような「そもそも論」から考えたい人には、少し物足りなさを感じた。料金はポジウィルと同程度。

ZaPASSコーチングキャリアの場合

最後に受けたZaPASSは、他の2社とは明らかに違っていた。

担当コーチは40代の男性で、大手コンサルファームから独立した経歴の持ち主だった。最初の質問が印象的だった。

「転職の話は一旦置いておきましょう。あなたは、どんな人生を送りたいですか?」

正直、面食らった。転職相談に来たのに、人生の話?でも、この質問が私の中で何かを動かした。

ZaPASSを選んだ決め手

3社を比較して、最終的にZaPASSを選んだ理由は以下の通りだ:

項目 ZaPASS ポジウィル マジキャリ
コーチの年齢層 30-50代中心 20-30代中心 20-30代中心
ビジネス経験 管理職・経営層経験者多数 人事・キャリア系中心 人事・転職エージェント出身多め
アプローチ 人生全体から逆算 転職成功がゴール キャリアアップ重視
料金(3ヶ月) 約35万円 約40万円 約38万円
サポート期間後 週1回の無料ジャーナリング参加可 特になし 有料の継続プランあり

特に決め手となったのは、コーチのビジネス経験の豊富さだった。私のような30代のビジネスパーソンにとって、年下のコーチから「キャリアアドバイス」を受けるのは、正直違和感があった。

実際のコーチングセッションで起きた変化

第1回:自分の「本音」との対面

最初のセッションは、予想外の展開だった。コーチから「これまでの人生で、一番充実していた時期はいつですか?」と聞かれた。

思い返すと、それは新卒で入社して2年目、初めて大きなプロジェクトを任された時だった。毎日深夜まで働いていたけれど、不思議と疲れを感じなかった。

「なぜその時期が充実していたんでしょうね?」

コーチの問いかけで、私は気づいた。給料でも役職でもなく、「自分が成長している実感」こそが、私のモチベーションの源泉だったということに。

第3回:価値観の言語化

ZaPASSの特徴的なプログラムの一つに、「エゴグラム診断」がある。これは単なる性格診断ではなく、自分の行動パターンや価値観を可視化するツールだ。

私の結果は意外なものだった。「挑戦」や「成長」のスコアが高い一方で、「安定」や「調和」も同じくらい高かった。

「矛盾しているように見えますが、これがあなたの葛藤の原因かもしれませんね」

コーチの言葉で、すべてが繋がった。転職したいのに決められない理由が、ここにあった。

第5回:キャリアの「北極星」の発見

セッションを重ねるうちに、私の中で一つの軸が見えてきた。それは「専門性を深めながら、後進を育てる」というものだった。

考えてみれば、最も充実していた時期も、プロジェクトで若手メンバーを指導していた時だった。転職先を選べなかった理由も、どの会社も「個人のスペシャリスト」としての役割ばかりを求めていたからだった。

納得感のあるゴール設定

ZaPASSの独自機能:ジャーナリング習慣

他社との最大の違いは、プログラム終了後も週1回の「ZaPASSジャーナリング」に無料で参加できることだ。

ジャーナリングとは、エグゼクティブコーチが投げかける問いに対して、自分の考えを書き出すワークショップだ。例えば:

  • 「今週、最も時間を使ったことは何ですか?それはあなたの価値観と一致していましたか?」
  • 「もし明日から1年間の長期休暇がもらえたら、何をしますか?」
  • 「10年後の自分から、今の自分へアドバイスをするとしたら?」

これが想像以上に効果的だった。コーチングが終わった後も、自分で自分をコーチングする習慣が身についた。

3ヶ月後の結果:予想外の決断

コーチングを始めて3ヶ月後、私は一つの決断をした。

転職ではなく、社内で新しいポジションを作ってもらうことにしたのだ。

「テクニカルリード兼メンター」という役職で、技術的な専門性を深めながら、若手エンジニアの育成も担当する。給与は据え置きだったが、不思議と満足感があった。

面白いことに、この決断をしてから半年後、ヘッドハンターから「まさにあなたのような人材を探している」という連絡が来た。提示された条件は、技術顧問として週3日勤務、年収1200万円。専門性を活かしながら、スタートアップの若手を指導する役割だった。

もし3ヶ月前の私だったら、飛びついていただろう。でも、今の私には「なぜこの仕事をしたいのか」が明確にあった。結果的に、この話は受けることにしたが、それは条件ではなく、自分の軸に合致していたからだ。

ZaPASSの良かった点・改善してほしい点

良かった点

  • コーチの質の高さ:ビジネス経験豊富なコーチによる、地に足の着いたアドバイス
  • カスタマイズされたプログラム:画一的でない、個人に合わせたアプローチ
  • 継続的なサポート:プログラム終了後も続くジャーナリング習慣
  • LINEでの日常サポート:セッション以外でも相談できる安心感

改善してほしい点

  • 料金の高さ:35万円は決して安くない投資
  • コーチとの相性:体験セッションで選べるとはいえ、選択肢は限られる
  • 即効性の低さ:すぐに転職したい人には向かない
内省習慣の重要性

どんな人にZaPASSは向いているか

向いている人

  • 30代以上で、キャリアの転換期にいる人
  • 転職を繰り返しているが、満足感が得られない人
  • 「そもそも自分は何がしたいのか」から考えたい人
  • 長期的な視点でキャリアを設計したい人
  • ビジネス経験豊富なコーチから学びたい人

向いていない人

  • とにかく早く転職したい人
  • 具体的なスキル(面接対策など)だけを学びたい人
  • 料金を重視する人
  • 20代前半で、まだキャリアの方向性が定まっていない人

他社サービスとの使い分け

正直なところ、どのサービスも一長一短がある。私の個人的な見解では:

  • ZaPASS:人生全体から逆算してキャリアを考えたい30代以上向け
  • ポジウィル:明確に転職を決めていて、サポートが欲しい20代後半向け
  • マジキャリ:キャリアアップの方法論を学びたい人向け

重要なのは、自分が今どの段階にいるかを見極めることだ。

最後に:「正解」のないキャリアだからこそ

コーチングを受けて気づいたのは、キャリアに「正解」はないということだ。年収1000万円が幸せとは限らないし、大企業が安定とも限らない。

私の場合、コーチングを通じて見つけたのは、「自分なりの成功の定義」だった。それは必ずしも、世間一般の成功とは一致しない。でも、それでいい。

もしあなたが、私と同じように「なんとなくモヤモヤしている」なら、一度立ち止まって考えてみてほしい。そのモヤモヤは、もしかしたら「他人の物差しで自分を測っているから」かもしれない。

ZaPASSのコーチングは、その物差しを自分で作る手伝いをしてくれる。決して安くはないが、人生の残り30年、40年を考えれば、価値ある投資だと思う。

ちなみに、あの時の私のコーチは今でもジャーナリングで時々顔を合わせる。先日、「あの時、転職しなくてよかったですね」と言われた。

確かに、あの時転職していたら、今の充実感は得られなかっただろう。時には立ち止まることも、前進なのだと教えてくれたZaPASSに感謝している。